ラグビーワールドカップも各プール2戦目に入り、9月29日(日)、埼玉・熊谷ラグビー場でプールD、ジョージア代表(世界ランキング11位)対ウルグアイ代表(同17位)の一戦が行われた。 ジョージア代表は初戦でウェールズ代表と対戦したが、前半なか…

ラグビーワールドカップも各プール2戦目に入り、9月29日(日)、埼玉・熊谷ラグビー場でプールD、ジョージア代表(世界ランキング11位)対ウルグアイ代表(同17位)の一戦が行われた。

ジョージア代表は初戦でウェールズ代表と対戦したが、前半なかなか思うようなプレーができず、最終的にウェールズに6トライを献上し14-43で敗れている。一方のウルグアイ代表は、岩手・釜石で行われた初戦で、フィジー相手に粘り強く戦って30―27で金星を挙げ、世界中のラグビーファンを感動させた。

ジョージア代表のミルトン・ヘイグヘッドコーチ(HC)は、ウェールズ戦から一気に12人の先発を入れ替え、ゲームキャプテンは、この試合で代表56キャップ目となる、サンウルブズでもお馴染みのHO(フッカー)ジャバ・ブレグバゼが務めた。

一方、中3日と厳しい条件の中での試合となったウルグアイ代表は、フィジー代表戦でトライをとったNo.8マヌエル・ディアナがメンバー外となるなど、2人の変更にとどめた。

両者は2003年のワールドカップで対戦し、ウルグアイ代表がジョージア代表に24-12で勝利している。

得意のFWで圧倒し、勝ち点5を取って上位争いに可能性を残したいジョージア代表と、勢いに乗ってフィジー代表戦に続き2勝目を挙げ、ウルグアイ代表が再び旋風を巻き起こすのか注目された

試合は30度と熊谷らしい暑さの中、24,895人の観衆に見守られながら14時15分、キックオフされた。

試合はやはりスクラム、接点のフィジカルに長けたジョージア代表ペースとなる。前半8分、スクラムを押し込み、最後はWTB アレクサンデル・トドゥアが左隅に押さえて5-0と先制する。

その後、暑さも手伝い、互いにミスが出て得点は動かなかったが、29分、再びジョージア代表がゴール前でチャンスを得る。スクラムを押し込み、最後はNo.8オタリ・ギオルガゼが押さえてトライ、SOテド・アブシャンダゼがゴールを決めて12-0とする。

しかし、積極的にアタックするウルグアイ代表も反撃を開始する。32分、ラインアウトからショートパスをつないでCTBアンドレス・ビラセカがトライ、SOフェリペ・ベルチェシがゴールを決めて12-7と5点差に追い上げる。

ただ、後半に入っても常にセットプレーで優位に立つジョージア代表が続く。後半2分、敵陣5メートルでのスクラムを押して、難なくPRレヴァン・チラチャヴァがゴールラインを割る。SOアブシャンダゼのゴールも決まり、19ー7とする。

さらに11分、キャプテンのHOブレグバゼが自らスローイングしたラインアウトからモールで押し込んでトライ。4トライとしてジョージアはここでボーナスポイントを獲得し、ゴールも成功して26ー7。17分にも今度はCTBギオルギ・クヴェスラカゼがトライを決めて、33ー7と大きく突き放す。

敵陣でプレーする時間がほとんどとなくなっていたウルグアイ代表。それでもスクラムから展開してチャンスをうかがうが、なかなかエリアを回復できない。後半37分、ウルグアイは交替で入ったHOファクンド・ガッタスがノーバインドのタックルでレッドカードになってしまい万事休す。

結局、持ち味のスクラム、モールとFWでゲームを支配したジョージア代表が33ー7でウルグアイ代表を下してノーサイド。プレイヤー・オブ・ザ・マッチにはNo.8オタル・ギオルガゼが選出された。

ジョージア国旗を肩にかけインタビューに応じたミルトン・ヘイグHCは、「このような我々らしい勝利を挙げられて嬉しい。われわれはこの数年、特にこの4ヶ月は相当な努力をしてきた」と初勝利に安堵の表情を浮かべた。

一方でゲームキャプテンのHOブレグバゼは、「この試合が厳しいものになることはわかっていた。だから自分たちのためではなく、ジョージアの国民のために取り戻すべく準備をしようと話し合った。しかしまだ仕事は終わっていない。次がある」と力強く語った。

ウルグアイのエステバン・メセネスHCは、「フィジカルもメンタルもスキルも準備してきたが、ジョージアはスクラムもモールも強い。我々はこのあたりをもっとレベルを挙げていかなければいけない。だが一度世界を驚かせた我々が、ウェールズとオーストラリア相手に再びアップセットを起こす可能性がないとは言い切れないはずだ」と反省を交えながら、次を見据えた。

ウルグアイ代表のキャプテンのFLファン=マヌエル・ガミナラは、「私たちは予選から上がってきたので、このような短い間隔での試合日程は仕方がない。ジョージア代表はフィジカル(なチーム)だし、常にプレッシャーをかけてきた。強かった」と相手を称えた。

総勝ち点を5としたジョージアは、10月3日(木)に大阪・東大阪市花園ラグビー場でフィジー代表と対戦する。総勝ち点4のままのウルグアイは、10月5日(土)に大分・大分スポーツ公園総合競技場でオーストラリア代表と相まみえる。

 

◇HOブレグバゼ、トライにも微妙な表情の訳は

日本のサンウルブズでもプレーしているHOジャバ・ブレグバゼがこの日、ジョージア代表のゲームキャプテンを務めた。日本を良く知るだけに「このような暑い気候になることはわかっていたので準備していた」と余裕の表情を見せたのに対して、ミルトン・ヘイグHCは「長袖を着てくるんじゃなかった」と苦笑い。

そして、自身のトライについては「チームのトライで、僕はラッキーなだけ」と謙遜しつつ、「この場を借りてお願いをしておきたいのですが、僕のトライの時にロシアの音楽を演奏した人がいる。次は間違えないでください(苦笑)」と注文をつけた。