ラッキーセブン、7回目の幸運を日曜に内山靖崇(日本/北日本物産)が手に入れた。過去に2回の本戦出場経験はあるものの、これまで6年間「楽天ジャパンオープン」(日本・東京/9月30日~10月6日/ハードコート)の予選を突破できなかった内山。今年の予選最終ラウンドでマルセル・グラノイェルス(スペイン)を6-3、6-4で倒し、本戦への出場が叶った。

「これは特別に嬉しいことです」と内山は言う。「ATP500の予選を通過できたのは初めてなので、すごく自信に繋がりました。今年はとても調子が良いと思っています。ATPランキングも自己ベストだし、もっとやれる気がしています」

27歳の彼にとって今年は大活躍の1年で、多くの自己新記録を作った。面白いことに今年は、驚きから始まったのだ。当時ランキングが200位より少し上に過ぎなかった彼は「ATP250 ブリスベン」(オーストラリア・ブリスベン/12月31日~1月6日)の予選には出場できないはずだったのだが、前日になって出られることがわかった。

そこで日本で「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン・1月14日~27日)の予選に備えるよりもブリスベンの大会に参加しようと、オーストラリア行きの飛行機に飛び乗った。着いた当日ブリスベンで30分の練習をし、翌日から予選に参加した。自分が初めて準々決勝まで勝ち進むなんて思いもせずに。

「すごく自信がついた。もっと上に行きたいという意欲が湧いてきました」とブリスベンでユーゴ・アンベール(フランス)とカイル・エドマンド(ドイツ)に勝った内山は「特にあの二試合は、僕に自信をくれました。自分のベストを出せたら、あんな強い選手たちにも勝てるんだと思いました」とコメント。さらに準々決勝ではジェレミー・シャルディ(フランス)とファイナルセットのタイブレークまで接戦を演じたが、惜しくも敗れた。

「あれはとても悔しかったです。もしも彼に勝っていたら、準決勝では錦織選手と対戦できた。それがとても残念でした」と内山は話した。「それでも僕にとっては素晴らしいトーナメントでした。初めてATPツアーで準々決勝まで行けたのですから」

そのトーナメントの後、内山は日本のスーパースター錦織圭(日本/日清食品)からテキストメッセージを受け取った。「錦織さんは、僕が調子を出せたら誰にでも勝てるよと言ってくれたんです。すごく勇気づけられました」内山は言う。「時々自分に自信を失いがちな僕にとって、本当にすごく嬉しいメッセージでした。ブリスベンの結果、自分を100%信じられるようになったんです。特に圭さんのメッセージが嬉しかった。彼は日本のスターで、彼に刺激されて僕も頑張ってきました。技術面や、戦術やメンタルの面などのアドバイスや、相手選手の情報をいろいろくれるので、とても力になってくれます」

ブリスベンだけではない、内山は初めてグランドスラム「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月1日~14日)の予選を勝ち抜き本戦に進んだのだ。そして今月初旬には上海で、チャレンジャーツアーで4回目の優勝を果たした。「どのレベルのトーナメントでも優勝は簡単ではないから、チャレンジャーで何度か良い結果を出せたことは良かった。でも優勝できたことは格別でした。もちろん東京でプレイする際の自信にもなります」

そして内山は「楽天ジャパンオープン」1回戦で第4シードの強豪ブノワ・ペール(フランス)と対戦、なんと 6-2、6-2のストレートで勝利。現在自己ベストである136位の彼はホームコートの利を活かし、更に上を目指したい。「上位100位に入るのが今年の目標で、次の目標は来年の夏の東京オリンピックに出場することです。そのためには上位60位ぐらいに入る必要があります。自国で開催されるオリンピックに出られるなんてチャンスは滅多にないと思うので、本当に出たいんです。日本の人たちはオリンピック観戦が大好きです。おそらくグランドスラムよりも人気があります。だから、すごく出たいと思っています」

内山は自分の武器はサーブとフォアハンドだと考えており、ネットプレーにも自信がある。2年前にマクラクラン勉(日本)と組んだダブルスで、東京で優勝したこともある。東京在住の彼は、更に勝ち進むために必要なのは技術の変更ではなく、新たに得た自信をもって2019年にやってきたことを続けていくことだと思っている。「このまま、どんどん進んで行きたい。今月のチャレンジャーではスティーブ・ジョンソン(アメリカ)やグラノイェルスのような強い選手たちに勝てました。このまま、今やっていることをやっていきたいと思っています」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「楽天ジャパンオープン」での内山