メディアからの質問に応じる池崎選手 「タックルでは、20G、30G、くらいが伸し掛かる、激しい衝撃のスポーツですね(池崎選手)」 大勢のオーディエンスを前に30Gの衝撃を語るのは、車いすラグビーの池崎大輔選手。 12日午後、東京ミッドタ…

メディアからの質問に応じる池崎選手

「タックルでは、20G、30G、くらいが伸し掛かる、激しい衝撃のスポーツですね(池崎選手)」

大勢のオーディエンスを前に30Gの衝撃を語るのは、車いすラグビーの池崎大輔選手。

12日午後、東京ミッドタウン日比谷にラグビー最強メンバーたちが集った。彼らは、車いすラグビー日本代表4選手だ。日本代表の主将を務める池透暢選手も姿をみせた。

応援旗を見つめる日本代表の主将を務める池選手

 日本代表選手が登壇した貴重な機会とあって、日比谷に勤務するワーカーたちも熱い視線を送り、彼らを激励した。来月16日から東京体育館で開催される車いすラグビーの世界大会を前に、大規模な壮行会が行われていたのだ。

世界の頂点を決める大会開催を約1ヶ月後に控えた2019年9月13日、さらなる大会の認知拡大・PRを目的に「車いすラグビーワールドチャレンジ2019 日本代表壮行イベント」が東京ミッドタウン日比谷で実施された。

日本代表選手から、車いすラグビーの競技説明や大会にかける意気込みは、日比谷に集まったオーディエンスにも伝えられ、パワフルな競技の魅力や世界トップレベルを誇る日本戦術の一部まで惜しげも無く披露。

「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」は、今秋の同時期に開催される「ラグビーワールドカップ2019」と“ダブルワールドラグビー”として気運を高めあう、重要な大会だ。

イベントのゲストには、元ラグビー日本代表であり日本ラグビーフットボール選手会代表理事の畠山健介氏が登場し、世界一を決めるラグビーの大会を前にエール交換を行った。

「ラグビーなのにボールを前に投げてもいいので、試合ルールが羨ましいですね!(畠山さん)」

(写真左から日本代表)池選手、池崎選手、乗松選手、今井選手(写真右)畠山氏

壮行会も行われたイベント会場では、競技用の車いすの展示や競技用ボールのお披露目、優勝盾などもお目見え。1日限りの貴重な展示が目白押し、大応援旗も登場。

世界大会へ向け東京・日比谷の街から士気を高めるべく、応援フラッグへの一筆目は、畠山氏が担当した。

巨大な応援フラッグに応援メッセージを書き込む畠山氏

「努力は、運を支配する」

畠山さんご自身が書き込んだメッセージも、日比谷の街を彩った。

取材・文 / スポーツブル編集部

写真協力 / スタジオアウパ 

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「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」は、10月16日(水)から20日(日)の5日間、東京体育館で開催される。

東京2020パラリンピックで金メダルを目指す車いすラグビー日本代表にとって今シーズン最大の大会であり、日本を含む世界トップクラス8チーム(オーストラリア・アメリカ・日本・カナダ・イギリス・フランス・ニュージーランド・ブラジル)が出場する大会だ。

<日程>
10月16日 10:15~試合
10月17日 10:15~試合
10月18日 10:15~試合
10月19日 10:15~7位/8位決定戦 12:45~5位/6位決定戦  16:15~準決勝戦(1) 19:15~準決勝戦(2)
10月20日 12:30~3位決定戦 16:00~決勝戦 18:00~閉会式

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「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」壮行会に登壇した日本代表4選手のプロフィールは、以下。

池透暢選手 クラス:3.0 所属チーム:Freedom 1980年7月21日生まれ 

19歳の時に交通事故に遭い、全身に大やけどを負う。一命はとり止めたが、左足を切断し、 左手は感覚を失う。交通事故で亡くした友人を思い、「生かされた証」を残そうと、中学時代にバスケットボール部員だったこともあり、車いすバスケを始める。2011年には日本代表候補の合宿に招致されるも落選。2012年ロンドンパラリンピックの試合をテレビで観たのを機に、車いすラグビーへの転向を決意。2013年1月から日本代表の合宿に呼ばれ、主力として活躍するようになる。翌14年からは日本代表のキャプテンを務め、16年リオデジャネイロパラリンピックで史上初の銅メダルを獲得。2018年8月の世界選手権では初優勝を達成。2020年東京パラリンピックでの金メダル獲得に大きな期待がかかる日本代表の大黒柱。日興アセットマネジメント株式会社所属。

池崎大輔選手 クラス:3.0 所属チーム:TOKYO SUNS 1978年1月23日生まれ

6歳の時に手足の筋力が徐々に低下する難病シャルコー・マリー・トゥース病と診断される。岩見沢高等養護学校在学中の1995年(17歳)から車いすバスケットボールを始めたが、やがて病のため腕の筋力が低下し、2008年(29歳)から車いすラグビーに転向。2010年車いすラグビー日本代表強化選手に選出され、2012年ロンドン・パラリンピック出場(日本チーム4 位)。2016年リオパラリンピックで銅メダルを獲得。2018年世界選手権では大会MVPに輝く。三菱商事株式会社所属。 

乗松聖矢選手 クラス:1.5 所属チーム:Fukuoka Dandelion 1990年4月2日生まれ 

1990年生まれ、熊本県出身。徐々に手足に力が入らなくなる先天性の「シャルコー・マリー・トゥース病」のため、12歳から車いす生活を送る。16歳で車いすバスケットボールを始め、その後23歳で、上肢にも障がいがあることで参加資格を得られる車いすラグビーへ転向。半年後には早くも日本代表候補に選ばれる。リオ2016パラリンピックではアシストを中心とするローポインターでありながら自らゴールを決めるなど積極的なプレーで、同競技史上初の銅メダル獲得に貢献、東京都都民スポーツ大賞を受賞。2018年オーストラリアで開催されたワールドチャンピオンシップの優勝メンバー。SMBC日興証券株式会社所属。 

今井友明選手 クラス:1.0 所属チーム:TOKYO SUNS 1983年3月12日生まれ

中学校3年生の時に、プールに飛び込んだ際に床に頭を打ち、首の骨を折る。2009年、25歳の時にRIZE CHIBAの官野一彦選手に誘われ、競技を開始する。2013年には1.0クラスで日本代表に選出。2015年には日本代表のアジア・オセアニア・チャンピオンシップ優勝に貢献し、1.0クラスでベストプレーヤー賞を受賞。2016年リオデジャネイロパラリンピックにて日本代表チーム初めてとなる銅メダルを獲得。2018年の世界選手権でも主要メンバーとして活躍、初優勝を飾った。三菱商事株式会社所属。