第15節は立正大との対戦。序盤、相手に主導権を握られる。転機は前半36分、相手のハンドで得たPKを佐藤亮が決め先制点を奪った。後半にはルーキー・赤井がリーグ戦初ゴールを決め勝利。2位との差をさらに突き離し、優勝にまた一歩近づいた。 頂上決…

 15節は立正大との対戦。序盤、相手に主導権を握られる。転機は前半36分、相手のハンドで得たPKを佐藤亮が決め先制点を奪った。後半にはルーキー・赤井がリーグ戦初ゴールを決め勝利。2位との差をさらに突き離し、優勝にまた一歩近づいた。


 頂上決戦となった立正大戦。立ち上がりは相手の攻撃に苦しむ。「ロングボールが多くなってしまった」(栗田監督)。パスがつながらず、守備に回る時間が続いた。しかし中盤から細かいパス回しでリズムをつかみ始め、流れを打開。迎えた前半36分、ついに試合が動く。コーナキックのこぼれ球からPA内で相手のハンドを誘発。PKを佐藤亮が落ち着いて流し込む。「自分はチームメイトに助けられながらプレーしている」(佐藤亮)。仲間への思いをゴールの形で応えてみせた。44分には相手のクリアボールが佐藤亮に当たり、ネットに突き刺さる。ハードワークゆえのゴールで再びリーグ戦の得点ランキングトップに躍り出た。

 試合を決定づけたのは1年生だった。2点リードで迎えた後半。68分には左サイドのクロスから頭で合わせられ失点。「自分の弱さを見せてしまった」(常本)。無失点をテーマに掲げるDF陣としては、悔しさが残った。しかしこの日がデビュー戦となった大型ルーキー・赤井が明大に再び流れを引き寄せる。71分、小柏のスルーパスに抜け出すと相手GKとの一対一の状況に。右隅に狙いを定め、巻いて蹴ったボールはネットに吸い込まれた。「いい形につながって良かった」(小柏)。先輩FWが最高のパスを繰り出し、赤井のデビュー戦に花を添えた。残り時間も集中を切らさなかった明大。3-1で勝利を収めリーグ戦連勝を11に伸ばした。

 MOMにも選出された赤井。それでも「結果的に見てすごかったのは佐藤亮選手」と決して満足することはない。しかし、今日の活躍が上級生に火をつけたのも事実。「ライバルが増えたが、ポジションを奪われないように点を取り続ける」(佐藤亮)。輝き始めた新たな武器。成長を支える日本一のDF陣との練習、そして日々の努力。得られた自信を胸に最強FWへの階段を上り始める。

[市瀬義高]

試合後のコメント

栗田監督

――試合の振り返りをお願いします。

「上位対決ということでこの先の優勝を考えたときにはすごく大きな勝利になったと思います」

――下級生の活躍が目立ちました。

「1週間を見て調子がいい選手を使っています。今日は赤井と杉浦がデビューしましたが、2人とも活躍してくれたと思います」

佐藤亮

――試合の振り返りをお願いします

「自分たちは順位や相手にこだわらずに目の前の一戦に勝つことに集中しています。どこが相手でも自分たちに向かってきます。それが今回は立正大でした。その中でも勝ち切れるチームは強いチームだと思うので勝てて良かったです」

赤井

――監督から言われたことを教えてください。

「ピッチに入る前に結果を残してこいと言われました。何が何でも点を取りたいと思っていたので、点を取ることができて良かったです」

――今後への意気込みをお願いします。

「まずは来週の駒大戦にしっかり出て、点を決めることやチームにより貢献できるようなことをしたいです。最終的にはここからもっとステップアップして自分の体を100%使えるようになりたいと思います」