屈辱的な試合となった。東京六大学秋季リーグ開幕戦を落とした早大は、前日に引き続き法大と対戦。先発の徳山壮磨(スポ2=大阪桐蔭)が序盤から丁寧な投球で粘り6回2失点と好投するも、加藤雅樹主将(社4=東京・早実)を中心とする主軸が得点の好機で相…

屈辱的な試合となった。東京六大学秋季リーグ開幕戦を落とした早大は、前日に引き続き法大と対戦。先発の徳山壮磨(スポ2=大阪桐蔭)が序盤から丁寧な投球で粘り6回2失点と好投するも、加藤雅樹主将(社4=東京・早実)を中心とする主軸が得点の好機で相次いで凡退し、2試合連続の零封負けで勝ち点を逃した。

先発マウンドに上がったのは徳山。昨季抑えを任されていた右腕は3季ぶりの先発登板だったが、序盤から丁寧にコーナーを突く投球で法大打線を寄せ付けない。「自分の真っすぐを武器にした」(徳山)と、140キロ台後半の速球を中心に凡打の山を築いた。しかし5回、先頭から連打を浴びると、前日3安打と好調の相馬優人(4年)に右翼線への適時二塁打を放たれ失点する。さらには1死二、三塁となり、次打者の内野ゴロを前進守備の二塁手・吉澤一翔(スポ3=大阪桐蔭)がファンブル。打者はアウトにし失策とはならなかったが、手痛い追加点を許した。徳山は6回を投げ、球数98球6奪三振の2失点。先発の役割を十分に果たした。その後は、連投の今西拓弥(スポ3=広島・広陵)と今季から抑えを任される柴田迅(社3=東京・早大学院)が無失点の好救援。安定感が光った。

6回2失点の徳山。先発の役目は十分に果たした

打線は深刻な貧打にあえいだ。初回に1死満塁と絶好の先制機を迎えるも、5番の檜村篤史副将(スポ4=千葉・木更津総合)が二ゴロの併殺打。ベンチに不穏な雰囲気が漂うと、その後もなかなか走者を出せないまま試合終盤を迎える。ようやく7回に2死一、二塁の好機を迎え、この日コンディション不良でスタメンを外れていた瀧澤虎太朗(スポ3=山梨学院)を代打に送り勝負に出る。しかし空振り三振に倒れ、期待に応えられない。極めつけは2点ビハインドで迎えた8回。代打・佐藤純平(社4=東京・早実)のリーグ戦初打席初安打を皮切りに、中川卓也(スポ1=大阪桐蔭)の技ありプッシュバントに失策が絡み、無死二、三塁とこれ以上ない同点機をつくる。しかし、クリーンアップの福岡高輝(スポ4=埼玉・川越東)、加藤、檜村の4年生が三者連続で凡退し、まさかの無得点。法大の豊富な投手陣を前に、2試合連続で本塁を踏めず敗戦した。

8回の好機で右飛に倒れ、天を仰ぐ檜村

優勝を掲げて挑んだ今季。その開幕カードで痛すぎる連敗を喫し、勝ち点を落とした。それでも、前日7回1失点のエース早川隆久(スポ3=千葉・木更津総合)、この日2失点の徳山ら投手陣は確実に力を発揮している。しかし、あと一本が出ない打撃陣があまりにもふがいない。早くも優勝には黄信号が灯ったが、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)は、「別のチームに生まれ変わるくらい、劇的に変えてみせる」と次カードの明大戦に向けて決意をあらわにした。その言葉を信じたい。

(記事 吉岡拓哉、写真 柴田侑佳、江藤華)