2019年9月8日、千葉県千葉市美浜区、千葉県立幕張海浜公園においてレース専用飛行機で操縦技術とタイムを競う大会「Red Bull Air Race World Championship」2019年シリーズの最終戦、「Red Bull Ai…
2019年9月8日、千葉県千葉市美浜区、千葉県立幕張海浜公園においてレース専用飛行機で操縦技術とタイムを競う大会「Red Bull Air Race World Championship」2019年シリーズの最終戦、「Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019」の決勝が行われた。
室屋義秀 photo by shuji izumo
マルティン・ソンカやマットホールをはじめ、数ある名パイロット同士の激戦を勝ち抜き、「Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019」を制し、室屋義秀が母国日本で見事優勝を果たした。「Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019」は最終戦としてはアジア初開催。「Red Bull Air Race World Championship」は2019年シーズンでの終了がアナウンスされており、今大会が最後の大会となる。室屋は2016年の千葉大会で初勝利を飾っており、今回の大会で見事有終の美を飾った。
マット・ホール photo by shuji izumo
ROUND OF 14でまさかの敗退、しかし
7月にハンガリー・バラトン湖で行われた前大会終了時点では、室屋は55ポイントで年間ランキング3位。1位のソンカが67ポイントで12ポイント差、年間優勝を虎視眈々と狙う。7日の予選では5位、予選1位から3位に与えられるポイント獲得はならなかったが、順当にROUND OF 14へ進出。8日のROUND OF 14では57秒912の好タイムを記録するも、ベン・マーフィーがそれを上回る57秒897で室屋は敗退。敗者のうち最もタイムの良かったものがROUND OF 8へ進むことができる「ファステスト・ルーザー」として進出を果たす。また、優勝候補として有力であったソンカがニコラス・イワノフにまさかの敗退。番狂わせの展開となった。
マルティン・ソンカ photo by shuji izumo
室屋が母国で優勝、マット・ホールが初めての年間王者に
ROUND OF 8で室屋は57秒895でフランソワ・ルボットに勝利、FINAL 4へと進む。FIANAL 4では室屋、優勝に最も近い男ホール、25歳で最年少のピート・マクロード、歴戦の猛者カービー・チャンブリスという顔ぶれとなる。トップバッターの室屋は58秒630を記録。続くマクロードはパイロンヒットし1分04秒028、チャンブリスも59秒601で残るはホールとのタイム争いとなった。ホールは最後のフライトで1分00秒052となり、室屋の優勝が決まった。室屋は優勝により年間ポイントが80となったが、ホールが3位で81ポイント。惜しくも1点差でホールが年間総合優勝の栄冠を手にした。ホールは自身初の年間総合優勝となる。
カービー・チャンブリス photo by shuji izumo
圧巻のサイドアクトも
会場では多くのキッチンカーやブースも充実。また、FMX 、BMX PARK STYLE、フリースタイルフットボールのパフォーマンスも行われた。FMXでは鈴木大助、江原大空、大地らが登場、バイクによるアクロバティックなパフォーマンスで会場を沸かせた。BMX PARK STYLEではSenad Grosicや高木聖雄がBMXで宙に舞う。フリースタイルフットボールでは徳田耕太郎(Tokura)らが登場し華麗な足技を披露し、会場の人々は初めて見る競技のプレイヤーたちに驚きの歓声と拍手を送った。
徳田耕太郎(Tokura) photo by tabasa
優勝者コメント
優勝:室屋義秀母国での開催で、多くのファン、家族が駆けつけてくれました。多くの方が背中を押してくれたおかげで今日は「いけそう」な感覚がありました。できれば優勝したいという思いもありましたが、ベストを尽くした上で届かなかったという点では悔いはないです。また、長く一緒に戦ってきたマット・ホールの優勝は素直に嬉しく思っています。
室屋義秀 photo by shuji izumo
Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019 結果
優勝:室屋義秀
2位:カービー・チャンブリス
3位:マット・ホール
年間総合優勝:マットホール
左から準優勝:カービー・チャンブリス、優勝:室屋義秀、3位:マットホール、マルティン・ソンカ photo by shuji izumo
THE MOMENTS of Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019
室屋義秀 photo by shuji Izumo
カービー・チャンブリス photo by shuji Izumo
左から小川としゆき千葉市議会議員、熊谷俊人千葉市長、エリック・ウルフレッドブル・エアレース・ゼネラルマネージャー photo by shuji Izumo
ピート・マクロード photo by shuji Izumo
江原大地 photo by tabasa
徳田耕太郎(Tokura) photo by tabasa
Senad Grosic photo by tabasa
サイドアクト終了後の集合写真 photo by tabasa
会場の盛り上がり photo by shoji Izumo
Red Bull Air Race World Championshipとは
世界最高の飛行技術を持つレースパイロットたちが、最高時速 370km、最大重力加速度 12G の中、操縦技術の正確さ、知力、体力、そして精神力の限りを尽くしてタイムを競う FAI (国際航空連盟)が公認する究極の三次元モータースポーツ。高速で機動性に優れた レース専用飛行機を使用し、1 機ずつペナルティを回避しながら高さ 25m の空気で膨らま せたパイロン(エアゲート)で構成する低空の空中コースを周回して飛行タイムを競う。 2003 年に第 1 回大会を開催し、2005 年より世界選手権として 2010 年まで毎年開催。2011 年からの休止後、3 年のブランクの間に安全面やルールをさらに向上させて 2014 年に再開。 12 シーズン目を迎えた 2019 年最終戦の千葉大会をもって、レースの開催が終了することとなる。
室屋義秀 photo by shuji izumo
開催概要
名称:RED BULL AIR RACE CHIBA 2019 (レッドブル・エアレース千葉2019)
日程:9 月 7 日(土)予選、8 日(日)決勝開場 10:00(予定)、競技開始 13:00(予定)、競技終了 18:00(予定)
※天候などのコースコンディションにより変更となる場合有
会場:千葉県立幕張海浜公園(千葉市美浜区)
内容:国際航空連盟(FAI)公認の飛行機レース世界選手権、全 8 戦の第 5 戦 世界トップクラスのレースパイロット 14 名が参加。
主催: レッドブル・エアレース・ジャパン実行委員会
文・金子修平