早稲田大学秋学期の授業開始日。春と同様、昼休みに早明合同デモンストレーション(デモスト)が開催された。東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)において、明大戦で勝ち点を落とせば優勝パレードへの道は断たれてしまう。さらに対戦相手は今春リーグで…

 早稲田大学秋学期の授業開始日。春と同様、昼休みに早明合同デモンストレーション(デモスト)が開催された。東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)において、明大戦で勝ち点を落とせば優勝パレードへの道は断たれてしまう。さらに対戦相手は今春リーグでの王者である。そんな状況での一戦を控え、応援部も気合十分でステージに臨んだ。

 授業開始日であったためか、デモスト開始直後は閑散としていた3号館前。新人が中心となって学生に積極的に話しかけ、徐々に観客が増えていく。安田直矢(教育3=県岐阜)の司会とともに、小野興連盟常任委員(政経4=東京・世田谷)が振る『紺碧の空』からステージ開始。明大応援団も第一応援歌・『紫紺の歌』で盛り上げる。安田が早明デモストを「早稲田が明治に勝つ」予祝と表現し、観客からの歓声を浴びた。そしてチアリーダーズが秋季リーグでの応援曲・『Runner』を披露。毎年、ハーフタイムショーでの振り付けは2年生が担当するという。1年間の経験を確かに感じさせる、工夫がみられる振り付けである。1年生も2人出演していたのだという。スタンツで際立つのはそのチームワーク。安田も『Runner』に合わせてキレのある拍手をした。続くは明大応援団の応援曲メドレー。『神風』『狙い撃ち』など人気曲で盛り上げる。「やっぱり明治がNo.1!」で有名な『ハイパーユニオン』では、早大の新人や2年生が客席から「やっぱり早稲田がNo.1!」とかぶせ、笑顔で観客を巻き込む。


チアリーダーズ演技はいつも観客からの反応がひときわ大きい

 早大の応援曲メドレーは、4年生が順番にセンターリーダーを務めた。比田井啓リーダー庶務(スポ科4=長野・野沢北)の学生注目(学注)は明大の応援曲『神風』に対してである。「明治のみなさんはこんな大事な時に『神』頼みですか!」と突っ込んだ。笑いが起き、比田井の宙返りもさらに拍手を呼ぶ。『大進撃』『Bloom』から『雷轟』、最後は4年生9人での『コンバットマーチ』で締めた。センターリーダー、チアリーダーズの後方で拍手をする下級生も、前日の練習の成果を発揮した。快晴の空に向かって腕を大きく伸ばし拍手をする。4年生は『打倒明治』のハチマキを腕や額など思い思いの場所につけてテクを振った。メドレーののちは、下田隆博代表委員主将(政経4=東京・早大学院)の校歌。振りなれた校歌を、勝利に向けた厳粛な表情で披露した。


校歌を振る下田

 総合的に見て、チアリーダーズの演技、吹奏楽団の演奏、リーダーの拍手やテクなどではミスの少ないステージであった。だが加藤雄基・代表委員主務、リーダー練習責任者(政経4=東京・早実)からは、「詰めが甘いところが多かった」との反省がもれる。観客目線でステージの体裁が完璧ではなかったのだという。応援だけでなく、エンターテイナーとして観客を楽しませることの完成度も磨いていく姿勢が印象的である。この姿勢を持って、早明戦では応援席の雰囲気をがらりと変え、春季の王者を『狙い撃ち』してくれるだろう。

(記事 馬塲貴子、写真 市原健、佐藤桃子)

加藤雄基・代表委員主務、リーダー練習責任者(政経4=東京・早実)

――デモストの全体の仕上がりはいかがでしたか

よくなかったですね。初デモストだと思うんですけど、まあ、詰めが甘いところが多かったですね。全員春からやってきたことが抜けているところもあると思うので、それはこれからの改善点になりますね。

――具体的にはどのような部分が詰めが甘かったのでしょうか

運営的な部分になってしまうんですが、司会のマイクであったり、旗が途中でなくなってしまったりという点ですね。動画に残りやすいので気を付けないといけないと思います。

――リーダーの仕上がりとしてはいかがでしたか

リーダーだけでいうと、新人はがむしゃらによくやっていたと思うんですが、2年生がなんか手を抜くというか、がむしゃらさが抜けてきています。それがちょっと課題かなと思いますね。

――後ろからステージを見ていらっしゃいましたが、どのような点に注目していましたか

前で見ていても近場の人間しか見えないので、後方から全員を見るようにしていました。あとステージを見るのはお客さんなので、お客さんと同じ視点から見てどういうステージになっているかというのを確認していました。そういう時にやはり先ほど言った旗などが目立ちましたね。

黒澤真紀子副将・チアリーダーズ責任者(教4=埼玉・早大本庄)

――応援部全体で見て、デモストの仕上がりはいかがでしたか

絶対に負けられない早明戦に向けて観客の方々を巻き込んだ良いデモンストレーションになったと思います。

――チアリーダーズパートとしての仕上がりはいかがでしたか

観客の方々に足を運んでいただくために、より見ている方を巻き込むように心がけられたと思います。

――『Runner』の選曲はどのように行いましたか

曲は自分たちで決めたんですけれども、お客様が楽しめるような曲を選びました。どの年代の方でも楽しめるように、ということで応援部内で選ばせていただきました。

――振り付けはどのように決めましたか

振り付けは2年生が毎年決めるのですが、今年もそのようにしています。

――1年生も出演していたのでしょうか

はい、きょうは2名出ておりました。1年生もこれから、デモストなどたくさんの活動に参加すると思います。

――明大戦2連勝に向けて意気込みをお願いいたします

絶対に負けられない試合なので、応援部が一丸となって明大戦2連勝できるように努力したいと思います。

大垣汐里常任連盟委員(文4=神奈川・県立厚木)

――きょうのデモストの仕上がりはいかがでしたか

明治の応援団の方がたくさん来てくれて、音の厚みなども出て、協力できてすごくいいデモンストレーションができたんじゃないかなと思います。

――楽団としての仕上がりはいかがでしたか

事前の練習を結構していたので、そのおかげもあって本番もうまくいきました。

――明治の楽曲で、演奏していて楽しかった曲はありますか

私は『神風』を演奏するのがすごく楽しいですね。

――『Runner』の演奏はどうでしたか。

難しい部分もありますが、明治の人も頑張ってくれたのでうまくいけたかなと思います。

――2連勝に向けての意気込みをどうぞ

法政戦では負けてしまったのですが、そこは切り替えて、明治は絶対に勝ちたいなと思っているので、切り替えて頑張りたいと思います