写真=FIBA.com

「僕らは強い、ミラクルなんて言わないでくれ」

バスケワールドカップの準々決勝、アルゼンチンvsセルビアの一戦は、97-87でアルゼンチンが勝利し、準決勝進出を決めた。

ベスト8に相応しい一進一退の攻防が続いた中、アルゼンチンが終盤の勝負どころで真価を発揮する。

68-70で迎えた第4クォーター残り8分14秒、アルゼンチンはパトリシオ・ガリーノの3ポイントシュートで逆転すると、着実に得点を重ねてリードを拡大。一方のセルビアは劣勢に立ったことで焦り、自らリズムを乱していく。残り3分17秒、ルイス・スコラが気迫のレイアップをねじ込んで87-76。このプレーでセルビアの闘志はくじけてしまった。

チームハイの20得点を決めたスコラは「これは奇跡なんかじゃない。奇跡とかサプライズとか言われると腹が立つよ」と語る。

「どうして誰もアルゼンチンの実力を信じないのかな。これは奇跡なんかじゃない。僕らは優れたチームだし、これまでも素晴らしいプレーをしてきた。ベスト4進出は当然の結果だと思っているんだ。『ミラクルだと思うか?』なんて質問は受け付けないよ」

ガリーノも「自分たちの力を信じていた。不可能なことではなかった」と続く。「僕たちはエネルギーに満ちたチームで、今日は自分たちがやりたかった試合をやれた。セルビアを恐れることなく、ハードにプレーした。これだけ優れた選手が揃っているんだから不可能なことじゃない。勝ち上がるための方法を見つけられただけさ」

3連覇を狙うアメリカを止める唯一のチームとまで言われたセルビアはここで敗退。ボグダン・ボグダノビッチは「メダルを獲得するチャンスを失ってしまった」と肩を落とす。「もっと良い守備をすべきだったし、もっと集中すべきだった。今の自分たちにできるのは、5位を目指すことだけ」

アルゼンチンは、今夜行なわれるアメリカvsフランスの勝者と準決勝で対戦する。