22日に決勝レースが行なわれたSUPER GT第7戦(宮城県・スポーツランドSUGO)。GT300クラスではシリーズランク首位のARTA NSX GT3の高木真一&福住仁嶺が優勝し、タイトル獲得に向けて前進した。

またもや雨絡みのレースにはなったが、今回のSUGO戦に関しては、前戦オートポリスほどの混乱はなかったといえる。そのなかでGT300クラスの戦いを制したのは、予選2位だった#55 ARTA NSX GT3(高木真一&福住仁嶺/タイヤはブリヂストン=BS)。ドライバーズポイントリーダーが待望のシーズン初勝利をあげ、王座に向けて近づいた。

タイヤ選択微妙だったスターティンググリッドで、#55 NSXはレインタイヤを選択。一方でその前後のマシン、ポールの#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/ダンロップ=DL)と予選3位の#25 HOPPY 86 MC(松井孝允&佐藤公哉/ヨコハマ=YH)はスリックをチョイスしたと見られ、この段階で勝負の流れは(結果論ベースにはなるが)大きく#55 NSXに傾いていたといえる。

レース中盤であったセーフティカー(SC)導入の前にルーティンのピット作業へと入れていたことも奏功したといえ、楽勝とまでいえる展開ではなかったと思うが、#55 NSXは好内容で見事に今季初勝利を手にした。

「ポールのスバル(#61)と3番グリッドの25号車がスリックを履いていたので、このまま雨が降り続けばマージンができるとは思っていました。ただ、まだ小雨でしたし、走行ラインにはドライのところもあったので、序盤は後ろとの間隔を見ながらタイヤをいたわって走り、その後でフルプッシュしました」と語るのは、レース前半を担当したベテランの高木。冷静な走りでアドバンテージを築いた。

そして後半を受け持ったのが若手気鋭、GT300フル参戦は今季が初の福住である。「高木さんが(前半に)うまくレース運びしてくれました。代わった当初はタイヤの温めにちょっと苦労して、そのあと燃費を気にする必要もあったんですけど、それが大丈夫となってからはフルに(プッシュして)走っていけて、無事にクルマをゴールまで運んで優勝することができました」と振り返り、「僕にとってGT300での初優勝。素直に嬉しく思いますし、チームに感謝したいです」と喜びを語っている。

GT300クラスのドライバーズポイントリーダーとしてこのレースに臨んだ#55 NSXのふたりだが、これが今季初優勝。ランキング2位を14.5点離しての最終戦もてぎ(原則全車ノーハンデ)臨戦となり、かなり有利な立場となっている。

今回のSUGO戦のGT300クラス決勝2~6位は以下の通り。

2位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)
3位 #96 K-tunes RC F GT3(新田守男&阪口晴南/BS)
4位 #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥&菅波冬悟/BS)
5位 #56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴&S. フェネストラズ/YH)
6位 #33 エヴァRT初号機 X Works GT-R(S. トン&道見真也/YH)

ポール発進だった#61 BRZは決勝28位完走扱い、予選3位だった#25 HOPPY 86 MCは同27位。

そしてGT300クラスのドライバーズタイトル争いは以下の4陣営に数字的可能性が残される状況となった。

61.5点/#55 高木&福住(NSX/BS)
47点/#96 新田&阪口(RC F/BS)
41.5点/#4 谷口&片岡(メルセデスAMG/YH)
41点/#56 平峰&フェネストラズ(GT-R/YH)

最終戦で獲得できる最大得点が21なので、首位から20~20.5点差である#4と#56の逆転は現実味が薄いだろう。#96も最低限2位が必要であり、#55のリードは大きいといえる。

ただ、#55 陣営と高木は昨年も大量リードで最終戦に入りながら逸冠しているだけに、高木と福住はここであらためて気を引き締めて最終戦に向かう決意を語っている(昨年の#55 陣営のマシンはBMW)。仮に#96 RC Fがポール・トゥ・ウインした場合でも、#55 NSXは決勝4位で逃げ切れる計算だ。この優位をいい意味での余裕に結びつけられれば、タイトルを手中にできるはず。さて、どうなるだろうか。

注目のSUPER GT最終戦もてぎは11月2~3日に開催される。