9月16日に幕を閉じた松阪G2共同通信社杯は郡司浩平(神奈川99期)が制した。郡司は一昨年の高松G2ウイナーズカップ以来、2回目のG2制覇となった。その年のKEIRINグランプリ開催地は平塚競輪場。多くの報道陣が地元・神奈川所属である郡司の出場を疑わなかったが、結果は賞金ランキング10位で補欠。グランプリの前検日に恥ずかしそうに平塚競輪場の検車場に現れたと、後日、聞いた話しである。今年もまだG1が寛仁親王牌(前橋)と競輪祭(小倉)の2大会残っているだけに出場確定とまでは言えないが、一昨年よりは明らかにグランプリ初出場が近づいている。



今大会を振り返るにあたり、初日の2レースのことを第一に書かなければならないだろう。筆者はそのレースを現地で見ていた。レースが終わり、買っていた車券は外れて、次のレースに思いを馳せながらバンクに背を向けたところで……場内が騒めきだした。何事かと思ったら、ゴール(6着入線)した林雄一(神奈川83期)がいきなり第1センター付近で落車、うつ伏せで倒れ込んだのである。何が起こったのかをすぐに理解できた関係者、ファンは少なかったであろう。客席からは悲鳴さえ上がっていた。後に分かったことだが、林はゴール後に意識を失って倒れたのだった。慌てて医師が駆けつけたところ、心配停止状態だったらしく、すぐに救急車で緊急搬送された。容態に関して、すぐに正確な情報は入らなかった。ただ、心肺停止の危機は脱し、意識だけが戻っていないということがJKAから発表されていた。

後日、知人の記者から聞いた話しでは、不整脈が原因だったらしい。もっと詳しくは運動性の不整脈だと言っていたが、知人の記者も筆者も医療従事者ではない。ここで原因を語るのはお門違いであるため、割愛させていただく。
尚、林は翌日、意識を取り戻したらしく、最悪の事態は避けられた。全ての関係者、ファンが林の容態を注意深く見守っていたことであろうから一安心であった。

そのようなアクシデントに見舞われた大会であったが、4日間の売り上げは65億7,767万3,400円。目標は70億円だと聞いていたし、今回の売り上げは4日制のG2ではワースト。最近はG3でも50億円を割ることが大半を占めており、40億円の後半なのか?中盤なの?かが成功か?失敗か?の目安になっているが、これは情けない実情。優勝賞金が約2,000万円のビッグレースでこの始末だ。G3の優勝賞金は360万円。果たしてG2を開催する意義があるのか?という疑問さえ感じてしまう。
また、“若手の登竜門”とも言われる開催だが、決勝に進出した若手と呼べる選手は山﨑賢人(長崎111期)くらいであろう。その山崎にしてもG1決勝をすでに経験しているし、ニュースター誕生とは言い難かった。
“若手の登竜門”という位置づけならば出場選手は養成所を卒業して何年以内に限るとか、G1での成績を考慮する方が良いのではないか。
G1は年6回、G2は年3回開催されている。そして、毎週のようにG3が行われている。観る側にしてみれば毎回、同じ顔ぶれにしか映らないのである。共同通信社杯は自動番組方式を採用しているが、顔ぶれ自体は変わらないので新鮮味はあまり感じられない。若手だけで4日間の大会をすれば良いとも思うが、それができないのは関係団体に自信がないからであろう。スター選手不在の開催で、売り上げは果たしてどうなるのか?という不安があるに違いない。しかしながら筆者に言わせれば、この業界には失うものなど残っていないのではないか。何をやっても売り上げに繋がらないのならば逆転の発想ではないが、奇抜な企画をすれば良いだけである。それがたとえ失敗しても、誰も責めることはないだろう。義務だけで開かれる大会は必要ない。もしも現状がそうなのであれば……G2を開催する意義はもうないのではないだろうか。