全日本ラリー選手権第8戦ラリー北海道はSS8までを終え、新井大輝/小坂典嵩が総合首位に立ち、ラリーをリードしている。2番手には新井敏弘/田中直哉、3番手には鎌田卓麻/鈴木裕と、スバル勢が上位を占める活躍を見せている。 9月20日(金)にス…

全日本ラリー選手権第8戦ラリー北海道はSS8までを終え、新井大輝/小坂典嵩が総合首位に立ち、ラリーをリードしている。2番手には新井敏弘/田中直哉、3番手には鎌田卓麻/鈴木裕と、スバル勢が上位を占める活躍を見せている。

9月20日(金)にスタートしたラリーは、初日に札内川河川敷でのSS1を行い、2日目の21日(土)から本格的な林道SSに挑むかたちとなる。いくつかのクラスでチャンピオンが決まるなか、タイトル争いの残るクラスにとってはシーズン終盤に向けて落とせないラリーと言えるだろう。

8SS中5SSを制した新井大輝がトップに立つJN1クラスは、上位5台までをスバル勢が占めている。新井大輝はオープニングステージとなるSS1を制し好スタート。SS2では鎌田が逆転するが、すぐさまSS3の一番時計で首位の座を取り返し、SS4でも連続ベストタイムをマークしてみせた。その後もSS6、SS7を制するスピードを見せてリードを築いていく。最後のSS8は奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)がベストタイムを刻んだものの、奴田原は途中のアクシデントで順位を落としており、新井大輝の首位は揺るがない。結果、2番手の新井敏弘に15.4秒、3番手の鎌田に25.7秒という差を築いている。
新井大輝は「SS4のジャンプで飛びすぎて、背中が痛かったです。2本目の陸別でミスがあった以外は、悪くない走りができました。明日もこのアドバンテージを維持できるように頑張りたいと思います」と翌日に向けての意気込みを語った。

JN2クラスは眞貝知志/箕作裕子(トヨタ・ヴィッツGRMN)がリードを拡大。2番手には中村英一/大矢啓太(トヨタ・ヴィッツGRMN)、3番手には鷹野健太郎/ウシニナ・ヤナ(トヨタGT86 CS-R3)がつけている。選手権で逆転を目指す上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)はSS1で首位を獲ったものの、序盤でマシントラブルに見舞われ大きく後退。眞貝は粛々としたペースでラリーをリードし、2番手の中村に対し3分以上の差を築いてみせた。
眞貝は「上原選手が残念な結果になってしまったので、僕らは僕らの与えられた仕事をやるということだと思います。とにかく完走することですね。明日は道の状況が変わりますが、気を抜かないようにしたいです。良い方向性はつかみ始めていますが、自分をしっかり抑える必要があると思います」と明日に向けての展望を語っている。

山本悠太/山本磨美(トヨタ86)がチャンピオンを決めたJN3クラスは、山本が曽根崇仁/木村裕介(トヨタ86)を2番手、鎌野賢志/蔭山恵(トヨタ86)を3番手に従えてリードを拡大。ロングSSのSS6、SS7では総合9番手タイムをたたき出すスピードをみせた。
山本は「リタイアする車両も多かったので、帰ってこられてホッとしています。曽根選手にトラブルがありましたが、僕たちのクルマにかなりダメージがきています。攻める場所と抑える場所のメリハリが本当に難しいです。そのあたり、まだ経験不足を感じています。明日はマージンを使って走る必要があります」と、ペース配分の難しさを語った。

JN4クラスでは古川寛/大久保叡(スズキ・スイフトスポーツ)がリード。2番手には小倉雅俊/平山真理、3番手に山口貴利/山田真記子のダイハツ・ブーンX4が2台続く展開となっている。シリーズチャンピオンを狙う地元関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)がコースアウトを喫し、続いてクラス2番手につけていた香川秀樹/古川智崇(ホンダ・シビック・タイプR)も脱落。古川をダイハツの2台が追う展開となった。
古川は「無事に戻ってこられて良かったです。安全と安定をモットーに走りました。今回は安定したペースの割に、タイムが出ています。明日も長いので、しっかり走り切るまで油断はできないと思っています。貯金を利用しつつ、しっかりマージンを取って走るつもりです」とコメントしている。

石川昌平/竹藪英樹(トヨタ・ヴィッツGR)が首位を走るJN5クラス。2番手には小川剛/佐々木裕一(ホンダ・フィットRS)、3番手にはすでにJN5クラスのチャンピオンを決めている天野智之/塩田卓史(トヨタ・ヴィッツGR)がつけている。序盤リードを築いた天野はSS5でパンクに見舞われ大きくタイムロスを余儀なくされることとなった。
首位の石川もSS7で右リヤをパンクしたものの、その後のリエゾンで交換しことなきを得た。「首位にはいますが、それを意識せず淡々と走ろうと思います。明日も集中して、しっかりドライブします」と、気を引き締めた。

JN6クラスはチャンピオンを決めた大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)が大きくリード。2番手には中西昌人/福井林賢(マツダRX8)、3番手に水原亜利沙/加勢直毅(トヨタ・ヴィッツCVT)という順位になっている。大倉が貫録をみせてラリーをリード、SS8以外のすべてでベストタイムをマークする快走。
大倉は「ラリー北海道はやっぱり難しいですね。車速が高いし、ウエットも絡んで、本当に走り応えがあります。完走第一で無理をしていませんが、今回のためにチームが入れてくれたものを確かめながら走るには、きちんとしたペースも必要です。明日は路面がスムーズですし、これからバネのセットを変えるので、それが当たるといいですね」と明日への展望を語っている。

RALLY HOKKAIDO 全日本ラリー選手権 SS8終了時点結果
1. 新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI) 1:10:31.3
2. 新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI) +15.4
3. 鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI) +25.7
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9. 古川寛/大久保叡(スズキ・スイフトスポーツ) +10:33.5
10. 山本悠太/山本磨美(トヨタ86) +10:39.8
12. 眞貝知志/箕作裕子(トヨタ・ヴィッツGRMN) +11:43.7
14. 大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT) +11:59.2
15. 石川昌平/竹藪英樹(トヨタ・ヴィッツGR) +12:26.1