「楽天ジャパンオープン」(日本・東京/9月30日~10月6日/ハードコート)の大会5日目、男子シングルス準々決勝で世界53位のライリー・オペルカ(アメリカ)に3-6、3-6のストレートで敗れ、…

「楽天ジャパンオープン」(日本・東京/9月30日~10月6日/ハードコート)の大会5日目、男子シングルス準々決勝で世界53位のライリー・オペルカ(アメリカ)に3-6、3-6のストレートで敗れ、準決勝進出とはならなかった予選勝者で世界136位の内山靖崇(日本/北日本物産)。その内山が記者会見に出席し、試合を振り返った。

まず、対戦した身長211cmのオペルカについて内山は「サーブは自分がこれまで受けた中ではおそらくナンバーワンだと思います。他の選手に比べて角度が違います。(身長が)180cmや190cmの選手のサーブよりも高く跳ねてくるので、自分で捉えたと思っていても、捉え切れていなかったりして。最初は返せるかなって思っていたんですが、少しずつコースが読めなくなったりしていたなという感じですね」とそのサーブの脅威を語った。

「特にバックハンド側にサーブを打たれたときはかなり弾んでくるので、思い切り中に入るか、逆に思い切り下がるか。中途半端なところにいたら取れないので、僕は中に入る方を選択したんですが、それでもなかなかチャンスをつかみきるところまではいかなかったですね。1ゲームに何本もセカンドサーブが続くことがあれば、まだチャンスを作ることができたかもしれませんが、コンスタントに入ってきたので、なかなか難しかったです」

また「自分のサービスゲームで、普段の試合以上に落とせないという気持ちが強くあって。落とせないから失点もしたくないという気持ちが出過ぎて。第1セットは特にファーストサーブの確率も悪かったですし、自分らしさがなかなか出せなかったという感じですね」と振り返った。

そして「自分のプレーをさせてもらえなかったという感じなので、思ったよりもすごくがっくりきていて、逆に負けた実感が湧かないくらいサーブにやられちゃったという感じです」とその悔しさを語ったが、それでも「今はすごく良い一週間だったという思いが強いですね。本来、大会直前まで出られないはずだったものが、こうして金曜日まで残れたということを自分としては評価したいという気持ちが強いです」と前向きな言葉を口にした。

今回、トップ選手と戦う機会を得た内山は「トップに行けば行くほど色々なタイプの選手がいるな」と感じたとのこと。さらに「オペルカだけじゃなくジョン・イズナー(アメリカ)やミロシュ・ラオニッチ(カナダ)などの高身長のビッグサーバーがたくさんいますが、自分がランキングをもっと上げて、そういった選手との対戦の機会を増やしていけばビッグサーバー相手にも慣れると思うので、自分がもっとランキングを上げていくことが大事だなと思います」と上昇志向を覗かせた。

現在、世界136位の内山。今大会の結果を加味していくと、ランキングトップ100入りも今年か来年の早い段階で狙えるのでは、と言われると「100位というのは今大会前だと、正直かなり厳しいというか、チャレンジャーだと2大会くらい優勝しないとという状況だった中で、今大会で110ポイント取れたところで現実的に見えてきたな」「もちろん、今日勝てていれば一時的には入れたと思うのですが。今日負けた落胆よりも、100位が目の前に来たというワクワク感の方が強いので。とりあえず今年あと4大会チャレンジャーに出るつもりなので、まずはしっかり疲れを取って。そこで自分が力を発揮すれば、どの大会も優勝を狙えると思うので。そこに向けて準備したいなと」と、トップ100入りを現実的なものとして捉え、そこに向かっていくことを伝えた。

最近調子が良いという内山。調子の良し悪しはどのようなところに出るのか、と問われると「練習とかだとスムーズに事が進みますね。上手くいっていないときはコーチと話しててもしっくりいかないというか、お互いにどうしたら良いんだろうみたいな感じになっちゃいます。今はこうやっていこうというのはお互いスムーズに見えていて、練習でもスムーズに事が進むので、ストレスもないですね」「オフコートでは、練習のときとそうでないときの切り替えが大事だなと思い、テニスから離れる時間を大事にしています。それによってリフレッシュした気持ちでコートに臨めているので。上手くいっていないときは、オフコートでもテニスのことを考えてしまったりして。最近はそういうのが少ないので、ストレスも少なくなっています」と語った。

また、記者から錦織圭(日本/日清食品)にスライスを褒められたそうだが、と聞かれると「どこで聞いたんですか」と笑う内山。「練習初日、NTCでやっているとき、練習の最後に少しスライスのアドバイスをもらいながらやっていたときに圭くんが後ろを通って『それの方が全然良いじゃん』と言われて。通りがかりにそのひとこと言われただけですが。それから継続してスライスに取り組んでいて、少しずつ感覚はつかめていると思います」と語った。

準々決勝で敗れたものの、予選から勝ち進み、見事ベスト8進出を果たした内山。着実に力をつけ、トップ100入りを果たす日が一日も早く訪れることを期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「楽天ジャパンオープン」での内山