第6回はこの夏打撃好調の正捕手・小藤翼副将(スポ4=東京・日大三)と、早大不動の3番打者・福岡高輝(スポ4=埼玉・川越東)が登場する。入学以来一度も優勝を経験していない二人にとって、ラストチャンスとなるのが今回の東京六大学秋季リーグ戦(秋…

 第6回はこの夏打撃好調の正捕手・小藤翼副将(スポ4=東京・日大三)と、早大不動の3番打者・福岡高輝(スポ4=埼玉・川越東)が登場する。入学以来一度も優勝を経験していない二人にとって、ラストチャンスとなるのが今回の東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦) だ。さらに、10月にはプロ野球ドラフト会議を控える、大事なシーズンでもある。早大のため、自らのため――。絶対に負けられない戦いが始まる。

※この取材は9月6日に行われたものです。

「(勝っているところは)正直、なかった」(小藤)、「劣っているとは思わなくて」(福岡)


今春の明大2回戦で適時打を放った小藤

――まず、昨季を振り返っていかがですか

福岡 明大にまさかの2連敗をしてしまいました。ですが、そこから切り替えて勝っていけたので、チームとしていいシーズンだったのかなと思っています。

小藤 明大2回戦の1敗が最後まで効いて・・・。そこで勝ち切れていたら違う展開になっていたと思うので悔しいです。

――この夏の対談で学生コーチの方が「優勝できる戦力はあった」とお話されていました。その中での3位というのは何が原因でしょうか

福岡 やはり明大戦に勝っていたらという思いはみんなあります。優勝できるメンバーがそろっていると選手も思っているので、秋は優勝したいですね。

――小藤選手は副将として戦った初めてのシーズンでした。振り返っていかがですか

小藤 今まで3年間やってきて、自分は引っ張るタイプではありませんでした。ですが、ポジション的にもみんなを引っ張らなければいけない立場になったので、そういう意味では今までと違った意識でシーズンに挑めたかなと思います。

――具体的に何か声掛けや助言をする場面はありましたか

小藤 いえ、あまりないですかね(笑)。円陣の声出しは福岡に任せることも多いです。

福岡 任された記憶はあまりないですね(笑)。でも、まとめていたのかもしれないです。

――先日行った韓国・高麗遠征はいかがでしたか

小藤 日韓関係がいま問題になっていると思いますが、険悪な雰囲気は全くありませんでした。高麗大の選手たちも良くしてくれて、観光の時も韓国の人たちが優しくしてくれたので、すごく楽しくいい経験ができました。

福岡 自分もすごく楽しかったですね。大学生活最後の遠征だったので、楽しめて良かったですね。

――昨季終了後には二人とも侍ジャパン大学日本代表の選考合宿に参加されましたが、いかがでしたか

小藤 自分は同じポジションでレベルの高い選手が多くいて、いい勉強になりましたし、刺激ももらえました。選ばれませんでしたが、参加して良かったなと思っています。

――選ばれた選手との差はどのようなところだったと思いますか

小藤 技術的な面はもちろんなのですが、複数ポジションを守れる選手が多くて。自分は捕手しかやっていなかったので、短期決戦の国際大会での使い勝手の良さという点もあったのかなと思います。

――逆に同じ捕手の郡司裕也主将(慶大4年)や海野隆司選手(東海大4年)に自分が勝っていると思った点はありましたか

小藤 正直、なかったですね。

――福岡選手はいかがでしたか

福岡 自分は逆に自信を持てたというか。選ばれませんでしたが、そんなに実力差はなかったのかなと思っていて。貪欲にアピールする選手が多くて、そこの差で自分は負けたのかなと思っています。ですが、自分は三塁のポジションでいえばそんなに劣っているとは思わなくて、自信が持てました。

