大御所WRCメディア、マーティン・ホームズが、長年の経験に基づく独自の視点で切り込むMartin’s eye。今週末開催されるラリートルコは、マニュファクチャラーズ選手権チームにとってはロジスティック面でもビッグチャレンジとなるイベント。最も長距離を移動するMスポーツ・フォードの苦労をまとめた。

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英国・北イングランドに拠点を置くMスポーツ・フォードにとって、ラリートルコへの移動は陸送の中で最も長距離を強いられる長旅。チームのトラックが移動するプランを簡単にまとめてみた。チーム拠点のあるドベンビーからイタリアのトリエステまで、約2100kmの道のりだ。

●8月30日 補充トラックがイタリアのトリエステに向けてMスポーツを出発。
●9月1日 WRカー、R5マシン、レッキ車のトランスポーターもトリエステに向けてMスポーツを出発。さらに、トラックドライバー2名がドイツに飛び、WRCドイツ戦の後にパーツを収めたセットアップトラック2台を回収して、トリエステに向けて移動。
●9月2日 最後のトラックドライバーがドイツに飛び、レッキ車を収めた最後のトラックを回収してトリエステに移動。
●9月3日 補充トラックとセットアップトラックがトリエステに到着。20時にRoRo船(貨物船)に載せて、トリエステを出発。トラックドライバー3人は翌日、トルコに向けて空路で移動。
●9月5日 残りのトラック全てがトリエステに到着。20時にRoRo船に載せて、トリエステを出発。最後のトラックドライバー3人は翌日、トルコに向けて空路で移動。
●9月6日 補充トラックとセットアップトラックが13時にチェスメに到着。最初のトラックドライバー3人が引き取り、税関を通過した後、サービスパークまで陸送
 *チェスメはマルマリス最寄りの国際フェリー港で、マルマリスまでは350kmほど。
●9月7日 全トラックドライバーが、セットアップを開始。
●9月8日 4人のトラックドライバーがチェスメに向かい、13時に到着する最後のトラックを引き取り、税関通過後にサービスパークまで陸送。

ここまで来れば、あとはラリーをして、家に戻るだけ。次のWRC戦はウエールズ・ラリーGBだ。

ちなみに1975年。危うく最悪の事態を迎える状況が迫っていた。WRCサンレモラリーに向けて、フォードのオフィシャルチーム用のタイヤとホイールを運んでいたトラックが、通関に長時間を要し、チームがラリーをスタートできないことも懸念されていたのだ。
(Martin Holmes)