先々週開幕を迎えた関東大学秋季リーグ戦(リーグ戦)。早大は今年から1部リーグTOP8に昇格してきた東大との一戦に挑み23-10で勝利を収めた。上々の滑り出しとなったリーグ戦。春シーズン、そして夏合宿などを経て多くの選手が成長した姿を見せた…

 先々週開幕を迎えた関東大学秋季リーグ戦(リーグ戦)。早大は今年から1部リーグTOP8に昇格してきた東大との一戦に挑み23-10で勝利を収めた。上々の滑り出しとなったリーグ戦。春シーズン、そして夏合宿などを経て多くの選手が成長した姿を見せた。そんな中でも、今年から出場機会を増やし、開幕戦のスターターに名を連ねた2人のRBがいる。RB広川耕大(社3=東京・早実)、RB吉澤祥(スポ2=東京・成蹊)。東大戦では合計169ヤードのラッシングヤードを記録した2人のRBが、持ち前の思い切りのを武器にTOP8のカベを突き破る。


※この取材は9月6日に行われたものです。


「とりあえず思いっきりやるというのをテーマに」(吉澤)


公式戦初出場となった東大戦について振り返る吉澤選手

――先日の東大戦についてから伺っていきます。リーグ戦の開幕戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

吉澤 僕は公式戦に出るのが初めてでした。春シーズンは試合に出させてはもらっていたんですけど、1本目ではなかったので、今回は1本目というところでとりあえず思いっきりやるというのをテーマにしていました。それができなかったら練習でやってきたことが発揮できないと思ったので、まずは思いっきりやることをテーマにしてプレーしました。

広川 僕も吉澤と同じなんですけど、うまくやろうとせずにとにかく思いっきりやるというのをテーマに掲げて東大戦は挑んだので、うまくゲインしてやろうとかではなく、練習でやってきたことを出そうと思って挑みました。

――RBユニットやオフェンス全体での目標はありましたか

広川 今シーズンは全試合のアベレージで40得点取るという目標を掲げているので、そこを達成するようにというのがオフェンスユニットにはあったなと思います。

――試合内容としては苦戦した展開でしたが、東大ディフェンスの印象としてはいかがでしたか

吉澤 教えられたことをしっかりとやってくるというイメージでした。早稲田がどれだけプレーを出してもこっちのペースに乱されずに、自分たちのやることはやってくるという印象でしたね。

広川 さすが東大といった、頭脳を使ったプレーが多かったですね。後半からプレーも読まれはじめてアジャストしてきたので、さすがだなと。頭脳が違うなと思いました。

――そんな中ですが、広川選手が55ヤード1TD、吉澤選手は114ヤードというラッシングヤードを記録しましたが、ご自身の結果に関してはどのように捉えられていますか

吉澤 自分はプレーしている時はそんなに走っているイメージはなくて、それよりもどうしてもTDが取りたくて。(笑)TD取りたいなと思いながら走ってた感じでした。終わってみたら意外と良い記録は残せたのかなと思いますけど、でもやっぱり出させてもらうからにはTD取りたいなと思うので、もちろんたくさん走るのも目標にしたいんですけど、次の試合はTDを取りたいなと思います。

広川 距離的には稼げなかったんですけど、吉澤と違ってTDは取れたので。(笑)

一同 (笑)

広川 まぁ、TDに関しては良かったと思うんですけど、自分が思っていた目標のやードにも達成できませんでしたし、吉澤にもヤード数ではぼろ負けしてしまったので次の試合ではもっと稼ぎたいですし、吉澤と一緒でTDも取りたいなと思います。

――東大戦に出場された中で出た課題や得た収穫はありましたか

吉澤 公式戦初にしては自分の中で考えすぎたり、変に緊張せずいつも通りのプレーが最初からできていたので、そこは収穫だったのかなと思います。課題としては、プレー的な話になってしまうんですけど、OLのブロッキングのおかげでただ走っているだけでゲインできていた試合だったので、次は自分から仕掛けて、東大戦以上に走れればいいなと思います。