――小藤選手は夏季オープン戦で好調を維持していますが、打撃面で徳武定祐コーチ(昭36商卒=東京・早実)に何か助言を受けることはありますか

小藤 自分は徳武コーチには修正点はないと言われています。手首を返すポイントが良ければ打てると言われているので、この夏はその点を意識して練習しています。

――この夏はその成果が表れているということですね

小藤 そうですね。あとはしっかり強く振れるようになりました。春までは当てにいっての凡打も多かったのですが、そこも変わったのかなと思います。

――それは誰かに指摘されて改善したのですか

小藤 田中浩康コーチ(平17社卒=香川・尽誠学園)に、当てにいかずにどっしりと構えるように言われたので、そこは意識しています。

――夏季オープン戦では打点も多く記録していますが、得点圏に走者を置いた場面で意識していることはありますか

小藤 次につなぐ意識は持つようにしていて、その意識があれば気持ちも楽になりますね。

――打撃面の課題はどこだと思いますか

小藤 まだ三振することも多いので、自分のスイングを意識しつつも三振しないようにしたいですね。

――福岡選手は夏季オープン戦で長打も多く好調に見えますが、実際のところいかがですか

福岡 そうですね、悪くないですね。(田中)浩康コーチにも、「調子がいい」といえばその後は落ちていくだけで、「悪くない」と言った方がまだ上げていけると言われました。なので、調子がいいとは思わないようにしています。打ち損じても悪くない、どれだけ打っていてもまだまだ上げられるなという意識で練習しています。

――「調子が悪くない」要因は何だと分析していますか

福岡 春の後半から調子が良くなくて、リーグ戦が終わってからもいいスイングができていなく悩んでいました。その時に、浩康コーチから「もう少し球との距離を取った方がいい」と指摘されました。それを意識するようになってから自分のポイントで打てるようになり、調子も上向きになって打撃が変わったと思います。

――「球との距離を取る」とは具体的にどういうことなのですか

福岡 自分から球を迎えにいくのではなくて、自分のポイントまで待って打つということですね。

――昨年東京六大学選抜のメンバーに選ばれた時に、「周りの選手が飛距離を出すのを見て自分も大振りになってしまいフォームを崩した」とお話しされていましたが、今回大学日本代表選考合宿に参加して何か変化はありましたか

福岡 今回は知り合いが少なく、他人事のような感じで見ていたので、特に意識することなく自分の打撃に集中できましたね。

――現在1カ月ほど夏季オープン戦を戦ってきて、一番印象に残っている打撃を教えてください

福岡 パッと思いつくのは筑波大戦(8月7日、●2-7)のホームランですね。自分はその打席の前の回にエラーをしていて、何とか取り返そうと思っていたので良かったです。初球のスライダーを自分のポイントで打てたのでベストだと思います。最近だと、青学大戦(9月4日、●0-1)の2打席目に打ったレフト前へのヒットですね。その打席は追い込まれて粘って、フルカウントから内角低めの真っすぐだったのですが、うまく逆方向に打つことができて。夏の練習の成果が出たのかなと思います。

――三塁の守備にはもう不安はないですか

福岡 自分としては、失策はしていないので無難にこなせているかなという感じですね。

――今夏は二塁手にも挑戦していますが、感触はいかがですか

福岡 あまり練習できていないんで下手くそなのですが、守備の幅を広げるために試合で少しだけやらせてもらっています。

――昨季や夏季オープン戦では盗塁を試みて成功する場面も多く見られますが、走塁で意識していることはありますか

福岡 やはり足が使えるところを相手に見せていきたくて。この夏は盗塁を多く企画して意外と成功しているので、積極的に試みて良かったなと思っています。

――小藤選手は以前、捕球時にミットが左に流れてしまうことを課題に挙げていましたが、その後はいかがでしょう

小藤 最近は良くなってきたと感じています。送球面も自分の理想通りにできている場面が多いですが、たまに早く投げようと力んでしまい、送球タイムが遅くなってしまうことがあります。なので、そこは自然体で投げたいなと思います。

