文=丸山素行 写真=FIBA.com

本橋が繋ぎ、宮澤の3ポイントシュートで逆転

女子アジアカップ準決勝、日本はFIBAランキング3位の強豪オーストラリアと対戦した。

日本の先発は町田瑠唯、赤穂ひまわり、宮澤夕貴、髙田真希、渡嘉敷来夢の5人。町田のドライブで先制した日本だったが、直後に3ポイントシュートを許し、その後はオーストラリアのオフェンスを止められず先行される。

高さで劣るわけではないが、連動したパス回しからタイミング良くインサイドにボールを入れられ、ペイント内での失点が続く。8本連続で3ポイントシュートを外し続けた日本に対し、3本の3ポイントシュートをすべて決められ、速攻での得点でも4-9と上回られ、15-23で第1クォーターを終えた。

日本が理想とするバスケットをオーストラリアに体現され、リズムに乗れない日本は一時2桁のリードを許した。それでも、第2クォーター開始3分30秒、途中出場の林咲希がチーム初となる3ポイントシュートを成功させると流れが変わる。

インサイドの守備を修正し、渡嘉敷がブロックショットを見舞うなど、ギリギリのところで失点を防ぐ粘りのディフェンスを見せる。そしてオフェンスでは、3ポイントシュートにドライブからのバスケット・カウントと本橋が輝きを放った。これまで4本連続で3ポイントシュートを落としていた宮澤にも当たりが出て、このクォーターを20-5と圧倒し逆転して後半戦へ突入した。

赤穂のオフェンスリバウンドが勝機を呼び込む

本橋が3ポイントシュートに速攻とオフェンスを牽引するが、オーストラリアのエースガード、レイラニ・ミッチェルに速攻から3ポイントシュートを許すなど、一進一退の攻防が続く。連続得点を許して点差を詰められる場面もあったが、ここで宮澤がチームを救う。ノーマークでなくとも積極的に放つ3ポイントシュートを次々とねじ込むことでリードを広げていった。

また日本がリードを保った理由の一つに赤穂のオフェンスリバウンドがあった。赤穂は何度もオフェンスリバウンドに飛び込み、1試合を通じて7つのオフェンスリバウンドを記録。ポゼッションを渡さず、セカンドチャンスポイントで16-2と大きく上回ったことで試合を有利に進めた。

そして、最終クォーター残り3分50秒、本橋の速攻が決まり70-57としたところでオーストラリアはタイムアウトを要求。直後、宮澤がシュートファウルを誘発し、フリースローで15点差にしたところで、オーストラリアはミッチェルを下げ白旗を上げた。

最終スコアは76-64。本橋はゲームハイの22得点に加え、6アシスト2スティールと大車輪の活躍を見せた。また、最初の4本を外すも、その後は6本中5本の3ポイントシュートを沈めた宮澤が19得点と続いた。そして宮澤はリバウンドでも奮闘。渡嘉敷や髙田がしっかりとボックスアウトし、そこに飛び込んで15リバウンドを記録。赤穂の7つのオフェンスリバウンドを含め、52-45とリバウンドで上回ったことも勝因の一つとなった。

決勝へ駒を進めた日本は、準決勝で韓国を80-52で下した中国と4連覇を懸けて戦う。