広川 僕も公式戦にスタメンで出るというのは初めてだったので、緊張というのはなかったんですけど秋の1戦1戦が大事という雰囲気を味わえたことは収穫だったなと思います。

――春シーズンでは「スピード」をテーマに竹トレなどの新たな試みを取れ入れてきましたが、実際に試合に出ている中でトレーニングの成果を感じる場面はありましたか

広川 そうですね。トレーニングをやってきているので速くなっていないと困るなという感じではあるんですけど。(笑)

吉澤 ロスを抜けるまでの速さは変わったのかなと思います。自分で走っていてもOLを抜ける時の自分のスピード感のイメージは、春の最初よりは上がったかなとともいますね。

――トレーニングの強度は変わらずに続けているのですか

広川 そうですね。強度自体は春よりは………、落ちてもいないですね。(笑)

吉澤 まぁ、とはいえある程度試合へ向けての一週間のプランは考えてくれてはいると思います。一番良い状態にもっていけるように調整はしてくれていますね。

――RB陣は試合前に必ず100ヤードの走り込みを行なっていますが、どのような意図があるのでしょうか

広川 あれは、独走をイメージした加速感とかを試合前に確認するためにやっています。

吉澤 あとは心肺機能を上げて、長い距離を走ることに慣れておくという意図もあると思います。

――試合前にあれだけの距離を走って疲れませんか

吉澤 まぁ、練習でそれ以上走っているので、あれくらいなら大丈夫ですね。

「日本一というのを目指しているチームなので、そのチームにふさわしいRBになりたい」(広川)


自身の目指すRB像について語る広川選手

――続いてチームについてお聞きしていきます。昨年と今年でチームの雰囲気の違いは感じられていますか

吉澤 昨年は僕が1年生だったっていうのもあるかもしれないんですけど、昨年の方が常にピリピリしていたイメージですね。主将がすごい怖いイメージだったので。(笑)今年の池田さん(LB池田直人主将、法4=東京・早大学院)は自分自身がとにかく全力でやって、もちろん言葉で伝えることもあるんですけど、それ以上に背中で「ついてこい」と伝えてくれているので、そこの違いは感じていますね。

広川 たしかに昨年の方が常にピリピリしていたなという感じはありましたけど、今年は良い意味で個々が縛られずに自由に頑張れる環境ができているので、昨年と今年は違う雰囲気のチームができているのかなと思います。チームの在り方は様々だと思うので、どっちが良い悪いとかではないんですけど、昨年とは対照的なチームになってはいますね。

――吉澤選手のお話にも名前が挙がりましたが、今年度主将の池田選手の印象はいかがすか

広川 本当に気合いと努力と根性とみたいな。(笑)

吉澤 とにかくストイックですね。絶対に練習は常に全力ですし。RBは多聞さんの教えで「誰よりも最後までプレーしよう」ということを練習中からやっているんですけど、その僕たちより池田さんの方がやっているんじゃないかというくらい、最後までハードにプレーしている人ですね。

――お二人はそれぞれ3年生と2年生ですが、各学年の雰囲気はいかがですか

広川 まぁ、仲が悪いとかっていうのはないですね。でも、人数が多いので全体で遊びに行ったりとかは流石にないですね。

吉澤 2年生は逆に人数が少ないので、この間遊びに行きましたね。でも、それが初めてとかだったなと思います。

広川 やっぱりユニットごとにっていうのが多いですかね。RBは本当に仲が良いですね。上下の隔たりとかもないですし。練習も切磋琢磨してやっている感じですね。

吉澤 仲良いですね。

――RBは夏合宿では主にどのようなトレーニングをされましたか

広川 とにかく思いっきりやるということだけをやっていましたね。

吉澤 その日のスクリメージ(試合形式の練習)をやっていく中で、自分たちが苦手だなと思うプレーに対する練習をユニットごとの練習の時間で特にやりましたね。今年はキャッチの練習も結構やりましたね。