――春の慶大2回戦で、一塁走者の渡部遼人選手(2年)に何度もけん制球を投げた中で盗塁を決められた場面がありましたが、その場面について聞かせてください

小藤 言い訳になってしまうのですが、投球が逆球で、自分の握り替えが遅くなってしまったので走られました。普通だったら刺せたと思います(笑)。

――現在の捕手としてのご自身をどう評価されていますか

小藤 配球面がまだまだと感じていて。捕手の配球次第で投手の結果も変わってくると思うので、夏は考えてリードしていました。

――リード面はうまくいっていると感じていますか

小藤 夏の前半はうまくいかず、打ち込まれての失点もありました。ですが、ここ最近は最初に比べたら改善されているのかなとは感じています。

「最初は「もう4期か」と思いました」(小藤)


日頃は二人でゲームをするという小藤(左)と福岡

――ここからはプライベートな質問をさせていただきます。お二人は普段は仲良くされていますか

福岡 小藤の部屋でニンテンドースイッチをやりますね。スマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)をやるんですけど、小藤は弱いですね(笑)。

――キャラクターは何を使いますか

福岡 僕はピカチュウですね。

小藤 自分は決まってないですね。弱いんで(笑)。

――最近世間でタピオカが流行していますが、お二人は飲まれますか

福岡 自分は韓国で2日連続で飲みに行きましたね。黒糖タピオカとか。

小藤 自分はタピオカが苦手なんです。中学生の頃にタピオカを飲んだ後に食中毒になってしまって。その原因はタピオカではないんですけど、直後になったのでそれ以来飲まなくなりました(笑)。

――今夏の高校野球の甲子園は見ましたか

福岡 あまり見てないんですけど、智弁和歌山高校が1イニングに3本塁打したのは驚きました。1試合3本でもすごいのに、高校生で1イニング3本はちょっと考えられないですね。

――先ほどお話にも出た高麗遠征では観光もされましたか

福岡 自分はユッケ通りというところに行って、山田(淳平、教4=東京・早実)と米田(圭佑、人4=愛媛・松山東)と三人で食事して盛り上がりましたね。タコの踊り食いといってタコを生きたまま食べましたね。

小藤 自分は嵯峨(悠希・学生コーチ、商4=東京・早大学院)と藤井寛之(法4=福岡・東筑)と上條(哲聖、商4=東京・早実)とトレーナーの髙橋賢史(スポ4=千葉・八千代)で明洞(ミョンドン)餃子を食べに行きました。小籠包みたいな形なんですけど、すごくおいしかったです。

――福岡選手は8月24日に富山で開催された東京六大学オールスターゲームに参加されていましたが、いかがでしたか

福岡 めちゃくちゃ楽しかったです! え、待って。オールスターで俺何してたっけ?

小藤 知らんわ(笑)。

福岡 何したっけなあ(笑)。

――小藤選手はけがで出場できませんでしたが、富山には行かれたのでしょうか

小藤 行っていないです。直前で交代になったというか。

福岡 本当に前日です。

小藤 けがをして。

福岡 オールスターは、セカンドをやったんですよ! ちょっとやらかして・・・(笑)。

――二遊間のゴロを・・・

福岡 スルーして(笑)。あれはちょっとやばかったですね(笑)。めちゃくちゃ恥ずかしかったです。結構みんなに言われました。(小藤選手に向かって)知らないか(笑)。

小藤 知らない(笑)。

福岡 それで点が入り、負けたので。

――それで出た走者が生還したのですね

福岡 そうです。それで、津留﨑(大成、慶大4年)が打たれて、郡司がパスボールをして1点入りました。自分、津留﨑、郡司が戦犯みたいな。でも、その後早川(隆久、スポ3=千葉・木更津総合)が打たれて帳消しにしてくれたんですけど(笑)。

一同 (笑)。

福岡 自分、親が観に来ていて。(川越東高の)同期で立教の藤野(隼大主将、立教4年)も親が来ていて。一緒にご飯食べて、飲みに行って、おいしいものを親に食べさせてもらいました。海鮮がおいしいので、クルマエビなどを食べました。

――海鮮がお好きなのでしょうか

福岡 自分は何でも好きですよ。小藤は嫌いなものが多いのですが・・・。

――何が嫌いなのでしょうか

小藤 鶏肉が食べられないです。

福岡 やばくないですか(笑)。ナゲット食べられないでしょ?

