10月3日(水)、ラグビーワールドカップ2019日本大会、予選プール3戦目を2日後に控えたラグビー日本代表は、決戦の地、愛知県豊田市内のホテルで対サモア戦のメンバーを発表した。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は通常、会見冒頭で短くコ…

10月3日(水)、ラグビーワールドカップ2019日本大会、予選プール3戦目を2日後に控えたラグビー日本代表は、決戦の地、愛知県豊田市内のホテルで対サモア戦のメンバーを発表した。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は通常、会見冒頭で短くコメントしてからメンバーの名を読み上げるが、今日は頭から発表が始まった。

アイルランド戦はリザーブから途中出場となったキャプテンのFLリーチ マイケルが先発に復帰したのは吉報と言えよう。しかし、ゲームキャプテンはアイルランド戦に続き、FLピーター・ラブスカフニが務めることとなった。

その意図について、ジョセフHCはこのように答えた。

「ラピース(ラブスカフニ)が(ゲーム)キャプテンだが、前回、リーチをベンチにしたのは、プレー面をしっかりしないといけないため。だから彼にのしかかるプレッシャーを軽減した。ラピースがゲームキャプテンやると2点、こちらの利点になることがあります。彼(リーチ)は非常にフィールド内でいい働きをしてくれており、チームをよく引っ張ってくれている。リーチがチームのキャプテンなのは間違いないが、彼の負担を軽減することによって、彼がラグビーに専念できることは、この大会で重要なことだと思う」

その点については後にリーチも「負担は少し軽くなる」と同調している。 “プレイヤー”FLリーチ マイケルの高いパフォーマンスを引き出すための、ジョセフHCならではの采配ということになろう。

また、アイルランド戦に続いてリザーブに経験豊富なメンバーを置いたことについて、ジョセフHCはこのように説明した。

「テストマッチは非常に接戦が多くなっている。だからこそ、後半、ベンチで強い、いい選手が揃っていること大事。ここ1~2年で、層を深く強化してきたが、経験者が試合を締めることが大事で、こういったベンチ構成になっている。SH田中は3回ワールドカップに出場している経験値の高い選手。HO堀江もアイルランド戦で非常にいいプレーをして80分出場した。彼も(今回)ベンチから経験をもたらしてくれるので、そういう意味でバランスを取った」

ただし、4度目のワールドカップを経験しているLOトンプソン ルークは負傷、NO8アマナキ・レレイ・マフィもアイルランド戦でのケガの影響で今回は欠場となった。

気になるのは勝ち点争い、もっと言えばボーナスポイントの獲得だ。ロシア戦では4トライでボーナスポイントを獲得したが、アイルランドとスコットランドとの三つ巴となりそうなプールA終盤、このサモア戦でのボーナスポイント獲得は至上命題のように思える。

しかし、ジョセフHCは、

「ボーナスポイントのことは考えていない。まずいいパフォーマンスをすることだけにしか焦点を当てていない。しっかり相手にプレッシャーをかけて、勝てる勝機をつくっていくだけ。チームとしてそういう話しかしていない。しっかりパフォーマンスすれば、いい成果がついてくると思っているし、そうでなければきつい試合になる。過去のワールドカップを考えると、ボーナスポイントを考えながら入る試合はなかった」

そう答え、ボーナスポイント獲得を前提には考えておらず、あくまでも自分たちのパフォーマンスを発揮して勝つことだけを選手に期待していた。

ただ、ジョセフHCの言う「いいパフォーマンス」が実際にピッチで見ることができれば、自ずとトライにつながり、結果としてボーナスポイントを得ることにもつながるだろう。指揮官が求めるレベルのパフォーマンスを、サモア戦でもおおいに期待したい。

 

◆日本代表 サモア戦予定メンバー

☆=2015年W杯メンバー ◎=リーダーグループ

1/稲垣 啓太(パナソニック・31キャップ) ☆◎

2/坂手 淳史(パナソニック・18キャップ)

3/具 智元(Honda・10キャップ)

4/ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ・14キャップ)

5/ジェームス・ムーア(宗像サニックス・5キャップ)

6/リーチ マイケル(東芝・65キャップ) ☆◎

7/ピーター・ラブスカフニ(クボタ・5キャップ) ◎ ※ゲームキャプテン

8/姫野 和樹(トヨタ自動車・14キャップ) ◎

9/流 大(サントリー・21キャップ) ◎

10/田村 優(キヤノン・60キャップ) ☆◎

11/レメキ ロマノ ラヴァ(Honda・13キャップ)

12/中村 亮土(サントリー・21キャップ) ◎

13/ラファエレ ティモシー(神戸製鋼・20キャップ) ◎

14/松島 幸太朗(サントリー・36キャップ) ☆◎

15/山中 亮平(神戸製鋼・15キャップ)

リザーブ

16/堀江 翔太(パナソニック・63キャップ) ☆

17/中島 イシレリ(神戸製鋼・5キャップ)

18/ヴァル アサエリ愛(パナソニック・11キャップ)

19/ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機・14キャップ)

20/ツイ ヘンドリック(サントリー・45キャップ) ☆

21/田中 史朗(キヤノン・72キャップ) ☆◎

22/松田 力也(パナソニック・21キャップ)

23/福岡 堅樹(パナソニック・35キャップ)