秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)もいよいよ折り返しとなるきょう、早大は日体大と対戦した。序盤からなかなかリードを保てず苦しみながらもなんとか第1、第2セットを先取。しかし日体大の高さのあるクイックや巧みなスパイクに苦しみ第3セットを落…

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)もいよいよ折り返しとなるきょう、早大は日体大と対戦した。序盤からなかなかリードを保てず苦しみながらもなんとか第1、第2セットを先取。しかし日体大の高さのあるクイックや巧みなスパイクに苦しみ第3セットを落とすと、第4セットも先にセットポイントを握られ我慢を強いられる展開に。しかし、相手の隙を見逃さず最後は2本のブロックポイントで逆転に成功。セットカウント3-1(25-22、25-22、23-25、29-27)で勝利をつかんだ。

 早大のブレークポイントから幕を開けた第1セット。宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)の足の長いクロススパイクや大塚達宣(スポ1=京都・洛南)のキレのあるバックアタックで流れをつかみかけるものの、ブロックを利用した相手の巧みなスパイクになかなか対応できない。点差を開けずに迎えた終盤、先に主導権を握ったのは日体大だった。スパイクミスなどから3連続失点で18-20とされるとすかさずタイムアウト。苦手なローテーションだったが、ブロックワンタッチや後衛の大塚の献身的なスパイクレシーブで驚異的なつなぎを見せて見事に巻き返して食い下がる。21-20と逆転に成功すると、村山豪(スポ3=東京・駿台学園)や中村駿介(スポ3=大阪・大塚)が2本続けてスパイクをシャットアウト。相手の再逆転の芽を摘み、勢いそのままに第1セットを先取した。続く第2セットは序盤から2点差を追いかける展開に。しかし、集中力を切らさずに冷静なプレーを続けた早大に軍配が上がった。日体大のダイレクトスパイクをすかさずブロックで仕留めた村山のファインプレーで完全に流れをつかんで18-16と逆転に成功すると、勢いそのまま25-22で第2セットも取り、勝利に王手をかけた。


早大のアタッカー陣を牽引する宮浦

 第3、第4セットは試練の続くセットとなった。第3セットは序盤から早大のサーブミスが目立ち、なかなかブレークポイントを奪えない。しかし、この日好調だったブロックのワンタッチはしっかり機能し、特に堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)はセッターの中村に丁寧なパスを返し続けた。一進一退の攻防が続く中、早大の攻撃に対応し始めた日体大がレシーブ力を見せ始める。粘りを見せるシーンはあったものの、ミスが響き23-25で落としてしまう。第4セットはこれまで飛躍的な成長を遂げている吉田悠眞(スポ2=京都・洛南)のブロックポイントでスタート。8-4と一気にリードを奪うことに成功するも、日体大の主将仲本のサービスエースや西村の技ありスパイク、高さと速さのあるクイックで15-18と3点差に。ここでピンチを救ったのは武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)だ。コースを突いたサーブで2本のサービスエースを決めて19-18と4連続得点。「夏にサーブを強化してきたので、それを出せて良かった」(武藤副将)。ジュースにもつれ込み、先に相手にセットポイントを握られるも、これまで何度も苦しめられてきた日体大の時間差攻撃をまたも武藤副将が冷静にブロック。一気にマッチポイントをつかむと、最後も村山のブロックポイントで勝利を決めた。これで開幕6連勝と首位を独走し、後半戦へ弾みのつく結果となった。


サーブを放つ吉田

 昨年の秋季リーグ戦での日体大戦がよぎるのか、堅いプレーが見られる場面もあった。秋季リーグ戦は全日本大学選手権のシード順位に直結し、結果を占う重要な大会であることも踏まえると、プレッシャーを感じることもあるだろう。しかし、堀江主将率いるこのチームは、悪い雰囲気を打開する力を持っている。「つらいときこそ相手の目を見て」(中村)、強敵相手にも一丸となって勝ち進んでいきたい。

(記事 松谷果林、写真 萩原怜那)

※掲載が遅れて申し訳ありません。

セットカウント
早大25-22
25-22
23-25
29-27
日体大
スタメン
レフト 吉田悠眞(スポ2=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
コメント

堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

まあいいところ、悪いところありましたが結果的に勝ててよかったです。

―山場だと捉えられていたきょうの試合ですがどのような気持ちで試合に臨みましたか

ぼくは去年出ていなかったですが、やっぱり去年の秋で日体大に負けたということでそれぞれが色々な思いがありましたし、それプラス、リーグの中での山場ということもあってスタートはよかったのでそれぞれがいいアップなどができていたのかなと思います。

