朝から強い雨が降り続いた9月16日。東京ミッドタウン日比谷6階のBASE Qでeドラフト会議が開催された。 

eドラフト会議の会場。12球団関係者やマスコットキャラクターが集まった。

 eドラフト会議の開会が近づき、候補選手は続々と控え室へ集まってきた。初対面の挨拶を交わしたり、久しぶりの再会を喜んだりと会議が始まるまでの候補選手控え室は比較的和やかな雰囲気だったように思う。しかしeドラフト会議の開会が宣言されると一瞬で緊張感が張り詰め、候補選手は控え室のモニターで流れる配信の映像を固唾を飲んで見守っていた。 

 

「第1巡選択希望選手、東京ヤクルト…」 

 

 少し間が空く。候補選手は息を殺してモニターを見つめる。 

 

「大川泰広」 

 

 発表と同時に候補選手からは歓声と拍手が起こる。西武が4巡目、最後の28人目を指名するまで、この流れは変わらなかった。 

 続く中日の1巡目。まさかここで私の名前が呼ばれるとは思わなかった。子どもの頃から応援していた中日から指名されたら嬉しいだろうと思っていたが、予想もしていなかった順番での指名で驚きの方が強かった。多くの有力選手を選ぶことができる1巡目で指名していただいたことを光栄に思う。 

 eドラフト会議は2巡目、3巡目へと指名は進んでいく。昨年と違い、今年は指名されない候補選手も出てくる。指名が進むにつれて控え室の空気は少しずつ重くなっていった。徐々に残りの枠も少なくなっていく中で、4巡目は指名を受けて安堵感を抑えきれず涙を流す選手が多かったことが印象に残っている。 

 eドラフト会議が終わった瞬間、指名がなく泣き崩れる選手の姿もあった。いつ指名されてもおかしくない実力の持ち主が揃っていただけに、心苦しい気持ちになった。指名されたことが納得されるように、中途半端なプレーは許されない。彼らがまたこの舞台を目指そうと思える場所となるよう、eBASEBALLプロリーグを盛り上げていくことも選手としての使命だと感じている。 

 少しだけ私が指名された中日ドラゴンズにも触れていこう。私以外に指名された3名の選手は20歳前後の若い選手ばかり、中でも3巡目で指名を受けた新井選手は現役の高校生だ。さらに12球団の中で中日だけが昨年のプロリーグを経験している選手がいない。他球団と比べると実力は未知数のチームだが、台風の目となるようなチームとなって戦っていきたい。 

 

 eドラフト会議の数日前、昨シーズンの中日ドラゴンズを背負って戦ったふが選手が自身のブログでeドラフトの指名予想を綴っていた。そこには各球団の予想選手名と予想についてのコメントが記されていた。中日の指名予想に挙がっていた名前は私の名前。そのあとに続いていたコメントの初めの一言は強烈に私の心に刻まれた。おそらく今シーズンはどんな場面であっても、その一言が私を奮い立たせてくれるだろうと思う。2年前の大会で戦ってから私が背中を追いかけた選手、そして昨シーズンを戦った同じチームの先輩からの置き土産だと思って受け取りたい。 

 

お前以外に誰がいるんだよ、やってやれ。 

 

 eBASEBALLプロリーグ、開幕は11月3日だ。

2019シーズンを戦う48名の選手たち。その一員として私も戦うことになった。

文・菅原翔太(eBASEBALLプロリーグ2019シーズン中日ドラゴンズ代表選手)