ゲームを操るSOに、頼もしい存在がいる。1年時から赤黒を着続け、ラストイヤーのシーズンを迎えた岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)。そして、1年生ながらに春から赤黒を身にまとった吉村紘(スポ1=東福岡)だ。同部屋でもありよく話すという二人。目標である「大学日本一」には、SOの頭脳が欠かせない。早大の司令塔たちの思いとは。

※この取材は8月16日に行われたものです。

「岸岡さんは、ザ・SO」(吉村)

――今回は、SO特集です!お二人は普段からよく話しますか

岸岡 そうですね、今同じ部屋なので。合宿の部屋は違いますが、上井草の寮で同じ部屋です。最近はラグビーのことしか話さないですね。それこそ僕が今(ラグビーについて発信するなど)いろいろやっているので、それについて僕が他の人の意見を聞きたいときに、ちょうど同じスタンドオフですし、別の視点から「紘、どう思う?」と聞いています。「僕はこう思ってます」「そうか~」みたいなやり取りをしますね。

――初めて会ったときの印象は

吉村 僕はテレビでずっと見ていたので、「どういう人なんだろうな…」とは思っていました。ラグビーではもう本当に尊敬できる選手というか。
僕が入寮してから何日か後に岸岡さんが遠征から帰ってきたんです。入寮したときにいなくて、ずっとそわそわしながら帰りを待っていました(笑)。
帰ってきた時は、「お〜来たな〜!」と明るく迎え入れてくれました。

岸岡 「初めまして、吉村です」って、最初はめちゃくちゃ堅苦しかったですね(笑)。それを僕はずっと覚えています(笑)。今はもうタメ口程度です。

吉村 タメ口は使ってないですよ(笑)。

岸岡 東福岡の選手は、それこそ古賀(WTB古賀由教、スポ3=東福岡)や小林(プロップ小林賢太、スポ2=東福岡)がいるので、「吉村ってどういうやつだ〜?」って情報を集めていましたね(笑)。

吉村 悪い情報ではなかったですか(笑)。

岸岡 全然悪くなかったですよ(笑)。「あいつは真面目で…」みたいな。最初からいいイメージがありました。それが全然崩れることはなかったです。

――岸岡選手は、吉村選手を見ながら1年生のころの自分を思い返すことはありますか

岸岡 僕が1年生で出ていたときよりかは、やりやすい環境にあるのではないかなと思います。今は4年生になっているのでなんとも言えないですけど。
僕のときは、1年生でもそれこそ齋藤(SH齋藤直人主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)や中野(CTB中野将伍、スポ4=福岡・東筑)も出ていたので、同じ同級生が出ているという安心感がありました。でもそれこそ吉村に関しては1人で出なくてはいけないという状況だったので、それは少しかわいそうだなとは思っていましたね。

――お互いから見て、どのようなSOですか

岸岡 吉村は、1年生なのに全然物怖じしないです。それはすごいなと思いました。試合中には敬語を使うのは面倒臭いのでしないのですが、「〇〇、何何しろ!」と言っているのを見ると、「本当に1年生かな」とは思いますね。堂々としていて、臆病になっている感じもなく。

吉村 言いやすい環境というのはありますね。

岸岡 テンパってなくない…みたいな(笑)。全然テンパってないです。すごいなと思いますね。プレーは、全部高いレベルでできるんですよ。1つ言うとしたらちょっと頭が弱いくらいですかね(笑)。それだけです。ちょっと口下手な感じは若干将伍(CTB中野将伍、スポ4=福岡・東筑)と似ています(笑)。

吉村 岸岡さんはザ・SOというか。岸岡さんがユニットでBKとかに喋っていることを聞いていると、僕が届かないというところばかり言っているんですよ。こんなに考えなくてはいけなんだということを実感できているので、自分はいい環境にいるのだと思います。自分のスタンダードも上がっていくじゃないですか。初めてでしたね、あんな風に考えているんだと驚きました。本当に全てレベルが高くてすごいなと思います。

