先日行われた「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)の混合ダブルス決勝戦でベサニー・マテック サンズ(アメリカ)/ジェイミー・マレー(イギリス)組が6-2、6-3で第1シードのチャン・ハオ…

先日行われた「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)の混合ダブルス決勝戦でベサニー・マテック サンズ(アメリカ)/ジェイミー・マレー(イギリス)組が6-2、6-3で第1シードのチャン・ハオチン(台湾)/マイケル・ビーナス(ニュージーランド)組を破り、大会連覇を果たした。マテック サンズ/ジェイミー組は、Anne Smith(アメリカ)/ケビン・カレン(アメリカ)組が1981、1982年で達成した以来、初めての混合ダブルス大会2連覇となった。ジェイミーは「全米オープン」がオープン化されて以来初の、混合ダブルス大会3連覇を成し遂げた男子選手となり、オープン化以前を含めても、Neale Fraser (オーストラリア)以来、実に60年ぶりの快挙となる。

彼らの優勝賞金は8万ドルずつ、合計16万ドル(約1731万円)。女子シングルスで優勝したビアンカ・アンドレスク(カナダ)が手にした385万ドル(約4億1650万円)に比べるとかなりの差がある。

マテック サンズは、「もう少しシングルスの優勝賞金金額に近づけばいいと、正直なところ思っているわ。混合ダブルスは過小評価され過ぎているように感じる。ハンディキャップなしに、男女が同じレベルで戦う競技なのよ」とコメント。

「男子選手は女子選手たちに手加減なんてしない。女子も男子にくらいついていくの。素晴らしいテニスの姿だと思うわ。男女が一緒に戦うスポーツは、かなり珍しいでしょ?すごいことだと思うの」と続けた。

「ダブルスはアマチュアプレーヤーたちにとって、基礎的な競技だと思うんだ。多くの人たちがプレーしている。だから今現在よりも、トーナメントとして、もっと価値があるものにしていくことができると思うよ」とジェイミーはコメントした。

ジェイミーは2016年に男子ダブルスで優勝し、2017年にはマルチナ・ヒンギス(スイス)とペアを組んで混合ダブルスで優勝、そして今回の2連覇と、4年連続で「全米オープン」のタイトルを手にしている。

ジェイミーは他にも、「ウィンブルドン」の混合ダブルスで2度の優勝、「全豪オープン」では男子ダブルスで1度優勝しており、7つのダブルスでのグランドスラムタイトルを保持する。マテック サンズは、女子ダブルスで5回、混合ダブルスで4回優勝しており、合計9つのグランドスラムタイトルを保持している。両者ともにダブルスのスペシャリストだ。

マテック サンズの言うように、男女が同じフィールドで戦いあうプロ競技は少なく、それだけでも大いに注目に値する。また、多くのアマチュアプレーヤーがダブルスを中心にプレーしているというジェイミーの主張も間違いではないだろう。ダブルスが観戦される競技として、更なる注目を浴びる可能性は十分にあるはずだ。

(テニスデイリー編集部)

※為替レートは2019年9月13日時点

※写真は2019年「全米オープン」での(左)ジェイミーと(右)マテック サンズ

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)