文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

「このままでは終われない」で臨むラストシーズン

レバンガ北海道は、折茂武彦が2019-20シーズン限りで現役を退くことを発表した。

1970年5月14日生まれの折茂は現在49歳。社長兼任でありながら戦力としてローテーションにきっちり入り、昨シーズンは1試合平均16分半のプレータイムを得て380もの得点を積み上げた。国内トップリーグ日本人選手として初の通算1万得点も達成している。

実業団の名門であるトヨタ自動車からレラカムイ北海道のクラブ立ち上げとともに移籍してきたのが2007年。「ただバスケットボールをやっていただけの僕を、北海道のファンの方々がプロにしてくれた。ファンの方々に求められてプレーすることの意味や喜び、それまでもずっとバスケをやってきたけど知らなかったことを、北海道で知ることができた」と折茂は語っている。

そのレラカムイ北海道は2011年にクラブ経営が行き詰まった。ここで折茂が新たな会社を立ち上げて、レバンガ北海道としてチームを存続させることになる。こうして折茂は選手兼社長として、長くプレーを続けてきた。

そうしてBリーグの時代を迎え、激戦の東地区で苦戦を強いられながらも健闘を続けるうちに、レバンガ北海道は集客が大幅に伸びて経営に四苦八苦する状況から抜け出し、逆にBリーグの中でもお手本と呼ばれるようなプロクラブへと成長した。

昨シーズンは残留プレーオフに回り、何とかB1残留を果たしたものの、チームとして納得のいかない1年となった。シーズン終了からほどなくして、折茂はこんな言葉とともに現役続行を発表している。「レギュラーシーズンの成績が10勝50敗と、これまで26年間プレーしてきた中で、言葉が適切かはわからないですが、自分にとって屈辱的とも言えるシーズンにしてしまったので、このままでは終われないという想いが強くありました」

しかし、開幕を週末に控えたこのタイミングで、ラストシーズンにすることを発表。今シーズンは1月のオールスターゲームが北海道で開催されることも決まっているが、折茂の花道がそこでは少しばかり早すぎる。北海道に移籍して13年目、選手として27シーズン目、チャンピオンシップ進出を成し遂げ、少しでも長くそのプレーをファンに見せてもらいたい。