東京六大学野球秋季リーグ戦 第2週 立大1回戦
2019年9月21日(土)
神宮球場

開幕2連勝で最高のスタートを切った法大。間を空けることなく、今回の第2カードでは昨季2連敗を喫した相手・立大と対峙した。試合は立大・田中誠也と法大・朝山広憲(法4)の両先発が圧巻の投球を披露。早大戦と同じく、投手戦が繰り広げられた。しかし、7回に現在好調・毛利元哉(法4)の適時三塁打で均衡を破った法大。8回に失点を喫し、開幕からの連続イニング無失点は25で止まったものの、最少失点で抑え、2—1で勝利。見事立大相手に先勝した。

8回途中1失点と先発として圧巻の投球を見せた朝山

戦評

先週、見事な継投策で早大から勝ち点を奪い、好調な滑り出しを見せた法大。今週のカードは昨季連敗した立大だ。春のリベンジを果たすと共に、先週の勢いのままさらなる勝ち点奪取を目指した。

法大の先発は昨季8試合に登板した朝山広憲(法4)に託された。春の防御率は9.82と朝山にとって苦しいシーズンだったが、今日の試合では140㌔を超える直球を低めに集め、4番・山田健太をわずか4球で三振に打ち取るなど、好投を見せる。法大は守備も光り、5回終了時まで立大に出塁を許さない。一方、立大の先発は昨季最優秀防御率のタイトルを獲得した立大不動のエース・田中誠也。法大打線は粘りを見せるものの、なかなか田中誠を攻略することができず無安打に抑えられる。

『先制点』非常に大きな意味を持つ今日の試合で、先に先制のチャンスを迎えたのは法大だった。5回裏、福田光輝(人4)が左翼線二塁打で両チーム通じての初出塁を果たすと、続いて毛利元哉(法4)が中前打で1死一、三塁と好機を作り出す。しかし、安本竜二(営4)が二ゴロ、続く相馬優人(営4)が一ゴロに倒れ、このチャンスは惜しくも逃す。

しかし、7回裏、再び法大に好機が舞い降りる。伊藤寛士(文4)が、しぶとく粘り、四球で出塁すると、福田が左中間二塁打で1死二、三塁と5回裏に続き得点のチャンスを作る。ここで迎えるは現在好調の6番・毛利。簡単に追い込まれたものの、甘く入ってきた直球を捉え、これが右中間適時三塁打に。伊藤と福田がホームに生還し、法大が待望の先制点。貴重な2点をスコアボードに刻み込んだ。

右中間へ先制となる適時三塁打を放った毛利

2点の援護を貰った朝山。しかし、8回表に5番・江藤勇治に二塁打を許す。続く金川大祐を右飛に打ち取るが、ここでマウンドを降り、次にマウンドを託されたのは新井悠太朗(営4)。2死三塁とした後、代打・伊藤智也に安打を許し1点を返されたが、その後は三振に打ち取り、最少失点に抑えた。

新井は8回を最少失点で切り抜けた

このまま逃げ切りたい法大は最終回に三浦銀二(キャ2)をマウンドに送り込む。三浦は投ゴロ、投ゴロ、右飛としっかり立大打線を封じ、1点差の緊迫した試合を締めくくった。先週の早大戦に続き投手陣の好投が光り、勝利を収めた法大。春の課題でもあった守備でも好プレーが次々に見られ、『守り勝つ野球』を見せた。開幕3連勝と衰えることを知らない勢いのまま、明日、立大からの勝ち点奪取にチーム全員で挑む。
(山岡菜月)

クローズアップ:毛利元哉

「とにかく『勝ちたい』という思いが強い」。試合後、勝利の余韻に浸りながらも、毛利はただ静かに次を見据え、呟いた。

昨季、毛利はどん底にいた。開幕から5番に座ったが、10打席以上安打が出ず、チームに貢献できない日々。慶大3回戦で本塁打を放ち、きっかけをつかんだかと思われたものの、その後も調子は上がることなく、終わってみれば春季リーグ戦で放った安打はたったの2本。リーグ戦終盤ではベンチさえも外れていた。「途中からどうしていいかわからないような感じ」。そう昨季を振り返っていた。

