写真=FIBA.com

ガン患者と家族が過ごせる新たな施設設立に協力

バスケワールドカップでスペインの優勝に貢献し、大会MVPを受賞したリッキー・ルビオは、3年前に母親を肺ガンで亡くした。優勝後のインタビューでも、このように最愛の母への思いを語った。

「僕は3年前に母を亡くしている。母はずっと僕の後ろにいて、ベストを出し尽くせ、って毎日背中を押してくれる。母よりも僕のことを愛してくれる人は世界中を探したっていない。いなくなっても、感じられる。僕は彼女が母親であることを誇りに思っているし、だからこそ進み続けるんだ」

中国での大会終了後スペインに戻ったルビオは、バルセロナにあるデシェウス大学病院内に、ガン患者と家族が過ごせる新たな施設をオープンさせたことを発表する会見に出席。新施設の立ち上げには、ルビオの財団リッキー・ルビオ・ファウンデーションが資金面で協力している。

会見には、ルビオとともに今回の施設オープンに尽力し、同じくスペイン代表としてワールドカップに出場したビクトル・クラベールも同席。クラベールもまた、2011年に父親をガンで亡くしている。新たな施設は、クラベールの父親を称える形で、『ハビエル・クラベール』と命名された。

ルビオは「今回の施設設立は、僕にとってワールドカップで優勝することよりも大きな夢だったよ」と語った。そして施設を作った理由についても、次のように述べた。

「母はアメリカで放射線治療を受けた。病院が、ガン患者のしあわせのためにやれることは限られているし、僕も病室で母とたくさんの時間を過ごした。でも今日は、この場所が病室、待合室のようには感じられないよ。この施設は、そういったところと離れるためにあるからね。少しでも楽しい時間を送れる方が良いはずだから」

この施設は複数のエリアに分かれ、リラクゼーション、読書スペース、患者と医師が対話するスペースなどが設置されているという。

病気の母親と接した経験から、ルビオはガン患者のためにやれることを模索し、この施設の立ち上げに協力した。「きっと母も、ワールドカップ優勝より、この施設をオープンさせたことを誇りに思ってくれるよ」

これからもルビオは、ガンに苦しむ患者のためにできる活動を続けていくだろう。バスケットボール選手としても、そして人間としても成長し続けている彼の行動は、称賛に値する。