――ブロックフォローが良い印象でしたが、チーム全体のプレーはいかがでしたか

ぼくはそんな印象はなかったですが、きょうはディグとかもっと上がるボールも多かったと思うのでまだまだチームで出しきれてない部分があると思います。

――最終セットの終盤、競っていた場面ではどのような気持ちでいましたか

序盤で点差を離したのに追いつかれるのは僕らの悪いところでもあってそれもわかっていました。その気の緩みとかもあったと中で最後は武藤(鉄也、スポ4=東京・東亜学園)がいいサーブを打ってくれてぼくは点数を取ることができないので同じ4年生があのようなプレーで(チームを)勝負できるところまで持っていってくれたことはとても助かりました。そこでぼくも頑張らんといけんなとも思えました。なので4年生の中で相乗効果というかいいものがたまたまかもしれないですが出たのでそこでセットを取れた部分もあると思います。鉄也に感謝しつつよかった部分かなと思います。

――リーグ前半戦を終えてみてチームの状態はいかがですか

村本(涼平、法4=京都・洛南)に変わって吉田(悠眞、スポ2=京都・洛南)が入ったりしてそれぞれもともと出ているメンバーのストレスが悠眞が悪いとかではなくあった部分もありましたが、その中でも頑張ってなんとか勝てているので秋は勝つことも大事になってくるので勘違いはしたくないですがいい感じかなと思います。

――最後に後半戦へ向けた意気込みをお願いします

きょうみてわかったように早稲田に相手が向かってくるのは一昨年、去年先輩方が残してくれたものでもあると思います。なのでぼくたちも受けてたたずに攻めて先輩方の思いも背負って毎試合戦って行きたいと思います。頑張ります!

武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)

――きょうの試合を振り返って

きょうは相手も力があるチームなので苦しくなることは想定内でしたし、実際負け試合だったなと感じています。序盤良かったのに中盤で足踏みしてしまったところが良くなかったですね。気持ちの面も大きいとは思いますが、その部分をしっかり修正して気を引き締めてやらないといけないなと感じました。

――第3セットの敗因は

序盤良くなかったところもありましたし、追いつきかけたのにミスをしてしまったり、(ボールを)見てしまったりする部分があって。そういうところがやっぱりセットを取れなかった要因かなと思いました。

――第4セット中盤には雰囲気が日体大に傾きかける中で値千金のサービスエースを2本決められました

サーブはこの夏強化してきた部分だったので、実際あのサーブが入って得点になったのはたまたまだとは思いますが、練習の成果として出せたかなと。また、4年としてあのような良くない雰囲気を引き戻せたのは良かったです。今は涼平(村本、法4=京都・洛南)がいなくて、僕と友裕(堀江主将、スポ4=和歌山・開智)しかコートに立っていない状況で、友裕は試合中本当にたくさん声を出してくれて本当に助かっているので、僕は友裕とは違って冷静に相手の分析やブロックの指示出しなどプレーで引っ張っていきたいと思っています。友裕はプレーで貢献することがなかなかできない分、(今回は)僕がそれをやれたのが良かったかなと思っています。

――第4セットをジュースの末に勝ち切れた要因は

僕個人の考えとしては、(相手が)フェイントボールに逃げる、ちょっとしたミスをする、最後に決め切れないといった部分の差が出たのかなと思っています。最後僕が時間差のスパイクを止めたのと豪(村山、スポ3=東京・駿台学園)がマッチポイントで止めたので勝てましたし、やっぱり最後はブロックやディグから切り返しのブレークというのが重要になってきて、そこが勝敗を分けるポイントになりますよね。そこを早稲田は組織的にしっかり練習していますし、これからはディグの関係をもっとより強い形にしていきたいと思っています。相手のことを悪く言うつもりはありませんが、大事な場面でフェイントに逃げるのではなく、覚悟を持って打ち切ることが大切なのかなと思いました。

――来週に向けて

来週から上位戦が始まって、相手も強くなってくるのできょうのように苦しい展開が続くと思います。まずは気持ちの面で受けるのではなくそれをはね返すくらいの気持ちを持ちたいです。昨年の4年生もこういうプレッシャーを感じながら勝ち切ってきたと思うので、そこは見習うべきところだと思っています。こういうときだからこそ4年生を中心にチーム一丸となって戦えるようにしたいですね。来週の2試合が終われば2週間空くので、まずは来週の2試合にピークを持ってきて、1度休んで、そこからまた3戦というふうにチームの調子を上げていけるようにしたいと思っています。