広川 (パスプレーは)QBとのコミュニケーションが大事なので、今年はQBとの合わせの練習を結構やりましたね。

――キャッチは得意ですか

広川 前回の試合では落としてしまいましたね。(笑)柴崎さん(QB柴崎哲平副将、政経4=東京・早大学院)の球は綺麗で取りやすいです。

――夏合宿の1日のスケジュールとしてはどのような動きをされていましたか

吉澤 午前中がスクリメージで、午後がパートごとの練習でしたね。8時半から11時半とかでやってましたね。

広川 ほとんど昨年と変わらずなんですけど、竹トレとかもありましたし、今年の4年生が決めていくかたちなんですけど、大きく変わったことはあまりなかったですね。

――RBのポジション争いは非常に激しいと思われますが、現状としてはいかがですか

広川 今は誰が出てもおかしくない状況だと思うので、僕らが出させてもらえてるのは名誉なことだと思うんですけど、実力はそんなに変わらないので、4年生だったりとか吉澤の同期の誰かが出たとしてもという状況なので、激しく争っているという感じですね。

吉澤 広川さんが言ったことと同じですね。でも、広川さんとかと比べると自分はまだ全然下手くそで。出させてもらっている理由として、上手さという面ではなくて、思いっきりやるというところで評価されていると思うので、そこの部分で負けないようにはしたいですね。

――4年生が控えに回っている中での出場ですが、そこに対するプレッシャーなどは感じられていますか

広川 プレッシャーってある?

吉澤 僕は感じてないですね。のびのびとやらせてもらっています。

広川 4年生にとっては最後のシーズンですけど、僕らにとってはまだあるシーズンのうちの1つなので、そこで萎縮する必要はないかなと思っています。なので、試合に出ているからには僕らがやらないといけないという思いはありますけど、プレッシャーというのはないですね。

――昨年まで出場が少ない中で、春シーズンからは出場機会が増えていきましたが、春を振り返っていかがでしたか

広川 2人とも試合経験があまりない中で始まったので、最初の早慶戦とかはめちゃめちゃ緊張しましたし、結果が出ないこともありましたけど、春の後半になるにつれて変な緊張感はなくなってきて自分の実力を出せるようにはなってこれたかなという感じですね。

吉澤 春は僕が全然ダメダメで。後半になっても全然ゲインできませんでしたね。まぁ、今も全然下手くそなんですけど、今よりもさらに下手くそで、見える景色とかも違ってだなと思います。

――春シーズンを通しての成長は実感されていますか

広川 毎日微々たる積み重ねをしているので、成長していないと困るので、ちょっとは成長はているのかなと思いますけど、まだまだですね。チームが日本一を目指しているので、そのチームにふさわしいRBになれているかと言われるとまだまだです。超下手くそです。

吉澤 試合慣れという意味では、緊張感や試合の雰囲気はある程度感じられて、そこに対する自分の気持ちの持っていきかたは、成長した部分というか慣れていった部分として挙げられるかなと思います。

――昨年までスターターとして活躍されていた元山伊織さん(平31年卒部=大阪・豊中)や片岡遼也さん(平30法卒=東京・早大学院)を見てどのようなことを学ばれていましたか

広川 あの2人はもちろんですけど、昨年の4年生全員を尊敬していましたし、練習中の態度やアメフトに対する姿勢っていうのはすごくしっかりとしていて、僕もああなりたいと思って昨年1年過ごしました。あの人たちがいてくれたから、追い越したい、近づきたいという気持ちで練習も頑張れましたし、うまくなりたいと思っていたので、あの人たちがチームから抜けたのはだいぶ大きかったですね。でも、やっぱりそれは僕らにとっては試合に出れるチャンスでもあったので。本当に大事な存在ですごく良い先輩方でした。