小藤 食べられないです。クリスマスはケーキがあるので寂しくないです。

――8月28日に名古屋で行われた全早慶戦を振り返っていかがですか

福岡 敢闘賞どうぞ。

小藤 (笑)。ナゴヤドームで試合をすることが初めてで。ドーム球場での試合自体初めてでした。神宮とはまた違った雰囲気で、すごくいい経験になりました。

福岡 開会式の演出がすごくて。やばいな、と思いました。

小藤 すごかったね。

福岡 試合でヒットを打つと、バックスクリーンに打ったシーンのリプレイが出ていたじゃないですか。自分はヒットを打っていなくて。「何とかあれに出たいな!」と思っていたのですが、結局4打席打てずに終わりました。ちょっと悔しいですね、あそこに出したかったです。

――この試合では、細山田武史選手(平21スポ卒=現トヨタ自動車)を初めとしたOBの方と共に戦いました。結果として試合には敗れましたが、雰囲気は楽しむことができましたか

福岡 細山田さんがすごく盛り上げてくださったので。あのような雰囲気でやっていくことは大切だなと思いました。

小藤 打てなかった時などに、細山田さんがベンチで雰囲気をつくってくださりました。ご自身の打席でも粘って出塁する姿を見せてもらいました。すごくいいものを見せてもらったなと思っています。

――同じ捕手としてなにかアドバイスはありましたか

小藤 直接ではありませんが、配球面でのアドバイスはいただきました。

――名古屋で何かおいしいものは食べましたか

福岡 レセプションが12時ごろまであって。OBの方においしいものは食べさせてもらいましたが、自由時間はなくて。次の日は(ホンダ)鈴鹿との試合後に『矢場とん』でみんなと手羽先や味噌カツを食べました。あれ、小藤行っていないっけ?

小藤 俺は中川(卓也、スポ1=大阪桐蔭)と。

福岡 え! 行っていないのか! 学年で飲みに行って、きしめんを食べましたね。めちゃくちゃ楽しかったです。(小藤選手に向けて)めちゃくちゃ楽しかったです!

小藤 (笑)。自分たちも『矢場とん』を食べに行きました。普通にスタバを飲んで帰りました。

福岡 おもんないなぁ(笑)。

小藤 (笑)。

――小藤選手はアイドルがお好きですが、韓流アイドルはいかがですか

>福岡 (笑)。

小藤 韓国のアイドルはあまり興味がないですね。

――では、小藤選手がお好きな乃木坂46についてお聞きします。最新シングルのセンターポジションは4期生(新人)が務めています。それについてはどう感じられていますか

小藤 はい。

福岡 (笑)。何か違うことになってね(笑)。センター誰?

小藤 遠藤さくら!

福岡 誰だよ・・・。

小藤 正直最初はまだ・・・。

福岡 (爆笑)。

小藤 めっちゃガチになってしまいますが・・・。最初は「もう4期(がセンター)か」と思いました。ですが、いざなってみると曲にすごく合っていたので。これはこれでいいのかなと思いました。

――西野七瀬さんがお好きだということですが、あさって最終回を迎える(※対談当時)『あなたの番です』(日本テレビ系)の黒幕は誰だと思いますか

福岡 お、見てます!

小藤 難しいですよね。怪しすぎて違う、というパターンもあると思いますが。でも・・・結局、だった、みたいなパターンもあると思うので。

福岡 自分としては、西野七瀬だったら気持ちいい終わり方だと思いますね。他の脇役が出てきてもおもしろくなくね?