中村駿介(スポ3=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返って

結果的に勝てたのは良かったですが、3セット目は出だしも悪くて自分たちの流れも作れなかったのが1つ反省点です。また、終盤のサーブでも大事な場面でミスをしてしまって。メンタル的な部分も多くあるのですが、もっとしっかり修正していかないとなと感じました。

――日体大と対戦するにあたり配球で意識したことはありますか

そこまで変えてはいないですね。自分たちのクイックからパイプを使ってサイドに展開する、というのは変わらず。ただ、河東選手(日体大)が前衛のときはその上から大塚に高さのあるスパイクを打ってもらう、要所要所であまり清朝の高くない西村(日体大)が前衛でかつ宮浦(健人、スポ3=熊本・鎮西)が前衛のときは宮浦にトスを上げるなどを考えていました。

――センターへのマークが厚い印象を受けました

そうですね。日体大のセンター2人はすごく動きが速いので、どうしても早大のセンターにコミットブロックでつかれてしまいます。ですがそれはそれで自分たちの作戦にはまっていると言えるので、センターをおとりにしつつパイプを使って、パイプを使ったら次はクイックへのブロックが薄くなる……というふうにうまく相手と駆け引きしながらできたので、作戦としては良かったです。

――第4セットの競り合いの中で勝てたポイントは

ジュースになって、最初は相手に1点差つけられてから最後に逆転というかたちだったと思うのですが、最後に1本(早大が武藤選手のブロックで)抜けた部分がありましたよね。あれでアドバンテージを取れた時点でいつかは勝てるなと思っていました。結局最後は豪(村山、スポ3=東京・東亜学園)が止めてくれましたし。サイドアウトさえしっかり取っていれば勝てると思っていたので自信を持ってトスを上げていました。やっぱり先にセットポイントを握られている時間は少し苦しかったです。

――来週に向けて

個人的にはまずサーブが全然だめだったので、それをもっともっと練習することですね、また、トスの面では、もっとクイックのコンビの精度を上げること、切羽詰まったときに打ちやすいトスというのを意識したいです。チーム的には第3セットに顕著に出たのですが、展開が悪くなったときのチームの回し方をもっと気を付けたいです。どんなときでもチームで戦っていることを意識して、仲間の顔を見て頑張っていきたいです。

大塚達宣(スポ1=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうでリーグが半分終わって前半の最終戦でもありリーグの山場でもありましたがそこに自分たちのピークを持っていくということが前半戦の戦い方だったと思うのでまず勝てたことはよかったと思います。試合としては良いところも悪いところも出た試合だった思います。

―良いところとは具体的にどのようなところですか

どのセットも競った場面が多かったと思うのですが1セットは取られましたがその中で勝ち切れたということは自分たちの強みでもあるかなと思います。

――悪いところは

特に取られたセットなのですが6人がひとつになりきれず個人で戦ってしまっている部分がありました。試合の中で悪い流れになるときは出てくると思いますがそのときにいかに乗り切ることができるかということが大事になってくるかなと思います。

――きのう、第1セット途中から試合に出られてなかった状態でのきょうでしたが準備は万全でしたか

きのうは自分の体調管理不足で外れることになってしまっていました。それは試合に合わすことができていない自分の不甲斐ないところで、チームに迷惑をかけてしまいました。でもその分代わりに重藤(トビアス、スポ1=神奈川・荏田)が頑張ってくれたのでよかったのですがきょうは自分がきのうあんまり動いてない分、おそらく一番元気なので一番動いて点を取ってやろうという気持ちで試合に臨みました。

――秋リーグではディグが好調な印象ですが何か意識はされていますか

春はやっぱり高校から上がってきたばっかりで大学のレベルに驚いてしまったこともあり様子を伺いながらというように自分らしいプレーをできていなかったです。秋になって大学バレーに慣れてはきましたが、まだまだチームとしてのブロックとディフェンスの関係上で(自分の)ディグがいいというよりはブロックの人がしっかりとした位置で飛んでくれているので自分も上がるボールが多くなっているのだと思います。でもその中でまだまだ上げられるボールもあるのでもっと上げないとあかんなと自分では思っています。話が飛び飛びになりますがレシーブからバックアタックという流れも大事ですし、前衛やったらレシーブしてから開いて打つということも大事なのでレシーブだけでなくその次の攻撃に自分も参加できるように意識しています。その中で少しずつですけど春よりはできるようになっていると思います。

――後半戦に向けて

後半はきょうみたいな一点勝負になる試合が多くなると思いますし、そのなかで練習というプレッシャーがかかっていない状態のときにも自分自身でプレッシャーをかけて頑張りたいです。