10月6日、東京競馬場でGⅡ毎日王冠(芝1800m)が行なわれる。このレースは、10月27日に行なわれるGⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)の前哨戦として歴史のあるレース。近年は前哨戦に出走せず、秋初戦で天皇賞・秋に出走する馬も多いが、今年はNHKマイルC勝ち馬のアエロリットとケイアイノーテック、安田記念勝ち馬のインディチャンプとモズアスコット、マイルチャンピオンシップ勝ち馬のペルシアンナイトと、5頭のGⅠホースが出走。かなりハイレベルな争いになりそうだ。

 そんな今年の毎日王冠で狙いたいのは、紅一点のアエロリット(牝5歳/美浦・菊沢隆徳厩舎)だ。




前走の安田記念で2着と好走したアエロリット

 同馬は昨年の同レース勝ち馬。そのレースでは1000m通過を59秒0のマイペースで逃げ、最終タイムは1分44秒5という、レース史上歴代3位、コースレコードまでわずか0秒3差の好タイムで勝利している。今年は安田記念2着から約4カ月ぶりの出走となるが、このローテーションは昨年と同じ。ヴィクトリアマイルで敗れ(昨年4着、今年5着)、安田記念2着からの臨戦過程まで昨年と同じとなる。

 アエロリットは1600mのNHKマイルCを勝っているが、ベスト距離は1800mと見ている。逃げか2~3番手で競馬を進めたい同馬にとっては、1600mよりペースが速くなりにくい1800mのほうがリズムが合うからだ。

 1800mでは3戦しているが、3歳時のGⅢクイーンS(札幌)ではトーセンビクトリーに2馬身半差をつけて完勝。昨年の中山記念(中山)では2番手からの競馬で、今年の香港GⅠクイーンエリザベス2世Cを勝った、ウインブライトからクビ差の2着に入っている。3戦2勝、僅差の2着1回という安定した成績だ。

 しかし過去の優勝馬を見ていくと、少し気になるデータも。このレースが1800mで施行されるようになったのは1984年からだが、牝馬の優勝は4回あるものの、すべて4歳馬だった。5歳馬は9頭が出走しているが、2着が3回。GI6勝を挙げ、単勝1.3倍の圧倒的人気だった2009年のウオッカも、カンパニーから1馬身差の2着に敗れている。

 ただ、ウオッカはそれまでに23戦のキャリアを重ねていた。アエロリットはこれまで16戦と、比較的少ないキャリアで消耗も大きくないと思われるので、それほど大きなマイナス要因と考える必要はないだろう。近年は調教技術の進化とともに高齢馬の活躍も増えてきており、馬齢については過去のデータを気にしすぎないほうがいいのかもしれない。

 もう1頭挙げるとすれば、3歳馬ダノンキングリー(牡3歳/美浦・萩原清厩舎)だ。この馬は、2着に入った5月26日のGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)以来の出走となる。日本ダービーに出走した馬の多くはGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)路線に進むことが多く、その時点でトップクラスと見られている馬がこのレースに出走することは多くないが、グレード制が導入された1984年以降、3歳馬は36頭が出走し、3勝、2着6回というまずまずの成績が残っている。

 好走馬を見ると、昨年2着のステルヴィオは日本ダービー8着、2012年2着のジャスタウェイは日本ダービー11着、2010年1着のアリゼオは日本ダービー6着と、日本ダービーの着順と関連性がないことが多い。これは、前述のように通常なら日本ダービー2着馬のような3歳のトップクラスは菊花賞戦線に向かうことが多いので、そのレベルの馬が出走していなかっただけのこと。今年の3歳のトップクラスであるダノンキングリーは、このレースでも通用すると考えられる。

 実際に、1995年にこの毎日王冠に出走した、皐月賞馬であり日本ダービー2着馬のジェニュインは、毎日王冠こそ道悪の影響か6着と敗れたが、続く天皇賞・秋ではハナ差の2着と好走している。3歳のトップクラスは、秋の古馬GⅠ戦線でも通用するのだ。

 ダノンキングリーは、このコースに実績があるのも心強い。東京コースでは3戦2勝で、同距離で行なわれた今年2月のGⅢ共同通信杯では、上がり3F32秒9という驚異の瞬発力を見せ、2歳王者アドマイヤマーズに1馬身1/4差をつけ完勝している。

ダービーは2着に敗れたが、レースレコードで勝ったロジャーバローズからクビ差で、同タイム2分22秒6で駆け抜けたスタミナも兼ね備えており、好位からレースを進められるセンスのよさもある。アエロリットが前に行く分、後方からの追い込み馬だと捉えきれない危険性も高いので、この馬の脚質も今回の組み合わせではプラスに働くはずだ。

 以上、今年の毎日王冠はアエロリット、ダノンキングリーの2頭を中心に狙ってみたい。