――アドバイスを求めることはありますか

吉村 そうですね。

岸岡 困ったらなんでも聞いてきます(笑)。僕、答えられないです(笑)。知らんよ〜ということを聞かれます。

「大学4年間で一番いろんな意味でいい経験ができた」(岸岡)


しっかりとした口調で質問に答える岸岡

――春シーズンについてお聞きします。吉村選手は何度か赤黒を着た試合がありましたが、春をどのように振り返りますか

吉村 貴重な経験をさせていただいたというのが第一にあります。そして、高校ラグビーから大学ラグビーに変わって、いろいろな面で変化があった中で、うまく順応するというのを意識して春シーズンに臨みました。高校と大学でギャップを感じた部分は、コンタクトとスピードの部分です。順応するために日頃の練習から意識して、先輩たちに付いていっていました。今もですが、その頃は練習中にも全く気を抜けない状況でやっていました。チームのシステムやアタックのシステムを、ポジション柄コントロールしなければなりません。その部分を僕自身がきちんと理解できていないとチームが機能しないので、それこそ岸岡さんとかに聞いて教えていただいたりしました。チームのアタックの部分は特に意識してやっていました。

――岸岡選手は春シーズンの後半から教育実習で離脱しましたが、ラグビー以外でも得ることが多かった半年間になったのではないでしょうか

岸岡 そうですね。変化としては大学四年間で1番いろんな意味で良い経験ができた期間だったなとは思います。自己発信を始めた理由の一つとして、僕を通じて早大ラグビー部というものを知ってもらえればいいなということがありました。それこそ過去三年間の早慶戦と早明戦に出た中で、会場の色の割合が、絶対に早大の方が半分以下です。そこを逆転させていきたいですね。出ている選手として、会場での後押しを感じる時があります。僕を応援してくれというよりは、僕を通じて一人でも多く早大のファンが増えたらなというのが発信をする理由の一つとしてあります。試合に向けてのモチベーションとしては、その辺の変化がありましたね。

――岸岡選手が発信する中で、他の選手のモチベーションなどは変わったりしましたか

岸岡 それはあまり変わっていないですね。正直あんまりみんな関心がないので…。後輩でめちゃくちゃ関心持ってくれている人はいますが、同級生はあんまり関心を持ってはいないですね。

吉村 後輩とかは言ってはないですけどこっそり見ていて(笑)。

岸岡 見てくれていたりはするんですけどね。それがいい影響をチームに与えているかどうかと言われたら、まだなんとも言えません。実感は今の所ないです。

――3月に、岸岡選手が「コーチ陣と選手の架け橋になりたい」と言っていたのが印象的でした。そこに関してはいかがですか

岸岡 去年までは、上から降りてきたものを、僕を経由して選手に落とし込むというかたちでした。直接的な流れがあったので、架け橋になれている実感がありました。しかし、今年は落とし込みの部分がなくて、「選手としてお前らが考えろよ」とコーチ陣に投げかけられて、僕がリーダー役で率先して考えるという感じです。相互でのやり取りがあまりないというか、選手内で完結しろという流れがありますね。それがいいのか悪いのかはわからないですが、そういうサイクルがあまり生まれていないというのはあります。

――コーチ陣がガラッと変わりましたが、その部分に関しては

岸岡 やっていること自体はあまり変わっていません。メンバーもほぼほぼ同じですし、変わったことはないですね。
コーチ陣の考えが人によって変わってくるので、どういう部分を突き詰めるかが少し変わってきたりしたのは仕方のないところかなと思います。

