世界耐久選手権(WEC)の2019/2020シーズン第2戦「富士6時間」が4日、走行初日を迎えた。LMP1クラスのトヨタ8号車TS050(中嶋一貴組)が初日の2セッションともトップタイムをマークしている。

2012年から8年連続の開催を迎えた「6 Hours of FUJI」。最高峰LMP1クラス5台を含む総計30台がエントリーリストに名を連ね、走行初日は2回のフリープラクティスが実施された。未明には大雨が降った富士スピードウェイだが、最初のセッション開始時にはドライ用タイヤで走れる状況にまで路面は回復していたという。

前季世界王者陣営のトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は今季も2台の「TS050 HYBRID」で参戦している。ハイブリッドマシンでLMP1クラスにレギュラー参戦している自動車メーカーは今季もトヨタのみ、開幕戦シルバーストンでも1-2フィニッシュを飾っているが、この第2戦富士からは“新たな敵”と戦う必要が生じている。

ノンハイブリッド勢との総合戦闘力の“調整”は継続的に行なわれているが、今季は新たに「サクセスハンデキャップ」という制度が加わった。これは獲得ポイント差に基づいて施されるものとされ、最終戦の2020年ルマンを除き適用される予定、シーズン第2戦である今回の富士が初適用となる。課されるハンデの“中身”は「ハイブリッド・ブースト、1周あたりの燃料使用量、1スティントあたりの燃料量について」とのこと。

トヨタ陣営によれば、開幕戦優勝でランキング首位の7号車(小林可夢偉/M.コンウェイ/J-M.ロペス)は「1周あたり1.4秒相当」のハンデを課されており、ランキング2位の8号車(中嶋一貴/S.ブエミ/B.ハートレー)は「1秒相当」。チームは初日、この状態での最適セットアップを探る作業に忙しくなったようだ。

2回のセッションとも、首位タイムは8号車がマーク。初日最速タイムは2回目のセッションに一貴がマークした1分25秒623だった。7号車はレースセッティングに集中し、順位的には1回目3位、2回目5位にとどまっている(ベストは1分27秒790)。

#8 中嶋一貴のコメント
「チームは車両のセットアップとシステム調整に一生懸命取り組みました。サクセスハンデキャップにより2台の車両の使用可能なエネルギー量が異なるため、注意が必要です。開幕戦のシルバーストンに比べて燃料使用量とハイブリッド・ブーストが少ないため、車両バランスが大幅に変わっています。エネルギー配分に合わせた新しい車両のセットアップを考える必要があり、とても複雑でした。ただ、今日は良いスタートが切れたと思います」

#7 小林可夢偉のコメント
「今日は全力走行ではありませんでした。一方で、サクセスハンデキャップがとても厳しい条件だと分かりました。8号車に対抗するのは難しく、辛いレースになるかもしれません。明らかにサクセスハンデキャップによるパワー低下で、大きな差がついています。この状況をなんとか乗り切って、最大の成果をあげたいと考えています」

なお、2回のセッションとも2番手タイムはレベリオン・レーシングの1号車 レベリオンR13・ギブソン(B.セナ/G.メネゼス/N.ナト)が記録している。1号車のベストタイムは1分27秒042だった。

5日の土曜日には公式予選が実施される。