TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL早大 BIG BEARS7147331中大 RACCOONS00077 例年苦戦を強いられている中大との大事な一戦。前半から攻守共に早大が圧倒的強さを見せつけ、21−0と大差をつけて試合を折り返した。後半は…

TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL
早大 BIG BEARS1431
中大 RACCOONS

 例年苦戦を強いられている中大との大事な一戦。前半から攻守共に早大が圧倒的強さを見せつけ、21−0と大差をつけて試合を折り返した。後半は下級生を中心としたプレーで今後のチームの成長を感じさせるも、中大のパスユニットを止められず、31−7で試合終了。完封勝利とはならなかったものの、学生日本一への可能性を感じた白星となった。


 序盤から猛攻を見せた早大オフェンス陣。QB柴崎哲平副将(政経4=東京・早大学院)からの81ヤードのロングパスをWRブレナン翼(国教4=米国・ユニバーシティラボラトリースクール)が見事にキャッチ。エンドラインまでの残り1ヤードを最後はRB吉澤祥(スポ2=東京・成蹊)が押し込み、先制点を挙げた。ここから流れは早大に。第2Qではランプレーが炸裂(さくれつ)し、軽快なステップで敵陣に切り込む。ここでまたもや、エンドゾーン残り1ヤードのオフェンス。高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)が「OLが押しきれなかったところがまだまだ課題」と振り返ったこの場面。エンドラインを越えようと果敢にランで攻めるも阻まれ、3度目の正直でRB中野玲士(商4=東京・早大学院)がTDを奪取した。直後にRB荒巻俊介(法3=東京・早大学院)もTDを決め、苦しめられながらもしぶとい強さを見せつけた早大。中大に攻撃のチャンスを全く与えないディフェンス陣の壁も厚く、21−0でハーフタイムを迎えた。


この日もWRブレナンへのロングパスからモメンタムをつかんだ


 後半早々、パスとランを織り交ぜた攻撃で空いたスペースへうまく切り込んでいった。最後はQB吉村優(基理3=東京・早実)が自らエンドラインを走り抜けTDをつかみ取った。このまま、モメンタムを引き寄せたい早大であったが、第3Qに入ってから少しずつ中大にパス攻撃を許し始める。中大は敵陣45ヤードまで攻め込むと、ギャンブルプレーを選択。なんとかこれを阻止し、意地を見せたディフェンス陣。その後の攻撃で、K/P高坂將太(創理3=東京・国立)が30ヤードのフィールドキックを成功させ、着実に点を重ねる。このまま無失点で試合を終えたい早大だったが、後半から許し始めた中大のパス攻撃を第4Qでも止められず。ついには、連続でロングパスを3回許し、最後は33ヤードのロングパスを決められ、TDを献上。完封勝利とはならなかった。


2試合連続のTDとなったQB吉村(左)


 関東大学秋季リーグ戦開幕3連勝を飾ったBIG BEARS。結果的に31-7と大差をつけて勝利した中大戦。全体的に、攻守共に早大の強さを見せつける試合運びとなったが、多くの課題も見つかった。LB池田直人主将(法4=東京・早大学院)は今後の課題として「どんなシチュエーションでもしっかり1プレー1プレー集中する」ことを挙げている。今試合で見つかった課題をクリアし、チーム全体のレベルアップに期待したい。次戦は秋の早慶戦。エンジのプライドを胸に、伝統の一戦を制し、甲子園への道を切り開きたい。


(記事 平川茜音、カメラ 倉持七海、小山亜美、高橋さくら、土生諒子、涌井統矢)


コメント

高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)

――開幕3連勝となりました

そうですね、ひとまず勝てて良かったです。ありがとうございます。


――苦戦が予想されていたライン戦でしたが、振り返っていかがでしたか

コーチと選手が一緒になって、トライアンドエラーを2週間でやってきたので、最初は少しやられましたけどアジャストができたのは良かったです。OLが押しきれなかったところがまだまだ課題ですね。


――GLでのランプレーの選択が多い印象でしたがどのような意図がありましたか

エンドゾーンが(他の会場と比べて)短くて危なかったっていうところですね。なので、OL頑張れという感じでランを多めにしたんですけど、押しきれなかったのが情けない限りです。


――ディフェンスは第4Qに得点を許し完封とはいかずでしたが、振り返っていかがでしたか

ディフェンスはメンバーを変えたタイミングでサインミスが出て、誰もいないゾーンができてしまってTDを取られてしまったので、そういう防げるミスを防げないとデプスが厚くならないので、そういう点を反省していかないとだめですね。メンツが落ちると守りにいってしまうディフェンスになってしまって、ボールを狙いにいかなきゃいけないのに人しか見えていないので、もっとアグレッシブにいかないと関西には勝てないですね。


