スナイプリーダー・スナイプ級 ムルターブレンダン

大学でヨットを始めた初心者としてのスタートながら、実力で立大スナイプを引っ張るリーダー、ムルターブレンダン(済4)。6月に行われた関東学生個人選手権に中村(文4)とペアとして出場し、見事16位に。立大としては10年ぶりの全日本個人への挑戦権を手に入れた。ラストイヤーでの快挙の裏には、人知れず克服した苦悩があった。


カメラに微笑むムルター。座右の銘は「我が道を行く」

ヨットとの出会い、合宿所での生活
ヨット部に入部を決めたのは、兄の影響。慶大ヨット部の副主将を務め日本一を目指す姿に憧れ、立大ヨット部に入部した。
高校時代はラグビー部に所属していたが、同じ運動部でもヨット部はあまりにも違う環境。共同シャワー、共同トイレ、エアコンなしの合宿所での部員との共同生活に最初は戸惑った。びっちり決まったタイムスケジュールでの合宿生活に「正直もう来年はやりたくない」と苦笑するが、4年間たった今では「合宿生活を乗り越えられたっていうのは、社会人になってから自信になる。」そして何より「令和初期に昭和みたいな合宿所でできたのはなんだかんだ結構いい思い出」と振り返る。


関東個選で16位に輝いたムルター・中村(文4)ペア

“練習の成果が結果に表れない“苦しさ
「今ももちろん本気で打ち込んでいるんですけど、一番熱を持って練習に取り組んだ時期にいい結果が出なかったのは今思うと結構しんどい時期でした」と3年次の苦悩を打ち明ける。スナイプ級のエース候補としてどんなに練習に打ち込んでも一番欲しい“結果”が出ない。しかしそこで努力する姿勢を貫くのがブレンダン流。誰に言われた訳でもなく、4年間のヨット生活で得た学びだった。
「いくら自分が頑張っていても結果が出ない時は必ず誰しもにある。そこからどうするかが結果を出せる人と出せないまま終わっていく人の違いだ。このことを4年間で学びました。なので、死ぬ気で頑張っているけれど結果が出なくてやる気がなくなりそうな後輩には、その後が大事なんだというのを伝えたいです。」


様々な相手とペアと組み、チームを牽引した

最後の秋インカレ
全日本で得たものは「結果という意味ではあんまり得られたものはなかった」と謙虚なムルター。しかし、「全日本優勝を目指している人と戦えたのは今まであまりできなかった良い経験。これを秋インカレ、団体戦に生かせればすごく良いものになるのではないかな」。とスナイプリーダーそしてエースとしての自信をのぞかせる。
秋インカレでの目標は6位。立大の近年の実力では「難しい」目標をあえて設定して、8月、9月の練習に明け暮れた。「六大学戦の結果(スナイプ級3位)が出て本当に狙える位置に来ている。最初に挙げていた6位という目標をあとは達成するだけだと思います。」最後に、後輩に見せたい姿は?という質問には、笑いながらこう答えた。

「自分がエースだという姿を、シンプルにそれだけ見せたいですね。」

(インタビュー:川崎翔海・山口史泰 文:金子千尋)