――毎回テーマがありますが、それを反復していくことが大事だと言っていました。春からの積み重ねを反復できている感覚はありますか

岸岡 そこが正直一番難しいですね。どこのチームもそうかもしれないですが、早大が苦手な部分だと思います。
それは去年からずっと感じていたことで、その試合のテーマとしていたことが、次の試合ではできなくなる、おろそかになってしまいます。人間のそういう性質かもしれないですが。正直、そこについては今シーズンはくどくど言っていないかなと思います。言わなくてもそれが当たり前になってきていると捉えることができるかもしれません。それを言わなくて済むという実感はあります。文化が染み付いてきていると捉えられなくもないかなというところですかね。

――「勝ちにこだわる」春にしたいと話していました。しかし振り返ってみれば悔しい敗戦もあったと思います。そこに関してはいかがですか

吉村 僕が主力で出させてもらった時には、主力の選手たちがいろいろな事情で抜けていたのですが、そういう中でも、出ているメンバーはそういったことを言い訳にせずに80分間ファイトしていたので、そういう面では勝ちにこだわるという姿勢が見せられていたのかなと思います。

岸岡 初戦でちょっとこけてしまったので、「今年大丈夫かな」というところはあったのですが、実習から帰ってきて、各々が「主力」と呼ばれるメンバーが出ていない中でも、自分が早大の1本目として出るというプライドを持って試合に臨んでいると感じました。もう僕が帰ってきた時には少し意識が変わっているなということを感じたので、僕としてはチームの成長が見えた期間ではありましたね。

「夏はどんどんチャレンジしていきたい」(吉村)


意気込みを語る吉村

――春シーズン後から夏合宿前までは、シーズンで出た課題を埋めていく期間だったと伺いました。BKはどのような点に取り組んでいましたか

岸岡 BKが取り組んだことといえば、セットプレーです。一番時間をかけました。あとは判断のところですかね。同じメニューを何回やったかわからないです。判断に対して周りからコミュニケーションを取ったり、ボールをもらわない人がボールを投げる人に情報をしっかりあげて判断に余裕を持たせる意図を汲んだ練習メニューをやったりしました。

吉村 ほとんどセットピースからですよね。

岸岡 うん。あとはディフェンスのコミュニケーションのところですね。そこをくどくずっとやってきたので。

吉村 スキルがちょっと増えませんでした?ベーシックなハンドリングだったりキックだったりを、ポジション関係なくやりました。

岸岡 初心にじゃないですけど、立ち帰ろうというところはコアな部分としてあったかなと思いますね。

――夏合宿の入りはいかがでしたか

吉村 個人的には、春シーズン最後の帝京大戦で怪我をしたので、復帰が夏合宿に間に合ったという点ではいい感じで入れたかなと思います。

岸岡 チームに合流してから時間は2ヶ月ほど経ちましたが、試合がどうなるんだろうっていう気持ちはありました。春シーズンの最後の方は何試合か負けていた中で、U−20のメンバーが戻ってきたり、「主力」といわれるメンバーが戻ってきたりしたなかで、関西の王者・天理大に対してどれだけできるんだろうと思っていました。春シーズンでたくさん課題が見えました。それこそフォワードがスクラム、ラインアウト、モールをひたすら練習していて、BKも精度にこだわってやってきたなかで、どれだけ通じるんだろうという心持ちで試合に挑みましたね。率直な感想として「ホッとする」という気持ちがあるように、合宿の入りとしては、結果が付いてきたのでまずまずかなというところはあります。

――夏合宿のテーマは『クイックポジショニング』ですが、それがテーマになったのはなぜですか

吉村 展開ラグビーだから、相手より早く準備するということじゃないですか?