吉澤 僕は昨年アメフトを始めたばかりで何も分からない状態であの2人を見ていてだいぶ強烈でしたし、すごくうまいなと思っていたんですけど、いざ自分が春シーズンとかをやっていく中で、本当に上手くて心も強くて、自分とは見えている景色が違ったのかなと思うよりました。それを感じられるようになったことは自分の成長でもあるのかなと思うんですけど、いま改めて考えると1年生の時の自分が思っていたよりも偉大な先輩だったんだなって感じますね。

――お二人が理想とされているRB像はありますか

吉澤 伊織さんとかはチームを勝たせていたRBだと思うので、周りの選手とかから「こいつがいたから試合に勝てた」とか、「こいつがチームを勝たせた」っていうくらいの活躍を見せるRBになりたいと思います。

広川 吉澤が言ったように、チームを勝たせられるRBには憧れますし、そういう存在になりたいなと思います。やはり日本一というのを目指しているチームなので、そのチームにふさわしいRBになりたいなと思います。

――吉澤選手は未経験からの入部でしたが、フットボールを始めてからの1年間を振り返っていかがですか

吉澤 昨年は本当に何も分からなくて、練習の内容もそれが何につながるのかが分かっていない中でやっていて、でもみんな思いっきりやっていたのでとにかく言われたことを思いっきりやっていこうと思いながらやっていました。そこからスクリメージに出させてもらう中で、あの練習はこういうプレーに繋がっていたのかっていうのを段々感じれるようにはなっていって。今でもプレー中の余裕はないので、どの練習がこの場面に繋がるんだっていうのはあまりないんですけど、とにかく反復して身体に染み込ませるようにやってきた練習が本当に身体に染み付いていてプレー中に出たりするようになってきたのが1年間で成長したかなと思います。

――アメフトの知識に関してはいかがですか

吉澤 まぁ、最初よりかは少しは。(笑)OLの選手の会話を聞いてると分からない場面とかもありますね。でも、分からないことがあったら先輩たちに聞ける環境ではあるので、日々助けられています。

――先ほどのお話で、夏合宿ではパス練習をされたというお話がありましたが、パスキャッチは得意ですか

吉澤 得意というほどではないんですけど、キャッチに関しては好きなので、どんどん投げてほしいなと思っています。

――吉澤選手は大学入学前からアメフトをやろうと思って早大へ入学したのですか

吉澤 アメフトをやろうと思っていて、大学を選んでいました。1浪したんですけど京大とかも受けましたね。アメフトを始めようとと思ったきっかけとしては、高校生の時に見たNFLを見たことがきっかけですね。

――実際にプレーされてみて、アメリカンフットボールというスポーツの難しさなどは感じられていますか

吉澤 難しいっていう印象が強いですかね。高校時代は野球をやっていたんですけど、アメフトは野球と違って近い距離での1対1でのコンタクトがあるので、そこに難しさを感じますし、逆にそこに面白さがあるなと思います。そこに対しての慣れがなかったので、難しさを感じていますね。

――広川選手は小学生時代からフットボールに携われてきましたが、高校時代と比べて、大学のフットボールはいかがですか

広川 だいぶ違いますね。スピード感だったり、相手のフィジカル面だったり、それに伴って戦略面とかでも全く違いますね。そこはすごい戸惑いましたし、「これ試合出れるのかな」ってずっと思ってましたね。

――大学に入って、ご自身一番成長したのはどういった点だと思いますか

広川 フィジカル面とスピード感ですね。プレーを見ている時に、高校の時は大学の選手がやっているのを見て「速いな」と思っていたんですけど、最近あまりそのように感じなくなってきてので、スピード感には慣れてきたのかなと思います。