――DB渡辺大地(教4=東京・早実)選手やDB藤崎利応(社3=東京・早実)など、これまでスターターとして出る機会が少なかった選手が活躍を見せましたが、その点はいかがでしたか

渡辺であったり藤崎であったりはずっと出ていた選手ではあるので、DBの層は非常に厚いので安心して見ていられますね。


――けが人が徐々に戻ってきていますが、デプスの現状はいかがですか

層は厚いとはいえ薄いというか、全体的にレベルが低いのでここからどう成長していくかが大事ですね。でもみんな頑張って向上心を持ってやっているので、次の早慶戦はまた成長した姿が見られると思います。


――次戦、アウェーでの慶大戦になりますが意気込みとしてはいかがですか

完全アウェーの中でどれだけ集中してやれるかが大事になってくると思いますね。慶大はきょう明大へのアップセットで、逆風の状況で自分たちの実力を出せるのかというのが、この先自分たちが甲子園に行った時もとても重要な要素になってきますから、これからの2週間は慶大を倒すために選手たちと共に1つ一1つやっていこうと思います。




LB池田直人主将(法4=東京・早大学院)

――試合を終えての率直な気持ちをお聞かせ下さい

とりあえず勝ったのが嬉しいっていうのが1つでその中で特に前半はオフェンスもディフェンスも結構完封して21点取ったというところで良いかたちで終われたのが良かったと思います。


――今回の試合を振り返ってみていかがですか、反省点がありましたらお聞かせ下さい

特に掲げるのはやはりキッキングの精度とかメンツが変わった時の集中力があまりなくて特に後半になってTDを取られた時もそうですし、中野選手(RB中野玲士、商4=東京・早大学院)がテンパってしまってというのがあって全員が試合を想定した練習をしていないということなのでしっかりとBチーム全員が試合を想定して日本一になるためには何が必要なのかを考えて試合をしていきたいと思います。


―LBがお2人しかいらっしゃらなかったと思いますが何か戦略などがあってのことだったのでしょうか

LBは毎回2人なんですけど、その中で今回杉田(杉田直人、法4=東京・早大学院)があんまり今まで出ていなかったということで、杉田をこれからしっかり出していくということで経験が少ないと試合において少し怖いということもあって、経験を積ませるために自分ではなくて杉田だったんですけど、杉田はきょうしっかりランプレーを止めたり前半はしっかりディフェンスが止めていて杉田も活躍していたので、そこでLBが熱くなっているのは良いことだなと思いました。


――第4QでTDを取られてしまいましたが、その場面を振り返ってみていかがでしたか

そうですね、ずっと相手の狙いが同じところで同じ路線でずっと投げられていて、同じくところに投げられていたのでしっかり自分たちの中でわかっていなかったというところで、中にいる選手がまだなかなか考えることができていない、流れでやられるときに流れにそのまま持っていかれて、思いっきりプレーできていないところがあったのでそういうのをなくしてどんなシチュエーションでもしっかり1プレー1プレー集中するっていうのを掲げてこれから練習していかないと今後でてくると思うのでそういったところを練習したいですね。


――慶大戦となる次戦の意気込みをお聞かせ下さい

4年生の僕には最後の早慶戦で、特に今回はアウエーゲームで、慶大の陣地に乗り込むということで春は快勝したんですが、実際明大にも勝っているということでしっかり僕らでまた気を引き締めて、3勝したからといって自分たちが勝って兜(かぶと)の緒を締めるじゃないですけどしっかりもう一回気を引き締めて最後の早慶戦、4年生としてはそこは勝てるように気持ち足して相手の陣地ですけどしっかり自分たちのフットボールをして勝ちたいと思います。




OL香取大勇(スポ4=東京・佼成学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

ランが結構出て、パスもしっかりとプロテクションできたのでテンポ良くTDにつなげることができて、流れはすごく良かったんじゃないかなと思います。


――きょうの試合は目標とされている40点に届きませんでしたが、31点という結果をどのように捉えていますか

やはり層が薄いな、ということを再認識したゲームで、OLでも序列を下げて2本目、3本目にしたときに1本目と同じようなパフォーマンスがまだできてないというのがこの試合で浮き彫りになったということが課題として出たので、ここからの残りの試合に関してもしっかりと1本目がけがしたときに2本目が入っても同じようなレベルでできるように練習していきたいと思います。