そんな昨季を終え、今季の開幕前は「最後のリーグ戦こそは、自分が『試合を決める一打』というのを打ちたい」と、力強く語った。その言葉通り、今季は最高の滑り出しを見せる。開幕2戦目で3安打を放つと、今日の試合では7回に待望の先制点をもたらす右中間適時三塁打。それがそのまま決勝点となり、目標としていた『試合を決める一打』となった。昨季の不振が影響してか、オープン戦では先発起用されることも少なくなっていた毛利だったが、与えられた少ない打席でそのチャンスをものにし、今、毛利は左翼手のレギュラーをつかみつつある。

「とにかく『勝ちたい』という気持ちが強い」。現在の心境をこう語った毛利。全く打てず、苦しんだ昨季の悔しさは、自身がただ打てなかったという悔しさではなく、チームを勝たせられなかったことに対する悔しさだった。だからこそ、毛利は今季の目標を、チームの勝利に直結する『試合を決める一打』にこだわっていた。

自身の状態や、調子云々ではない。『勝ち』に向かってひたむきとなるその執念が、ラストシーズンを迎えた男の『覚悟』と相まって、現在、最高の結果をもたらしている。とにかく目の前の試合に、目の前の打席に、一生懸命に。優勝に向けた長い戦いに向け、昨季のうっ憤を晴らすように、毛利元哉はこれからも無心でバットを振る。法大の『勝ち』はこの男が呼び寄せてくれる。
(山﨑有馬)

選手インタビュー

福田光輝 主将

—今日の試合を振り返って
なんとか野手も投手陣も粘りながらピンチしのいでいけているので、本当にみんなの力で勝てている感じです。

—昨季は立大に対し2連敗でしたが、対策などは
春に2連敗という結果になっているので、なんとか強い気持ち持って一つ一つ確認しながらやろうということで練習してきました。

—投手戦の中、両チーム合わせて最初の安打を放ちました
両チーム、ヒットが出ていないとわかっていたので、自分がなんとか最初の1本目を出してやろうという気持ちで打席に入りました。

—マルチ安打となりました
これからもなんとかチームの勝利に貢献できるように塁に出たり、つないだり、点を挙げたり、ワンプレーワンプレーを頭整理してできたら良いなと思っています。

—明日に向けて
強い気持ちを持って、春にやられている分、それを取り返せるように準備していきたいなと思います。

新井悠太朗 投手

—今日の試合を振り返って
先週同様、厳しい試合でしたけど、今日はチーム全体で粘りきれたので、それは良かったです。

—イニング途中の登板でした
強い気持ちで臨みました。

—登板直後右打者との対戦となりました
オープン戦から右打者とかも関係なく投げているので、問題なかったです。

—投手陣が絶好調
雰囲気は1番良いです。

—春連敗した立大相手でしたが、ゲームプランは
相手の田中(誠也)からはなかなか点が取れないと思うので、ピッチャー陣が粘って、ワンチャンスをモノにして、理想的な形で進んでいたと思います。

—明日への意気込み
明日で決めて、明治、慶応と勝って優勝を目指したいと思います。

伊藤寛士 捕手

—今日の試合を振り返って
朝山(広憲、法4)があそこ(8回途中)までしっかり投げてくれたので、こういうゲームにすることができたと思います。

—どのような配球をしようと試合に臨んだ
あまり(早大戦から)変えることなく、こっちの有利な強い球とか、得意な球を中心にやっていこうかなと思って臨みました。

—7回、打席に入る前に青木監督に声をかけられていました
前の打者が宇草(孔基、営4)だったので、「ヒットが出たらつないでいくぞ」という感じですね。

—その打席で四球を選び、毛利選手の適時三塁打で先制となるホームを踏みました
なんとか球数を多く投げさせれば四球が取れると思っていたので、ツーストライクに追い込まれてからはとにかく甘い球以外は粘っていこうと思いました。

—朝山投手が好投を見せました
ストレートが良くて、それを中心に押していけたので。変化球が良くない部分もあったんですけれど、それをカバーできるような真っすぐだったので良かったです。

—3試合を終えて投手陣が1失点、伊藤選手の働きも大きいと思います
(自分の)要求した通りに投げているのは投手なので、しっかり投手陣が投げてくれているかなと思います。

—明日の試合に向けて
点を取られなければ負けることはないと思うので、今日みたいなロースコアの展開になると思うんですけれど、バッテリー中心に粘っていけたらなと思います。

