カッコいい体に欠かせない「シックスパック」。しかし、腹筋は簡単には割れません。体脂肪率や腹筋の筋肥大など、いくつかの条…

 カッコいい体に欠かせない「シックスパック」。しかし、腹筋は簡単には割れません。体脂肪率や腹筋の筋肥大など、いくつかの条件をクリアしなければなりません。今回は、シックスパックを目指す人に向けたポイントやトレーニング方法を紹介します。

シックスパックとは

 シックスパックとは、引き締まったカラダの象徴でもある、6つに割れた腹筋を指します。

・シックスパックを構成する筋肉は?

 シックスパックは、お腹の真ん中にある「腹直筋」という筋肉です。腹直筋は特殊な構造で、筋肉の間に“白線”と“腱画”と呼ばれる腱性線維が走行しており、それらによって筋肉が6つ(人によっては8つ)に分けられています。また、筋肉の分かれ方には個人差があります。綺麗に左右対称になっている場合もあれば、不対称になっている場合もあるでしょう。この分かれ方は生まれつきのものなので、シックスパック(もしくはエイトパック)の形はトレーニングによって変わることはないのです。

・腹筋は初めから割れている

 もし皆さんの腹筋が割れていないのであれば、それは腹直筋の上に蓄積している皮下脂肪が原因。皮下脂肪に埋もれて、筋肉が表面から見えていないのです。逆に痩せてカラダが細い人は、筋肉がなさそうにもかかわらずシックスパックになっているでしょう。なぜなら、皮下脂肪が薄いため。もともと腹筋は誰でも割れているので、皮下脂肪を少なくするだけでシックスパックになることが可能です。

シックスパックを作るための条件

 くっきりと分かれたシックスパックを作るには、いくつかの要素をクリアしなければいけません。

・体脂肪が少ない

 シックスパックを作るための一番重要な要素が、体脂肪率を落とすこと。体脂肪率が低くなるにつれて、シックスパックがよりくっきり表れてくるからです。男性の場合、腹筋が割れて見えるようになってくるのは【体脂肪率15%】を切ったくらいからでしょう。くっきりと割れたシックスパックを目指す場合、【体脂肪率10%以下】を目指すようにしましょう。

・腹筋に厚みがある

 ほかの筋肉同様、腹直筋も鍛えれば太くなっていきます。白線や腱画は変化しないので、筋肉が太くなれば境がはっきりとし、よりシックスパックを強調できます。体脂肪が少なくガリガリな男性は、シックスパックになっていることが多いのですが、腹直筋の厚みがなく貧相に見えてしまいます。体脂肪が少ないだけでなく、しっかり筋肉がついていることが、カッコいいシックスパックを作るうえで大切です。

シックスパックを作るポイント

 シックスパックを目指す際のポイントをいくつかご紹介します。

・まずは体脂肪を落とそう

 初めに行うことは、体脂肪を減らすことです。どんなに筋肉が肥大したとしても、筋肉の上に厚い脂肪がついていては、いつまでたってもシックスパックにはなりません。中には腹筋を割ろうと、腹筋運動だけ熱心に取り組んでいる人がいます。しかし、それは効率的ではありません。なぜなら、腹筋運動の消費カロリーは多くはないのです。シックスパックを作りたいなら腹筋運動だけでなく、全身の筋トレや有酸素運動を行いましょう。

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・体脂肪を蓄積させない食事方法をしよう

 体脂肪を減らすために、運動と並行して食事のコントロールも行いましょう。体脂肪率を減らそうと食事を抜く人がいますが、それはカラダづくりのために適切ではありません。食事を摂らずに体重を落とすと、体脂肪だけでなく筋肉も一緒に大きく減少させてしまうからです。一時的に体重や体脂肪が減るかもしれませんが、リバウンドが起こる確率が高くなります。

 基本はたんぱく質を中心に、糖質と脂質は控えめな食事を心がけること。体脂肪を減らす食事方法としては、食事内容の見直しのほか、食事回数を増やす方法があります。食事回数を増やすといっても、食事量を増やすわけではありません。3食で食べる量を4~6回に分けるのです。1回の食事量が減ることによって血糖値の上昇を抑え、体脂肪の蓄積を防ぐことができます。

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・腹筋を筋肥大させる

 皆さんは、腹筋運動を何百回も行っていないでしょうか。腹筋運動はほかのエクササイズに比べ、なぜか回数が重視されることが多いようです。しかし、その方法では筋肉は太くなりません。筋肉を太くするには、8~12回程度で限界になるような負荷設定が必要となります。何百回もできるような方法は、負荷が軽過ぎるため効率的ではないのです。よりシックスパックを際立たせるためには、適切な負荷で腹直筋のエクササイズを行いましょう。

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シックスパックを作る筋トレメニュー

 数ある腹筋のエクササイズの中で、シックスパックを作るオススメメニューを厳選して3つご紹介します。

・クランチ

1.仰向けに寝た状態で股関節と両膝を90度に曲げ、足を床から浮かせます。両手は胸の前で組むようにしましょう。

2.反動をつけずに上体を起こしていきます。

3.限界まで起き上がったら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

4.この動作を繰り返します。

・レッグレイズ

1.仰向けで寝たら足はまっすぐ伸ばし、手は軽く開いてカラダの横に置きます。

2.背中をしっかり床につけたまま、両足を床から少し浮かせます。

3.足を持ち上げ、床と垂直になるところまで上げていきます。腰が反って床から浮かないよう、また膝を曲げないように気をつけます。

4.足を垂直まで持ち上げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。戻した時も足を床から少し浮かせたままにしておきましょう。

5.この動作を繰り返します。

・ハンギングレッグレイズ

1.チンニングバーなどの頭上の高さで固定されたバーを両手で握り、ぶら下がります。

2.足を閉じて膝をしっかり伸ばしたまま、股関節から足を持ち上げます。両足を顔の前まで持ち上げる時、首を90度にしておくことを意識しておくと、動作中に膝が曲がってしまうのを防ぐことができます。

3.上げられるところまで持ち上げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

4.この動作を繰り返します。

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>