――中大のディフェンスの印象はいかがでしたか

スピード感があって1対1で縦に刺してくるようなDLだったり、LBもスピード感があって結構苦戦した部分もあったんですけど、しっかりと練習でやってきたことを実際にやることができたのでそういった相手にも臆することのないプレーが出たということに関しては今までのなかでは強敵だったんじゃないかと思います。


――きょうの試合はゴール前のオフェンスが多くて、ランプレーで押し込む場面が多かったと思いますが、その点については振り返っていかがでしたか

前までの2戦を振り返って、結構ゴール前というのが課題としてあってそこにフォーカスした練習を繰り返していって今回の試合でも本当に良い位置とかゴール前でのプレーがあってそこをランで押し切ることができたのである意味一つの課題は潰れたんですけど、ここに満足することなくもっと強いディフェンスが来たときにも出せるようなオフェンスを作っていかなければいけないと思います。


――次の慶大戦に向けての意気込みをお願いします

毎年苦戦している相手で、春は勝つことができたんですけど前の試合で明大に勝っているのでやはり早稲田からして強敵ではあると思うのでこの3勝したところに満足することなくしっかりと一つ一つの練習を全力でやって慶大にも今日のようなオフェンスで出して、ディフェンスで止めて、というようなチーム作りをしていきたいと思います。




RB中野玲士(商4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返って、率直な気持ちをお願いします

まだ全然やり足りていないというか、きょう試合をやって、本調子じゃない感じがしました。GLで3回中1本TDを決められるくらいなので、自分はまだまだだなと思いました。


――今期、初TDでしたが、どうでしたか

OLの力があってこそ、決められた1本でした。今季1本目は嬉しいけど、いろいろな反省もある1本だったなと思います。


――きょうはゴール前でのプレーでランをコールされ、ランプレーでTDを決められた場面が多かったですが、その時の気持ちはどうでしたか

それはもちろん、自分が取ってやろうという気持ちで走っていましたし、パスではなくランをコールしてくれたコーチにも感謝しています。絶対にこの1本を自分が取ってやろうと思っていました。


――4年生ということで今年が最後の年ですが、今年の意気込みをお願いします

やはり自分たちには日本一という目標がある。それに向けて悔いが残らないように全力を尽くし、勝ちたいと思っています。


――RB競争は激しいと思いますが、その点はどのように思われていますか

2年の吉澤や3年の広川、荒巻、3人とも全員上手で、自分のライバル。自分は4年生で、今年が最後の年。だから、どれだけ残りの大学生活をアメフトに尽くせるかでポジション争いの結果が変わってくると思います。ポジション争いに勝てるようにこれからも本気でやっていきたいです。


――次回の慶大戦への意気込みをお願いします

早慶戦は早稲田が一番燃える戦いだと思っています。そこは自分が1本目を取って、TDして勝ちたいです。




WRブレナン翼(国教4=米国・ユニバーシティラボラトリースクール)

――きょうの試合をふり返っていかがでしたか

オフェンスがポンポン点を取れていて、ディフェンスもターンオーバーがあったりと、中大を止められていたので全体的にはいい試合だったかなと思っています。


――前半、ロングパスの成功などのTDに繋がるプレイが目立っていました。振り返っていかがですか

個人的には、パスは取れていたのですが、最初のロングパスで1ヤードを残してTDが出来ず、すごく悔しかったです。今もすごく悔しいのですが、来週、再来週までこの悔しさを引きずっていると思います。いいボールを投げてくれた哲平(柴崎)に申し訳ないです。(笑)


――QB柴崎選手との連携はいかがです

結構いい感じに、タイミングとかボールの投げどころとか僕が行かなければいけない場所とかがマッチしていて、毎週毎週、練習で合わせている結果が試合でも出てきているかなと思います。


――後半、下級生のWRが活躍する場面もありましたが、今季のWRのチームの雰囲気はいかがですか

レシーバーのユニットはチームの中でも一番仲が良くて、ルーズな場面もあるのですが、点差が開いて試合後半に下級生も出場するとなった時に、オンオフがしっかりできていると思います。試合に出るからには、しっかり点取ってこいよ、ちゃんとキャッチしてこいよ、と声をかけました。結果的に、しっかり取ってきてくれたので、すごく嬉しいです。


――仲のいい雰囲気のチームの中で、個人的に気持ちの切り替えで心がけていることはありますか

僕は試合中も笑っていることが多いのですが、フィールドに入ってからは真面目に、笑わずに、気持ちを引き締めるようにしています。また、ディフェンスの動き方などを良く見て次に入る下級生に伝えるようにしています。


――日本一という目標に向けて、今季取り組んでいること、これから取り組みたいことは何ですか

まずはスピードと集中力ですね。やはりロングパスを取れたのにTDを決め切れなかったり、途中ですぐバテてしまって、脚のスピードが遅くなってしまったり。個人的にはそういうところを直していかないと、関西の強さはこんなもんではないので、日本一は難しいかなと思います。あとは、哲平との意思疎通を高めて、去年の悔しさを思い出しながら取り組んでいきたいです。


――次の早慶戦に向けて、意気込みをお願いします

早慶戦ということで、絶対に負けたくないですし、きょうは一本もTDを決められなかったので、次はTDを2、、いや3回取ります!




