開幕カードの法大戦では打線が沈黙し、連敗スタートとなった早大。8季ぶりの賜杯へ向け、早くも後がない状況となった。優勝するには勝ち点4以上が絶対条件。次戦で勝ち点を落とせば賜杯への道が完全に閉ざされてしまう。ここでナインに立ちはだかるのは今春の王者・明大。春に早大が優勝戦線から後退するきっかけとなった因縁の相手だ。絶対的エース森下暢仁主将(4年)を攻略し、勝ち点をもぎ取ることはできるか。早大の意地と誇りに懸け、絶対に負けられない戦いが始まる。

 明大投手陣の柱はプロ注目の森下。6月の全日本大学選手権では2試合に先発。ともに完投勝利を挙げ、チームを38年ぶりの大学日本一に導いた。アマチュアナンバーワンとの呼び声も高い本格派右腕は最速150キロ超の直球にカーブやチェンジアップなどの緩い変化球も絡め、早大打線を翻弄(ほんろう)するだろう。第2先発はサイド気味のスリークオーター伊勢大夢(4年)が有力。内外角への投げ分けが武器の右腕は東大2回戦で6回無失点の好投を見せた。救援陣も竹田祐(2年)、石毛力斗(3年)、入江大生(3年)、長江理貴(4年)と充実の顔ぶれ。王者の名にふさわしい盤石の布陣で稲穂打線を迎え撃つ。


東大1回戦では12回154球の熱投を見せた森下

 対する早大打線のキーマンは、の二人だろう。打線の核となるべき両者だが、法大戦ではともに無安打。二度、三度にわたる好機をものにすることができなかった。この二人が中軸として機能し、得点圏に進んだ走者を返すことができれば勝利は近付くだろう。特に福岡は今春、森下から先制適時打を放っているだけに、自身がテーマに掲げる『ここぞの一打』を期待したい。また、法大戦で唯一長打を放ったルーキーにも注目だ。大量得点は見込めないだけに、少ない好機をいかに得点につなげるかが勝敗の鍵を握る。


春の明大1回戦、森下から先制適時二塁打を放った福岡

 一方の明大打線は今春から大きく打順を入れ替えた。リードオフマンを務めるのは、春4番の北本一樹副将(4年)。甘く入れば長打もあるだけに初回から警戒が必要だ。3番には添田真海(4年)。昨季首位打者に輝いた巧打者は東大戦で8打数4安打2得点を記録。今季も明大打線の核となることは間違いない。4番は勝負強さが光る喜多真吾副将(4年)。昨季、から逆転3ラン本塁打を放った和田慎吾(4年)も嫌な相手だ。また、『打者・森下』の存在も大きな脅威。東大1回戦では投手ながら適時二塁打を放つ『二刀流』の活躍を見せた。上位から下位まで切れ目のない明大打線。一瞬の油断が命取りとなることだろう。

 強力相手打線を自慢の投手力で抑え込む。1回戦の先発はエース。法大戦では7回1失点の好投を見せた。続く2回戦での先発は、直球が武器のが有力。や柴田といった救援陣の安定感も光る。何とか最少失点で食い止め、守りからリズムをつくりたいところだ。


中継ぎエースの今西。状況によってはロングリリーフも務める

 「別のチームに生まれ変わるぐらい、劇的に変えて見せます」。法大2回戦後、はこう口にして神宮球場を後にした。開幕カードでは初戦から連敗と厳しい戦いを強いられた。しかし、うつむいている暇はない。「まだ可能性はあるので、チームでやるしかない」()。優勝への望みをつなぐべく、チームが『ONE』となって、明大に挑む。

(記事 望月清香、写真 石﨑開、吉田昭太、今山和々子)