――先日寮生でバーベキューをしたとお聞きしました

福岡 そうですね。食堂の方が企画してくださって。バーベキューに行きました。3年生はみんな海に行ってしまって一緒に行けなかったのですが、普通に盛り上がりましたね。

小藤 後半寝てたよね(笑)。

福岡 えー、寝てない! 寝てない! 楽しんでた。結局おいしい食べ物も出してくださって。いいお肉とか。

――徳山壮磨選手(スポ2=大阪桐蔭)のティラノサウルスの物まねが部内で話題だそうですが

福岡 おもしろいですね。

小藤 おもしろいね。

福岡 なんか、おもしろいのかすら分からないですけど(笑)。なんか笑えるね。

小藤 徳山がやると笑えるね(笑)。

「何とか食らい付きたい」(福岡)


今春の立大1回戦で打席に立つ福岡

――ここからは秋季リーグ戦に向けてのことをお聞きしていきます。夏も終わりますが、夏全体を振り返ってご自身をどう評価しますか

福岡 個人的には、自分100点に近かったのかな、と。打率も結構高かったですし、内野守備もすごく良くできましたし。個人的には満足しています。チームとしては課題が多かったので、それをシーズンまでに克服できればと思います。

――チームの課題というのは具体的には

福岡 打てないですし、点も取られますし。根本的に・・・。チャンスでの一本がなかなか出なかったり・・・。そういうところですね。

――小藤選手はいかがでしょうか

小藤 自分としては、50点くらいです。守備面などで、ピッチャーをリードするところだったり、いざという時に踏ん張り切れなかったこともあったので。リーグ戦などでも六大のピッチャーはレベルが高いので、そう簡単に点が取れない展開が予想できます。そういったときに点数を取られないような配球ができないと勝つことができないと思うので、それができなかったこと(が反省点です)。あとは、後半けがが多かったことです。その点で自分の中では点数を高く付けられないと思いました。

――徳武コーチから、「君たちは秋、早稲田の野球部に何を残せるか」というお話が4年生にあったとお聞きしました。お二人は何を残せるとお考えでしょうか

福岡 優勝を残すことができれば一番です。自分は今、バッティングに一番自信があるので、後輩にアドバイスをしたいです。今は「やらなくてもいいけど、こういうのをやってみたら」というようなことを積極的に言うようにしています。中川は自分とタイプが似ているので、中川に結構教えたりしていますね。

小藤 自分も優勝というものと、キャッチャーとして守備面でリードしていく姿勢を見せられたらいいと思います。

――もうすぐプロ野球ドラフト会議があります。ドラフトへの思いなどは

福岡 かかればいいなという感じです。でも、かかりたい、プロへ行きたいという気持ちが今は強くなっているので、何とか食らい付きたいなという思いがあります。

小藤 自分はプロ一本でやっていく予定です。なので、近付くにつれて不安になってきてはいます。秋しっかり結果を残していけるように頑張りたいと思っています。

――現在の投手陣についてはどう感じられていますか

小藤 ピッチャー陣は今まで通り粘り強く投げられていると思っています。

――秋も期待できると思いますか

小藤 そうですね、はい。

――初週は法大戦で、エースの三浦銀二投手(2年)の登板が予想されます。福岡選手は対三浦投手の通算打率が0割台ですが

福岡 真っすぐがいいと思います。ですが、オールスターで見た時はいけるなと思いました。結構オールスターでいいピッチャーと対戦することができたので、秋に向けていい経験になりました。いけます。打てます。

小藤 打つしかないです。

――ラストシーズンとなりますが、個人としての具体的な目標をお願いします

福岡 自分はこれまでずっと、首位打者などという目標を掲げてきましたが、何一つ達成できませんでした。そういうもの(目標)をシーズン中に結構意識してしまうので、シーズンを通して自信を持って打席に入ることができれば悔いなく終われるかなと思います。悔いなく終わることができればいいので。全ての打席に全力で取り組むことができればいいかと思います。

――小藤選手は、春季リーグ戦では開幕前に掲げていたベストナインという目標を達成されていました。今季はいかがでしょう

小藤 ベストナインをもう一度取るというのが目標です。数字でいえば、(打率)3割はいきたいです。そこは最低ラインで。あとは打点をかせぐことです。

――具体的な数字があれば教えてください

福岡 お〜。攻めるね〜(笑)。

小藤 でも、1年生の時の打点は超したいね。

福岡 いくつ?