――高校時代と比べて、プレーの内容自体は変わっていますか

広川 そうですね。基本的なことは一緒なんですけど、クオリティが全く別物なので、本当に違うものとして捉えています。

――春シーズンの早慶戦でいきなりのスターター抜擢でしたが、昨年の甲子園ボウルが終わった以降のオフシーズンはどのような取り組みをされていましたか

広川 まぁ、やることはほとんど昨年と変わらずですね。パートはしごかれ、スクリメージは思いっきりやって、走らされてっていう感じで。本当に昨年と変わらずにやっていた感じですね。本当に昨年がMAXまでやってて、それを継続したという感じでしたね。

――ご自身のプレーヤーとしてのストロングポイントはどういった点ですか

吉澤 自分は、フィジカルとスピードですかね。長い距離を走るってなると自分より速い選手はいっぱいいると思うんですけど、初速と最速スピードに到達するまでの早さは自分の中で自信がありますね。

広川 ほとんど迷わずに自分の走りたいルートを走れる判断力がいいのかなと思います。試合中に考えすぎてあたふたすることが僕はないので、その点だけは他に負けないかなという感じですね。

――お二人にとってのアメリカンフットボールとは

広川 大学に入ってからのほとんどの時間をアメリカンフットボールに費やしているので、なくてはならないものですし、自分が全力でやっているものなので、誰にも負けたくないものですね。

吉澤 自分も広川さんと同じなので、少し違う観点から話します。アメリカンフットボールの印象みたいなものです、高校の時にNFLを見て面白いなと思ったのがアメフトを始めたきっかけなんですけど。その時はプレーが決まっていて頭を使うスポーツだというのはなんとなく知っていたんですけど、正直ゴリラが走っているイメージだったんですね。(笑)身体能力だけで勝負しているみたいなイメージだったんですけど。いざやってみて、頭を使う部分がプレーを覚えるだけじゃなくて、相手と相対する中でどのプレーを使ってどう出していくかという面でも頭を使うスポーツだなと思います。

「周りを納得させるくらいの実力を持って秋シーズンを終われたら」(吉澤)「1試合1試合すごい成長ができるようにやっていきたい」(広川)


秋シーズンについて話す吉澤選手(左)と広川選手

――秋シーズンについてお聞きしていきます。チームの目標として「学生日本一」を掲げられていますが、そこへ対するお二人の思いとしてはいかがですか

広川 チームで掲げていることなので、それを達成しなきゃいけないということは思っていますし、僕自身秋のシーズンで上手くなっていかないとその目標は達成できないと思うので、1試合1試合すごい成長ができるようにやっていきたいです。

吉澤 自分自身ももちろん学生日本一になりたいという思いはあるんですけど、その思いは最後のシーズンになる4年生が特に強く持っていると思うので、その思いにどれだけついていって、どれだけ同じ熱量で学生日本一に対して目指していけるかっていうのが、普段の練習から4年生と一緒に練習を積み重ねていく中で増していくと思います。これまでずっとスポーツはやってきたんですけど、日本一を目指してきたことはなかったので、そこにたどり着くまでにどれだけのことをやっていけばいいのかが分からないので、4年生がやっている姿を見て、その中で日本一というのを現実的なものにイメージしていければいいなと思います。

――個人としての目標はありますか

吉澤 数字面が見れるほどのレベルではないので、今自分が出てることに納得している人っていうのはそんなにいないと思うので、周りを納得させるくらいの実力を持って秋シーズンを終われたらいいなと思いますね。

――秋シーズン7試合の中で、山場となってくる試合はどこだと思いますか

広川 やはり法大、明大ですかね。明大には春負けているので、そこが山場になってくるんじゃないですかね。6試合やった後の最後なので、全部見られた後の試合でお互いどうやるかっていう感じなので。途中で変えられたりするとは思うんですけど、そこまで僕がスタメンで出られていればいいんですけど。(笑)もし僕が出る機会があるならそこが山場になるんじゃないかなと思います。