相馬優人 内野手

—今日の試合を振り返って
勝ち点を取る大事な試合の中で、粘り強くチーム全員の結束の力と良い流れで勝てて、明日にもつながる試合だったのかなと思います。

—先週、早大から勝ち点を得てチームの雰囲気は
勝ってとてもいい雰囲気なんですけど、その中でもまだ課題がいっぱいありました。みんな満足することなく、締まった気持ちで日々の練習ができていて、とても良い雰囲気です。

—先週、自身の打撃が好調でしたが今日のコンディションは
悪くはなかったんですけどチャンスで打席が回ってきて、なんとか決めようという気持ちが先行しすぎたのかなと思います。コンディション自体は全然悪くないので、明日にもつながってくると思います。

—チーム全体で守備が今日も光りましたが、夏の成果が出ていると感じますか
そうですね。今季は見てわかると思うんですけど、守備でミスがなく、そういうのが打撃にもつながっているので、夏の成果は出ています。

—明日に向けての意気込みをお願いします
帰ってからまだ時間はあるので、しっかり振り返って明日につなげたいと思います。

札葉弘樹 外野手

—今日の試合を振り返って
早稲田戦からすごくピッチャーが粘り強く投げて、野手はワンチャンスをものにするという厳しい試合ですけれども、それを勝ちきれているので良い流れかなと思います。

—代打で出たときの心境は
立教のピッチャーが中川(颯)投手に代わって、次がピッチャーの打順だったので、代打の準備はしっかりできていました。周りの声だったり応援が聞こえていたので、冷静に打席に入ることができて良かったです。

—安打を打ったときの感触は
神宮で初めてのヒットだったので、すごくうれしかったです。ファールの感じが良かったので、打った感触も良かったです。

—投手戦が続く中でのベンチの雰囲気は
ベンチで常に4年生が中心となって声を出して、チームの士気を高めるというのは、自分達で意識してやっています。雰囲気を良く、4年生を中心にできていると思います。

—得点を入れた後のベンチの雰囲気は
やっぱり点が入ったときは盛り上がりますけど、一喜一憂しないでやっていくのを毎試合テーマにしています。点を取った後でもしっかり落ち着いて、次の回に守ることを意識してやれています。

—明日の試合に向けて
本当に全勝を目指してやっていますし、2戦目も飛ばすっていうのはキャプテンからも毎回声に出して言われているので、明日も絶対勝って、一戦一戦を優勝につなげていきたいと思います。

毛利元哉 外野手

—今日の試合を振り返って
やっぱり、良いところで打てて、それで勝てたので、本当に良かったなと思います。

—1本目の中前打を振り返って
あの打席は先に福田がツーベースで出ていて、ここでやっとチャンスができたと思って、自分が返してやろうという気持ちで打席に入りました。結果、センター前にはじき返せたので、良かったなと思いました。

—そして、7回の打席で先制打を放ちましたが、打席に入る前は監督からどのような話を
そうですね。ピッチャーが代わって、(間ができて)監督と話したんですけど、自分が「相手ピッチャーは真っすぐ中心だと思うので、ストレートを待って打ちます」と言いました。そうしたら、(監督から)「じゃあそれで絞って、強気でいけ」と言われました。

—初球、2球目と良いコースに投げ込まれ、追い込まれました
簡単に追い込まれてしまったので、どうにか、「強く打とう」という。強い打球を打てるように振ろうと思いました。その結果が良い形で打てたので良かったです。

—その結果三塁打となり、塁上で大きなガッツポーズをされました
そうですね(笑)。(ガッツポーズは)不意に出たというか、やっと点が入ったという喜びと、自分が打てたという喜びから、ああいう感じになりました。

—苦い思いをした昨季とは裏腹に、今季は良いスタートが切れています
チーム云々とかではなくて、とにかく「勝ちたい」という気持ちが強いんです。結果がその気持ちに伴っていて、良いなと感じています。

—次戦に向けての意気込みをお願いします
明日も必ず勝って、2タテでしっかり(カードを)終われるように頑張ります。

フォトギャラリー

8回途中1失点と先発として圧巻の投球を見せた朝山
福田は今日もマルチ安打を放ち、好調を維持
安本は好機で三振に倒れてしまった
この3試合で1失点という結果は捕手である伊藤の働きがあってこそだ
毛利の適時打で生還した福田
2番手で登板した新井
札葉は代打で出場し、リーグ戦初安打を放った
今日も最後を三者凡退で抑えた三浦