岸岡 いろいろ裏付けは多分できると思います。去年は『Moving』がテーマでしたが、今年はそのスローガンは違えど積み重ねということで『Moving』は当たり前としてやっています。動き続けるというところが大前提というか。今のラグビーをやる上で、アタックでもディフェンスでも相手チームより運動量で上回ろうというのを言葉にはしませんが上級生に関しては当たり前の部分です。
それをするためにある種言葉を変えて、『Moving』するために必要なものという部分に紐づいているのではないかと推測はできますかね。

吉村 アタックでもディフェンスでも速いラグビーというのが、僕が早大に入学してから感じていることです。セットの段階で相手より優位に立つということが『クイックポジショニング』の理由ではないかなと思います。

――全体のテーマとは別に、個人としての夏合宿期間の目標はありますか

吉村 僕は1年生というのもあるので、確実にメンバー入りができるように、どんどんチャレンジしていきたいです。赤黒を常に着られるように、頑張っていきたいです。

岸岡 僕は、チームに結果をもたらすことかなと思います。関東大学対抗戦(対抗戦)が前半と後半で分かれてしまうので、帝京大、慶大、明大と前半はやりませんが、1試合1試合に掛かる思いというのは全部同じです。夏合宿の最後に開幕するというところに向けてオープン戦で勢いを付けて、自分たちが積み重ねてきた1、2ヶ月が正しいものだということを実感できるために、自分がSOとしてやるべきことをしようと。その結論として、結果を出すこと。チームが勝つというところに向けて、どうしていくかという点が夏合宿での目標というかモットーですね。

「チームに新しい風を吹き込みたい」(岸岡)

――夏合宿の最後に開幕戦ということで、夏季オープン戦がさらに大切になってくるのではないでしょうか

岸岡 実際、あと何週間かで開幕するという実感は全くわかないのですが、わからないなりにそれは考えたら今やるべきことは淡々と見えてきます。

――夏合宿の寄せ書きに、岸岡選手は「刷新」、吉村選手は「成長」と書いてありました。そこに込めた思いは

岸岡 毎年寄せ書きに一言を書くのですが、同じ言葉は書きたくないというのがあって。一つに貫くことも大事ですが、毎試合違うチームのテーマがあったりしますし、どんどん自分も更新していかないといけないなと思っています。自分が新しい風を吹き込む、何かいい影響を与えるためにまず自分が何か新しい発想をしたり、何か違うアプローチをしたりしなければいけないなと思ったので、あの言葉を選びました。Aチームは(夏季オープン戦の)2試合の後すぐに対抗戦が始まってしまうので、多分どこかで転ぶこともあるだろうなと。うまくいくかもしれないですが、(夏の)帝京大戦に勝ったけど次の日体大戦で負けるかもしれないということがあるので。きっとどこかで新しく成長していかなければいけないと思いました。そのきっかけに自分はなりたいと思って、いい言葉だなと思って選びました。

吉村 1年生の今だからこそ、自分だけの成長にフォーカスできると思います。試合に出てメンバーの一員として認めてもらえるには、今の自分よりは成長しなければ厳しいです。春シーズンのチーム状況とは今は全く違うので、そういった中でもメンバーの23人、15人に吉村が必要だと思われるように、この夏合宿は成長を求めて頑張りたいなと思います。

――菅平で開幕戦があるというのは実感があるものなのでしょうか

岸岡 正直何もわからないですね(笑)。どういう心構えでいればいいのか、何をどうしたらいいんだろうという感じです。練習試合の一環として進んでしまいそうなところがあるので。切り替えるには、それこそ赤黒を着るので、ファーストジャージを着るというのは若干スイッチが入るかもしれないですね。それか、選手みんなで言い合って、「始まるぞ」というような雰囲気づくりをするとか。それくらいですかね。

対抗戦に向けて

――これからどういうラグビーがしていきたいですか

岸岡 春は若干セットプレーでやられたという印象をチーム全体が持っています。今はそれを「克服した」というよりかは、逆にプラスαで強みになりかけているのではないかなと。天理大に対してスクラムやモールでトライを取ったので、まだ強みとは言えないかもしれませんが、そういうセットプレーを強みにできるのではないか、強みにしてくれたらうれしいなと僕は思いました。それをしてくれるフォワードがいるのであれば、BKはもうなおさら展開してボールを動かして、フォワードに楽をさせられるようなBKにならないとな、と一人で思っていました。

