9月29日、中山競馬場でGⅠスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。今年のGⅠ桜花賞馬グランアレグリア、昨年のGⅠマイルチャンピオンシップを勝ったステルヴィオの回避が発表されているが、多くの実績馬が揃い、白熱した争いが期待されるレースだ。

 今回はこのコースの適性という視点から、出走馬を診断していこう。メンバーのなかで、中山芝1200mでもっとも多くの勝利を挙げているのは、モズスーパーフレア(牝4歳/栗東・音無秀孝厩舎)で、4戦して3勝、2着1回という成績を残している。




3月のオーシャンSを制したモズスーパーフレア

 とくにすばらしかったのが春の2連勝。OPカーバンクルSを1分07秒0の好タイムで逃げ切った後、GⅢオーシャンSでも前半3ハロン32秒3というハイペースで逃げ、1分07秒1の好タイムで、2着ナックビーナスに1馬身1/4差をつけて完勝している。

 続くGⅠ高松宮記念(中京・芝1200m)では、勝ったミスターメロディから1秒7差の15着と大きく敗れたが、モズスーパーフレアは昨年の夏から連戦が続いていて、本調子ではなかったようだ。約5カ月の休養後、前走のGⅢ北九州記念(小倉・芝1200m)に出走。馬体重も26キロ増え、多くの競走馬がピークに達するとされる4歳秋を迎えていることもあり、大きな成長が見込まれる。

 北九州記念は、勝ったダイメイプリンセスから0秒3差の4着。いつものような逃げ戦法をとれずに3番手からの競馬となり、追われてからの反応も悪かったが、直線では一瞬だが先頭に立ち、ゴール直前までしぶとく頑張っていた。スプリンターズSをピークに仕上げているのは明らかで、本番前の試走としては十分な内容と言える。ひと叩きされ、状態を上げてくるのは間違いないだろう。

 血統を見ると、父スペイツタウンは2004年にGⅠBCスプリントを勝った世界トップレベルの快足馬。日本では、ダート1400mの日本レコードホルダーで、今年のGⅠドバイゴールデンシャヒーン2着のマテラスカイ、2016年に全日本2歳優駿を制したリエノテソーロなどを出している。

 欧州でも仏GⅠジャンプラ賞(2009年)のロードシャナキルを出すなど、芝、ダート問わず活躍馬を送り出している。父系を遡ると、スペイツタウンの祖父ミスタープロスペクターに辿り着くが、このスプリンターズSではミスタープロスペクター系が3連勝中。GⅠに昇格したあとの1990年以降で10勝と、サンデーサイレンスやロベルトなどのターントゥ系や、ノーザンダンサー系の5勝を大きく上回る最多の数字を残している。モズスーパーフレアは、コース実績、血統ともに申し分のない存在だ。

 もう1頭、このコースを得意としているのがディアンドル(牝3歳/栗東・奥村豊厩舎)で、昨年のOPクリスマスローズSなど2戦2勝。この馬は今年5月、3歳限定重賞の葵S(京都・芝1200m)を勝利。前走の北九州記念で2着に敗れて連勝が5でストップしたが、7戦5勝、2着2回と、極めて安定した成績を残している。

 スプリンターズSでの3歳牝馬の優勝は、1992年2番人気のニシノフラワー(馬齢の表記が変更される前)、2007年3番人気アストンマーチャンの過去2回。そのほか、2016年ソルヴェイグが9番人気3着、昨年のラブカンプーが11番人気2着と好走している。この4頭は、すべて前走では敗れており、アストンマーチャンも北九州記念6着からの参戦だった。ディアンドルの臨戦過程もとくに問題はなさそうだ。

 父ルーラーシップは菊花賞馬キセキなどの父であり、スプリンターの本馬は珍しい存在だが、父系を遡ればモズスーパーフレアと一緒で、ミスタープロスペクター系という血統。この秋、ルーラーシップ産駒はパッシングスルーがGⅢ紫苑S(中山・芝1800m)、リオンリオンがGⅡセントライト記念(中山・芝2200m)を勝つなど中山で好成績を残している。それらに続けるか注目だ。

 以上、今年のスプリンターズSは、ミスタープロスペクター系の牝馬2頭に注目したい。