宮司愛海連載:『Manami Memo』 第2回第1回はこちら>>フジテレビの人気スポーツニュース番組『S-PARK』でメインキャスターを務める宮司愛海アナの新連載『Manami Memo』。第2回のテーマは、前回に引き続きバレー。男子…

宮司愛海連載:『Manami Memo』 第2回

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フジテレビの人気スポーツニュース番組『S-PARK』でメインキャスターを務める宮司愛海アナの新連載『Manami Memo』。第2回のテーマは、前回に引き続きバレー。男子日本代表のメンバーについて語ってもらいます。



バレー男子日本代表の魅力について語った宮司愛海アナ

『FIVBワールドカップバレーボール2019』の男子は、10月1日から行なわれます。男子日本代表の注目選手といえば、まずエースの石川祐希選手、キャプテンの柳田将洋選手。ふたりを取材して感じるのは、自分の思いや考えを、しっかり言葉にして伝えるということです。

 私が取材をさせていただいた時、こちらが「1」質問をしたら、「10」の情報が返ってくる感覚があるんです。確固たる自分の目標があって、そこに向かっている強い思いや姿勢がすごく伝わってきました。ふたりとも海外のクラブでプレーする中で、そういう姿勢が身についたのだと思います。

 今大会、初めて代表に選出され、ワールドカップデビューで目を見張る活躍を見せた女子日本代表の石川真佑選手のお兄さんでもある石川選手は、以前は取材が大の苦手だったとも聞いたことがありますが、今はまったくそんなことは感じません。「個人の能力を高めないといけない」と課題をはっきりと口に出すところに、私も刺激を受けますし尊敬しています。

 プレーに関しては、攻撃だけでなく守備の技術も高い選手だと思います。ここ数年で体つきもたくましくなり、少年らしい表情だったのが、今では精悍な顔つきになりましたよね。意外なのは、男子日本代表では年齢が下から3番目なので、エースにもかかわらず海外遠征などの時には洗濯係をやっているということ。「早く年下の選手がもっと入ってきてほしい」と話していました(笑)。

 一方、昨シーズンからキャプテンを務める柳田選手も、意思を伝えることを大事にしていることがわかります。精神面、プレー面でもチームに安定感をもたらす選手だと思いますが、今年2月に左足首・8月に腹筋のケガをした影響が心配されていました。しかし、9月のアジア選手権への出場もありましたし、本人も「もう大丈夫」と話されていたのでワールドカップへの準備は万全なようです。

 特に、最大の武器であるサーブが、海外の強豪チームにとっても脅威になると思います。点が欲しいところでサービスエースを決め、男子日本代表を勝利に導く”頼れるリーダー”の活躍に期待しています。

 このふたりに続いて存在感が増してきたのが、19歳の西田有志選手です。西田選手は春高時代から石川選手の大ファンで、自分の部屋にポスターを貼り、サインも大事にとってあるそうですよ。高校卒業後には、「石川選手がいる中央大学に入ろう」と考えたらしいのですが、西田選手が入学すると同時に石川選手が入れ違いで卒業してしまうことに気づき進学を諦めたそうです(笑)。

 そんな西田選手には、とんでもない爆発力がありますよね。「ここぞ」というときにスパイクを任せられる雰囲気は、出そうと思って出せるものではないと思いますし、試合でも輝いて見えます。高校卒業前にVリーグデビューを果たし、18歳にして日本代表メンバーに選ばれていますが、まだまだ発達途上だと思います。更に成長した時、どれほどの選手になるか想像もつかないです。

 西田選手と同じポジションには、右ひざの前十字靱帯損傷という大ケガを乗り越えた清水邦広選手が帰ってきました。8月3日に行なわれたカナダとの親善試合で、日本代表に復帰した瞬間をみることができたのですが、ベストパフォーマンスとはいかずとも、コートに入った時の「やってくれそう」という期待感は健在でした。

 会場も「ゴリさんが帰ってきた!」という暖かい空気に包まれていました。清水選手は、私がまだバレー取材を行なう前から日本代表の中心として活躍してきた選手。選手生命にかかわるケガから復帰したこと自体がすばらしいのですが、長く男子日本代表の主力を担ってきた33歳のベテランの力は、チームの大きな支えになると思います。

 清水選手と同期の福澤達哉選手も、同じく経験豊富なベテランですよね。2008年の北京五輪での全敗、2012年ロンドンオリンピック・2016年リオオリンピックの出場権を逃した悔しさを知っている選手なので、今回のワールドカップや東京オリンピックに向け、精神的支柱の役割や経験値などが期待されていると思います。

 チームの練習を取材させていただいて驚いたのは、本当に楽しそうに練習していることです。どちらかというと、女子のほうがピリッとした空気が流れているように感じたのですが、男子はすごく和気あいあいと笑顔が多いのが印象的でした。中垣内祐一監督は、その様子を一歩引いて見ながら、冷静にチームの現状を見極めているように感じました。

 この大会で期待するのは、チームが目標にしているメダルの獲得です。4年前の同大会では、石川選手、柳田選手、山内晶大選手、髙橋健太郎選手という若手選手が台頭し、「NEXT4」と呼ばれて”バレー熱”が一気に高まりました。その時よりもさらに大きなムーブメントを起こしてくれることを楽しみにしています。

Profile
みやじ・まなみ。91年7月29日生まれ。
2015年フジテレビ入社。福岡県出身。血液型:O型。
趣味:1人カラオケ、ピアス集め。好きなもの:スニーカー、音楽、寄席。
モットー:「めげない」「人事を尽くして天命を待つ」
担当番組:『S-PARK』『潜在能力テスト』など