東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)開幕から3連敗で迎えた明大2回戦。早大は5回、加藤雅樹主将(社4=東京・早実)の今季初安打となる適時打で4点を先制すると、終盤にも追加点を重ねる。投げては、先発の徳山壮磨(スポ2=大阪桐蔭)が7回1失点の好投で明大打線を封じ、6-2で待望の今季初勝利を手にした。

 悩める主将に殊勲の一打だ。序盤から得点圏に走者を進めるも攻めあぐね、無得点で迎えた5回。2死から、この日1番に座った田口喜将(商4=東京・早実)、続く中川卓也(スポ1=大阪桐蔭)の連打などで満塁とすると、打席には今季13打数無安打の4番・加藤。「勝ちたいという気持ちだけで打った」(加藤)。スタンドからの大歓声を背に受け、振り抜いた打球は中前へと転がる。さらには幸運も味方して中堅手が後逸し、走者一掃、一挙4点を奪う劇的な先制適時打となった。早大ベンチ総出で雄たけびを上げた得点は、春の慶大2回戦以来、実にリーグ戦42イニングぶりの得点。これで勢い付いた打線は、7回にも中川卓、福岡高輝(スポ4=埼玉・川越東)に今季初の適時打が飛び出し、計6点を挙げる意地の攻撃を見せた。

42イニングぶりの得点に喜ぶ加藤(右)ら早大ナイン

 先発マウンドは、前回登板で法大相手に6回2失点と好投した徳山。この日も伸びのある直球はさえわたっていた。「0点で抑えることしかいつも考えていない」と徳山。序盤から走者を許しつつも、落ち着いたマウンドさばきでスコアボードに『0』を並べ続けた。すると5回に味方打線から待望の援護点。6回に失点するも、7回を投げ切り被安打3の1失点で勝ち投手となった。9回には、今季から抑えを任される柴田迅(社3=東京・早大学院)が、初めてリードの場面で登板。豪腕から繰り出される速球で2三振を奪い、危なげなく三者凡退で試合を締めた。

 

勝利を呼び込む好投を見せた徳山

前日の明大1回戦の試合後、『劇薬を投入する可能性』を報道陣に示唆した小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)。その本意は「加藤を外すということ」だったというが、この日も信じて起用し、加藤はその期待に応えた。「正直うるっときた」と加藤の一打を振り返った4年生の福岡も、不振ながらフルスイングで大飛球の適時打を放ってみせた。さらには同じく不振の檜村篤史副将(スポ4=千葉・木更津総合)も、渾身のヘッドスライディングで内野安打を勝ち取った。こうしたガッツあふれるプレー、勝負師の気持ちがチームに波及すれば、おのずと結果もついてくるに違いない。勝ち点を懸けたあす30日の明大3回戦、早大の底力を見せることはできるか。

 

(記事 吉岡拓哉、写真 村上萌々子、島形桜)