LB杉田直人(法4=東京・早大学院)

――スペシャルチームとしてきょうの試合を振り返ってどうでしたか

中大は割とスペシャルチームが強いチームであるとスカウティングしていたので、できたところもあればできなかったこともあるという感じですね。


――きょうがリーグ戦の3試合目でしたが、どのような目標を持って臨まれましたか

前節、結構キックでやられてしまったのでまずはキックでゲームを潰さないようにというのと、しっかりキックでカバーであったりとかで挽回したりだとかリターンでしっかりいいポジションまでボールを持っていくという基本のことを目標にしてやりました。


――今までの3試合でのキッキングチームの出来はいかがですか

前節やられたように今節も結構試合で危ないシーンもあったりだとかFGを外してしまったりとかがあったので、まだまだだと感じています。


――LBとしてご自身を振り返ってどうでしたか

中大が割とスカウティングしてきたことと違うことをやってきて、それで全然アジャストもできなくて、正直不甲斐ない結果だったと感じています。

――次戦の慶大戦への意気込みをお願いします


慶大は今波に乗っているチームなので、アグレッシブにアグレッシブにいって、会場が日吉っていうのもあるんですけど、しっかりモメンタムを持ってこれるようなプレーをしたいなと思っています。




DB永井雄太(商4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

パスチームの中大オフェンスに対して、DBがしっかりとパスを断ち切るというのが役目だと思っていました。前半はAチームのメンバーを中心に比較的良い感じで完封ができて良かったです。でも後半に若手のフレッシュなメンバーが入ってきたときに、簡単にパスが通されてしまったのは、今のチームの実力かなと思います。


――きょうの試合のパスディフェンスを振り返っていかがですか

チームとしては、相手のサイズのあるワイドレシーバーに対して、早稲田は小柄な選手が多くて、そこで1対1で勝ちきれなかったことは、日ごろの練習で細部までつめることができなかったのが原因かなと。そのせいで中大のタイミングの良いパスで崩されてしまったのかなと思うので、練習でしっかり確認できたらいいと思います。


――ご自身のプレイはいかがでしょうか

この試合こそはインターセプトをしようというつもりできょうの試合に臨んだのですが、コンビを組んでいる渡辺(大地、教4=東京・早実)においしいところを全部持っていかれてしまったので。大地は同じポジションの高岡(拓稔、商4=東京・早大学院)と争っている中で、お互い高めあっていっていることがディフェンスとしてはすごく良いことかなと思います。


――第4Qでの失点で完封勝利とはなりませんでした

出ているフレッシュなメンバーで点を取られてしまったのは早稲田のディフェンスの実力不足だと思っていますし、Aチームも危機感を持って臨まないといけないなと思います。リーグ戦は長くて、けが人がいつ出るかわからないので、すべての選手が意識を高く持たないといけないなと思います。


――DBはけが人が多くなっていますが

そうですね。きょう、本来のスタメンの高橋(弘汰、法3=東京・早大学院)、高岡の代わりに出た藤崎と大地は練習から(高橋、高岡の)二人を脅かす存在なのであまり心配はしていませんでした。これ以上けが人が出てしまったときは考え直さないといけないなと思います。


――ラストイヤーへの抱負を教えてください

なにがあっても日本一になるという気持ちを持ってシーズンを始めて、DBのCBの主任として「日本一のDBにしてやるぞ」と引っ張り上げようというのは日ごろから強く思っています。関東リーグを必ず1位で勝ち上がって、甲子園でリベンジして勝ちたいという気持ちで挑んでいます。


――チームの課題は何でしょうか

二本目以下の実力不足がきょう出た課題なのですが、一本目も強豪・明大や関西(の大学)と比べるとまだまだ実力不足だと思っています。一本目のメンバーは特に、常に高みを目指して、ひたすら毎日自分と向き合って、課題を忘れないようにしていきたいと思います。


――次戦への意気込みを聞かせてください

次こそはインターセプトをします!