吉澤 夏に色々な大学のRBと一緒に練習する機会があって、中大の人と練習したりしたので、RBという観点から見ると、中大は一緒に練習したライバルって言っていいのかな。なのでそこには負けたくないかなと思います。

――秋シーズン、後半の試合が山場だとお話がありましたが、そこへ向けてRBとしてはどのようなプレーをしていきたいと思われていますか

広川 どのようなプレーをやっていくかというのはチームが決めていくことなので、僕らはチームが決めたことを成功させるというか、オフェンスコーディネーターに言われたことを遂行するのが仕事なので。RBで考えるのはどう勝負していくのかとかスピードの面なので、チームのやりたいことをどれだけ遂行できるか、遂行力をどれだけあげられるかが大事だなと思います。

吉澤 僕はプラスアルファで、RBは練習からめちゃめちゃきつくやってるという風にチーム内でも見られていると思うので、試合中にそのRBが相手にびびってたりしたらチームの士気にも関わってくると思うので、RBがどれだけ相手に臆せずに思いっきりできるかというのも大事かなと思います。

――次戦の相手は日体大戦ですが、毎年早稲田としてもチームが完成していない序盤戦で当たることもあり苦戦されているチームです。日体大の印象としてはいかがですか

広川 前回の明大との試合を見た感じですと、気の抜けない相手だなと思いますし。昨年もあまりオフェンスが出せていなかったので、やはり何をしてくるか分からないチームで、アスリートも多いので気の抜けない試合になると思います。

吉澤 アスリートが揃っているなというのはもちろんそうですし、明大戦の最後の方だけ見た感じだと点差がついていても最後まで諦めずにプレーしている姿を見たので、自分たちが勝っていても負けていても、どれだけ自分たちのプレーができるかというのが大事になってくるのかなと思います。

――最後に、次戦日体大戦への意気込みと、秋シーズン全体の意気込みをお願いします

広川 前回の東大戦は実力を出しきれずに終わってしまったので、日体大戦ではまず本来の自分の実力を発揮していくというのはもちろんですけど、やはり前回は1TDで終わってしまったので、2TD3TDを狙って走っていきたいと思います。秋シーズンの意気込みとしては、やはりまだ選手としてまだまだなので、あと6試合で実力をどれだけあげられるかというところを意識してやっています。

吉澤 次の日体大戦は、東大戦でTDできなかったのでもちろんTDはしたいなと思います。ただ、東大戦の自分がこうだったからとかを考えると、本来の自分が出せなくて良いプレーができないと思うので、とにかく今までやってきたことを思いっきりやるという1点に集中してやっていければなと思います。その結果としてTDが取れたり、たくさんのヤードを走れたらいいなと思うので、とにかく思いっきりやるというのを忘れずにやりたいなと思います。秋シーズンとしては、2年生で出させてもらっているというのはありがたいことで、今後自分があと2年間やっていく中で間違いなくとても良い経験になると思いますし、試合の中でしか成長できないことっていうのがたくさんあると思うので、これからの試合を練習以上に成長できる機会にしていければなと思います。

――ありがとうございました!


最後に、リーグ戦への意気込みを色紙に書いてくださりました!

(取材・編集 涌井統矢 写真 黒田琴子)

◆広川耕大(ひろかわ・こうだい)

1998(平10)年7月21日生まれ。165センチ76キロ。。東京・早実高出身。社会科学部4年。RB。早実校時代はチームの主将を務めていた広川選手。けがをしない強い身体とタフな精神力で、日本一のチームにふさわしいRBに必ずなってくれるでしょう。

◆吉澤祥(よしざわ・しょう)

1998(平10)年生まれ。168センチ、78キロ。東京・成蹊高出身。スポーツ科学部2年。RB。未経験でアメリカンフットボールの選手に飛び込んだ吉澤選手。トップスピードに至るまでの早さは学生フットボール界随一。思い切りのあるプレーで、チームを日本一に導いてくれるでしょう。