関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)4戦目の相手は前回と同じく松蔭大。第1Q(クオーター)は正確なディフェンスで付け入る隙を与えず、順調な滑り出しに見えたが、中盤はミスが相次ぎ、苦しい時間が続く。F内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)中心に体…

 関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)4戦目の相手は前回と同じく松蔭大。第1Q(クオーター)は正確なディフェンスで付け入る隙を与えず、順調な滑り出しに見えたが、中盤はミスが相次ぎ、苦しい時間が続く。F内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)中心に体を張ったプレーで必死にこらえると終盤は自分たちのペースを取り戻し、75-58で勝利を収めた。

 早大は開始15秒、船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)が先制すると、正確なディフェンスを武器にじわじわと点差を広げる。徹底した1対1のディフェンスで相手のミスを誘ってシュートを打たせず、たとえ打たせても内山やC大原咲織(スポ2=東京成徳大)がリバウンドを奪う。第1Q終盤からは相手のディフェンスもやや厳しくなったが、冷静にボールを回し、細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)のスリーで打ち破る。それぞれの持ち味を生かしたプレーを見せ、第1Q終了時点で26-9。盤石の滑り出しに見えたが、ここから苦しい時間が待ち受けていた。第2Qは一転してディフェンスを徹底してきた相手に苦しめられ、いい形でシュートに入れない。無得点の時間が続き、焦りからか不用意なミスを連発。松蔭大に素早いトランジションから得点を重ねられ、一時1点差まで詰め寄られる。だがここで逆転を許さないのが王者たるゆえんだろう。悪い状況ながら「目の前の相手や目の前の戦いに一つずつ勝っていこうと思って」(内山)体を張ってプレーし、なんとかリードを保って試合を折り返した。


苦しい場面で果敢に攻め続けた内山

 後半に入っても苦しい状況は続く。「ディフェンスは一つ一つのルールが徹底できずに、少しずつ崩れていった」(澁谷)と振り返った通り、中途半端なディフェンスが目立ち、相手の勢いを止められない。連鎖するようにオフェンスでもパスカットに合う場面が増え、ターンオーバーが重なる。何度も詰め寄られ一度逆転も許したが、すぐにリードを奪い返すと、後半は徐々に自分たちのペースを取り戻した。粘り強いディフェンスと素早い攻撃が戻り、52-44で第4Qへ。やや余裕を取り戻した早大は落ち着きを持ってパスをつなぎ、インサイドにボールを集めて確実にシュートを沈めていく。最後は細貝が走りこみながら放ったスリーがきれいに吸い込まれ、75-58で幕切れ。早大が誇るスリーポイントシューターの圧巻のブザービートに会場からは歓声が沸き起こった。


高身長を生かしゴール下で活躍した大原

 苦しい時間が長かったが、終わってみればリードを許したのは第3Qの1回のみ。詰め寄られても粘り切ったところに前年王者のプライドがにじんだ。多くの課題が浮かび上がった一戦ではあったが、焦りを覚える必要はない。追われる立場はプレッシャーを覚えて委縮しがちだが、「課題だからこそ伸びしろでもある」(内山)と振り返った通り、前向きに一戦一戦を楽しんで歩を進めていきたい。

(記事、写真 町田華子)

第69回関東大学女子リーグ戦 9月11日(vs松陰大)
  1Q2Q3Q4Q合計
早大2611152375
松蔭大23141258
F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
C#7 大原咲織(スポ2=東京成徳大)
F#23 澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)
G#26 船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)
コメント

F内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分たちの徹底すべきことが全然できていなかった結果、途中競ってしまって、オフェンスがうまくいかない中で守り切れずに、きつい時間帯に簡単なミスが増えたり、自分たちで声を出して意識を上げるとかそういうことができなかったりして、どんどん沈んでしまったというのが課題として見つかりました。でも、いい部分もたくさんあって3ピリ後半とかいい流れに持ち込めた時は自分たちのスピードあるバスケができたし、早い段階で課題が見つかったということはチームにとっても良かったのかなと思いました。

――どのような対策を練っていましたか

一戦目でスリー打たれた本数が多かったので、そこを抑えていこうということとか、相手のキーマンも何人かいてそこに点を取らせないようにというように考えていたんですけど、そこがちょっと不十分だった部分があったと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

前半は自分のプレーができなかったりミスが続いたりした中で、殻に閉じこもるというか自分一人で考えてしまっていて、そこが自分の悪い癖でもあって、周りがすごく声を掛けてくれたので、ここはもうやるしかないという気持ちで後半割り切って当たっていこうというふうに思えたので、後半は良かったと思います。

――第4Q後半で相手を突き放せた要因は

ディフェンスの動作1つ1つでしっかりリバウンドまで取り切るってことを徹底したうえで、自分たちのオフェンスは中が強みなので中にボールを集めたりとか、相手のファウルを誘うようなプレーが前半とは違ってできたことが大きかったかなと思います。

――苦しい時間が長かったと思いますがどのような思いでプレーしていましたか

その時は先のことというよりも目の前の相手や目の前の戦いっていうのに一つずつ勝っていこうと思って、その時に全員が一人一人になってしまったらただきついだけなので、コミュニケーションの部分をもっともっと意識しようというふうにして、きつい時間を乗り越えられたと思います。

――最後に今後の課題と次戦への意気込みをお願いします

具体的にはリバウンドやボールマンプレッシャーをかけてスリーを打たせないということが課題としてあります。逆に課題だからこそ挑戦できる面というか自分たちの伸びしろでもあると思うので、今後はそういう一つ一つをみんなが意識して試合を楽しむということができたらいいかなと思います。

F澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

出だしは良かったんですけど、後半になるにつれてミスが全体的に増えちゃって、自分たちで崩れていった感じでした。結局中盤で相手に追い上げられて苦しい状況になったんですけど、日曜日の松蔭大戦の時も同じように追い上げられる場面があったので、自分たちのミスから始まって崩れていった、中盤のところが課題だなと思います。最後は自分たちの強みを生かして勝つことができたので良かったと思います。

――第4Qの後半で一気に突き放しましたが、どのような点が改善されて引き離せたと考えていますか

ディフェンスのところで、プレッシャーをかけることをもう一度チーム全体で確認して、ディフェンスからオフェンスに繋げられたということもあるんですけど、オフェンスのところでは積極的にポストの人たちが中取ってくれたりとか、外回りもスリーが入ったりとかがあったので、良かったと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

全然ダメなんですよね本当に。得点に絡めていないことが自分の中で一番フラストレーションがたまっているんですけど、オフェンスだけじゃなくてディフェンスもできるし走れるっていうのが自分の強みだと思っているんですけど、それがなかなかチームに還元できていないなというのが、この試合だけじゃなくて前の3試合もなんですけど反省です。

――自分たちのペースに戻せなかった要因は

1本ずつ取っていこうという声掛けは出来ていたんですけど、どこか焦りがあってオフェンスがターンオーバーばかりになってしまって、ディフェンスは一つ一つのルールが徹底できずに、少しずつ崩れていってああいう形になってしまったので、ディフェンスから崩れていったという感じですね。

――次戦への意気込みをお願いします

中2日で自分たちにできることをしっかり準備して早稲田らしく戦っていきたいと思います。