2019シーズンのWRC第12戦は、ウェールズ・ラリーGBの昔ながらのステージがクルーを待ち構えている。

今世紀に入ってからウェールズの森を拠点に開催されているこのイベントは、カレンダーの中でも最も過酷なチャレンジの1つとして評判を高めてきた。その所以は、予想できない天候。高速のグラベル路が、一転して超マディでスリッパリーになることは珍しくなく、コーナーの度にグリップレベルも変化する。

今季のタイトル争いも残り3戦となる中、前戦トルコでは、セバスチャン・オジェが貴重な優勝をマーク。これで、選手権リーダーのオィット・タナックとのポイント差を17にまで詰めた。さらにティエリー・ヌービルも首位と30ポイント差と、タイトル圏内につけている。

ウェールズ・ラリーGBでは、地元のヒーロー、Mスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスが実戦に復帰。背中の負傷により3戦を欠場していたが、2017年に自身が初めてWRC勝利をマークした思い出のイベントのスタートに間に合わせた。一方、アイルランド出身のクレイグ・ブリーンは、ヒュンダイから2回目の参戦を迎える。

ラリーフィンランド直前のテストでクラッシュしたことで参戦チャンスを逃したヘイデン・パッドンは、Mスポーツ・フォードからWRC2 Pro部門にエントリー。チームメイトのガス・グリーンスミスは、前戦トルコで劇的な部門優勝を飾っている。しかし、選手権リーダーで今戦でタイトルを決める可能性が浮上しているカッレ・ロバンペラ、チームメイトでGB初参戦のヤン・コペッキーがシュコダから、さらにマッズ・オストベルグがシトロエンから参戦するなど、この部門も激しい戦いが予想される。

WRC2部門では、特別なエントリーを迎える。ペターとオリバーのソルベルグ親子が、それぞれフォルクスワーゲン・ポロGTI R5でエントリー。2002〜2005年にラリーGB4連覇を飾っているペターは、ともにタイトルを獲得した地元ウェールズ出身にフィル・ミルズと組んで最後のWRC参戦を迎える。一方のオリバーは今季、5月に開催されたERCリエパヤ戦でERC1ジュニアデビューを果たしており、このイベントではERC最年少優勝記録を更新。18歳の誕生日を迎えた翌週にラリーGB戦のスタートを迎える。

このラリーGBでは、ジュニアWRCが最終戦を迎える。スウェーデンのトム・クリステンセンが首位につけるが、わずか1ポイント差でスペインのヤン・ソランスが追っており、こちらもタイトルを巡って激戦となりそうだ。

■ラリールート
今年のラリーGBは拠点を新たにスランディドノのシーフロントエリアに変更。同地ではこれまでも、セレモニアルスタートなどが行われてきた。しかし、木曜日のセレモニアルスタートは、初めてリバプールで行われる。その後、オールトンパークのレースサーキットで開幕ステージを走行。このステージは、1993年以来の設定となる。その後は、おなじみのウェールズのステージに挑むことになる。金曜日は北ウェールズに9SSが設定。この日最後のステージはナイト走行となる。土曜日は、マシンが朝、サービスパークを出発した後、夜、戻るのは約14時後。ウェールズ中部に設定される3SSの2ループを、日中サービスを挟まずに走行するタフな設定だ。この日最後のステージは、コルウィン・ベイのシーフロントに設定されるターマックの観客向けステージとなる。日曜日は、アルウェン、ブレニクを2回ずつ走行する間に、グレート・オームのターマックステージを挟む構成となる。

■ラリーデータ
開催日:2019年10月3-6日
サービスパーク設置場所:スランディドノ
総走行距離:1625.14km
総ステージ走行距離:309.76km(SS比率:19.10%)
総SS数:22

■開催選手権
WRC
WRC2プロ
WRC2
JWRC