小藤 8。

福岡 10って言っちゃいなよ。

小藤 (笑)。10はいきたいですね。

福岡 (笑)。

小藤 6番を打つことが多いのですが、6番という打順でもすごくチャンスで回ってくることが多いです。うちの打線を考えても、3、4、5(番)がすごくいいので、絶対ランナーがいる状況で回ってきます。そこでかえすことができれば、得点力が上がってきますし、勝ちにもつながってくると思うので。そこはしっかり稼げたらいいなと思います。

――春の対談で、神宮球場ではまだ本塁打を打ったことがないとお話されていましたが

福岡 高校から? まじ?

小藤 神宮球場ではないね。秋は1本打ちたいです。

――以前徳武コーチが小藤選手、福岡選手、加藤雅樹主将(社4=東京・早実)、檜村篤史副将(スポ4=千葉・木更津総合)の四選手で50打点をかせいでほしい、というお話をされていたと思いますが

福岡 40でも取ることができれば、投手を楽させられるよね。

小藤 そうですね。

福岡 でも、(打順が)並んでるから40って結構きついよな(笑)。

小藤 きつい(笑)。福岡が一番きついね。

福岡 俺きつい? (3番打者である福岡選手の後ろに、出塁率の高い加藤選手や檜村選手、小藤選手がいるため)あ、そうか。いや、でも(投手であるにもかかわらず出塁率が高い)早川が塁に出てくれるから。瀧澤(虎太朗、スポ3=山梨学院)と銀佑(金子銀佑、教3=東京・早実)もいるしね。あ、やべ。これじゃあ瀧澤と銀佑を信用してないみたいじゃん(笑)。

小藤 (笑)。

福岡 やはり1、2番がいいので!

――チームとしての目標は当然優勝だと思います。そのためにどのような戦いをされていきたいですか

福岡 勝ち点5を取れば優勝なので。1戦目で負けたとしても、勝ち点をしっかり5つ取ることができればいいと思うので。そんなに10連勝などと言っても、1敗して萎えてしまうだけなので、勝ち点5を目標にやった方がいいのかなと自分は思います。

小藤 自分は、粘り強くいくことが大切だと思います。最後まで諦めずにしっかりと自分たちの野球をして、一つ一つ勝っていくことを目指してやっていきたいです。

――最後に秋季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

小藤 学生生活最後のリーグ戦になるので、悔いの残らないように、自分らしくプレーをして、その結果としてチームが優勝できればいいと思っています。なので、そこを目指し、悔いのないようにやっていきたいです。

福岡 頑張ります。頑張るしかないですよね。シーズンまでは短いですが、やり残したことがないようにしっかりとシーズンに向かいたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 金澤麻由、吉岡拓哉)


福岡選手の提案で『Wポーズ』をとってくれました!

◆小藤翼(こふじ・つばさ)(写真左)
1997(平9)年8月6日生まれ。181センチ、86キロ。東京・日大三高出身。スポーツ科学部4年。捕手。右投左打。栃木県出身でありながら、レモン牛乳は飲まないという小藤選手。今回の色紙の言葉は、西野七瀬さんの名言ではありませんが、少し関係があるそうです。優勝を目指し、四年間で『一番熱くなれるシーズン』が始まります!

◆福岡高輝(ふくおか・こうき)
1997(平9)年9月8日生まれ。174センチ、80キロ。埼玉・川越東高出身。スポーツ科学部4年。内野手。右投左打。インタビュー中に何度も名前が登場した田中浩康コーチ。日頃からの熱心な指導に感謝の意を込めて、オールスターの富山遠征時にはホタルイカをおみやげに買って帰ったそうです。コーチ陣と良好な関係を築くことも、成績向上には不可欠ですね。