――天理大戦を経て、理想とするラグビーは変わりましたか

岸岡 そうですね。(天理大戦の)最初はもう「この試合負けた」「今までやってきたことは間違いだったんじゃないかな」と思っていましたが、やってきたことが間違ってはいなかったということがしっかり証明されて、フォワードがしっかり自信を持ったと思います。
今まではもう僕が勝手な偏見で「きょうは多分無理だからこうしよう」と変えていたのですが、天理大戦では「いや、いける」と。僕の肌感とは全く違うということで、選手の声を聞くことができました。今までであれば、「もう無理だからこっちにしよう」と決めていたところを、「いや、こっちでいきたい」というようなアプローチが(フォワードから)あったりしたので、相互的に献身的な会話ができているなと感じました。これからどれを選ぶかという感じです。僕としてはかなり選びやすくなったので、今としては、めちゃくちゃよく言うと「なんでもできるな」というようなところです。

吉村 僕は後半の途中から出て、7点差で逆転できるかなと思って出た試合の中で、終わってみればダブルスコアくらいで負けていて。その試合運びという点ではSOにも責任は少なからずあると思うので、そういうところは受け止めて次の試合に生かしていきたいなと思います。

――吉村選手がSOとしてやっていきたいゲームはどのようなものですか

吉村 速くボールを動かすラグビーというのは早大が求めているスタイルでもあるし、僕もすごく面白いと思うスタイルでもあるので、そういうところを突き詰めてやっていきたいなと思います。

――4年間を通してどのような選手になっていきたいですか

吉村 岸岡さんが1年生からずっと10番を張ってきたじゃないですか。本当にすごいと思いますし、じゃあ僕が今Aチームのスタメンから入って全体を動かせるかといったら自信がないところもあるので、僕が入っても岸岡さんと変わらないくらいできるよと思えるくらい成長していきたいです。ゲームメークがうまくいったね、ゲームメークで勝てたねと言ってもらえるようなSOになりたいですね。

――岸岡選手は最後の、吉村選手は最初の対抗戦になります

吉村 入部してからずっとそうですが、全てが初めての経験なので、そういったところを一瞬たりとも無駄にせずに、一生懸命楽しみながら頑張っていきたいと思います。

岸岡 そうですね…なんて言えばいいんだろう…。イレギュラーな年かなというのが一番あります。僕らの代は経験したことがないですし、3年生以下も経験したことがないので。いい雰囲気で試合に臨める環境を4年生として作り、チームにいい影響を与えなくてはと感じています。
ラストイヤーというのもあるので、4年生だからこそのかける思いというのはより強く感じます。結論として『荒ぶる』というところは一貫していてみんなブレてはいないと思いますが、それに向けて自分ができることとして、やらなければいけないことをやるだけかなと。

――いい雰囲気で入っていくために、チームの中での岸岡選手の役割は何だと考えますか

岸岡 僕が考えている人だなというのは世の中に若干浸透してきていると思います。考えればラグビーは楽しいんだよというのは広まりつつあるのかなと。それがゆくゆくはプレー中の僕に対するアプローチなどにつながっていくのかなと思います。そういうところができれば多分チームはいい方向に進んでいくし、それが去年は架け橋だったのですが、今年はみんなに考えてもらうきっかけになれればなと自分は思っていますね。

――昨年度は、対抗戦は優勝しましたが、全国ではベスト4にとどまりました。『荒ぶる』に向けて、対抗戦はどのような位置付けとして捉えているのでしょうか

岸岡 難しいですね。去年は正直自分たちにまだ実力や自信が伴っていない中で、早慶戦と早明戦で勝つことができて。「あ、自信あるかも」といったような舞い上がり方をして、逆に大学選手権では敗れてしまいました。正月を越えるということとして、高校時代は正月を越えるなんて当たり前だったので、ラグビーをしている一人間としては本当にそこの舞台でラグビーをして見てもらえるといううれしさは感じましたね。
なので、対抗戦の位置付けとしては、言ってはいけないですけど練習試合だと思った方がいいかなと。本番は大学選手権なんだぞ、という。大学選手権というよりかは、帝京大戦、早慶戦、早明戦にピークを持ってきてしまったというのが昨年度の反省としてあるので、あくまでリーグの順位を決めるための試合なんだぞというような心持ちとしていかないと、そこにピークを持ってきてしまったあまりに大学選手権で若干気疲れというか冷静になる中で疲れが出てきて。モチベーションをどこで保てばいいのかというところがありました。あくまで日本一という目標に標準を合わせるための予備期間というようなモチベーションの合わせ方というか。そういう言い回しぐらいの気持ちの方が、目標達成のためにはいいのかなとは思ったりはしますね。それは本当に難しいと思います。

――ポイントとなってくる試合はどこだと思いますか

岸岡 まずは初戦ですね。あとは帝京大戦です。
最初の3試合を終えて、後半の最初が成蹊大戦で、その6日後に帝京大戦です。1回期間が空いて、修正するなり自分たちの強みを伸ばしていく期間だと思うので、そのあとに自分たちのやりたいことを成蹊大戦で出すことができて、帝京大戦でどこまで出せるのかという。リスタートの時が、帝京大戦になるかなというのが僕の予想ですね。

吉村 僕は全試合ですね。全試合でユニフォームを着たいと思っているので、そこはしっかりチャレンジしていきたいですね。その中でも、早大に入部した大きなきっかけでもある早明戦の舞台には立ちたいです。

岸岡 ビビるよ〜あれは。無理だよ〜本当に(笑)。

吉村 そう聞くんですけど、今まで経験したことがないくらいの人の量や熱気、雰囲気だと思います。チャンスは少なからずあると思うので、僕にチャンスが回ってきたらいつでも出られるように準備はしておきたいと思っています。

――最後に、対抗戦への意気込みをお願いします!

吉村 まず勝ちにこだわることが第一です。その中でも自分の目標として、特別な経験をさせていただいた春シーズンの経験を生かして、春シーズンから成長した姿を対抗戦でも見せることができたらなと思います。

岸岡 意気込みって一番苦手なんだよな(笑)。

吉村 岸さんって試合の時結構普通の感じで入っていきますよね、スッという感じで。緊張とかしますか?

岸岡 よく言うよ(笑)。まじで緊張するんですよ。これは誰かに言って欲しい(笑)。
意気込みか…頑張りますくらいしかないですが、何を頑張るかといわれたら、一番は準備の部分かなとは思います。期間が開くなど、いろいろとまちまちな部分はあるので、この合宿でも「刷新」という言葉を掲げたように、何かしらアクションを起こさないと現状で日本一というのはまだ遠いです。一皮二皮剥けてステップアップしていかないといけない中で、どんどん自分たちがいろんなことをやらなければいけない、こういうこともやりたいという部分があるので、準備を120パーセントしないといけません。100パーセント勝てる試合というのはないです。3回に1回勝てるかもしれない試合を1回で勝たなければならないので、準備の量で上回らないとダメだなと思っています。
教育実習に行って、準備の大切さをラグビー以外の観点でも学んだので、準備というのはどんなシーンでも大切なのかなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 石名遥)


SOの10番を手で表してくださいました!

◆岸岡智樹(きしおか・ともき)

1997(平9)年9月22日生まれ。173センチ。84キロ。大阪・東海大仰星高出身。教育学部4年。ラグビーに関する知識や考えを、自己のSNSでも積極的に発信している岸岡選手。論理に裏付けられ、かつトリッキーなプレーで観客を湧かせることでしょう!

◆吉村紘(よしむら・こう)(※写真左)

2000(平12)年10月7日生まれ。175センチ。85キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部1年。1つの目標としていた春の早明戦では堂々としたプレーに何人が驚き惹きつけられたことでしょう。試合中のアグレッシブな姿は必見です!