遺恨がクローズアップされがちなスポーツの「日韓戦」だが、今回ばかりは違った。U18W杯野球で高校球児が見せたフェアプレー精神が話題となっている。 6日に韓国・機張で行われたスーパーラウンドで両国が対戦。9回2死一塁の場面で、日…


 遺恨がクローズアップされがちなスポーツの「日韓戦」だが、今回ばかりは違った。U18W杯野球で高校球児が見せたフェアプレー精神が話題となっている。

 6日に韓国・機張で行われたスーパーラウンドで両国が対戦。9回2死一塁の場面で、日本の宮城大弥投手(興南)が、韓国リー・ジュヒョン選手の頭部に当ててしまった。死球で一塁に到達したリー選手に対し、マウンドの宮城投手は帽子を取って頭を下げ、謝罪の意を示した。これを見たリー選手もヘルメットを脱いで、ペコリと頭を下げて応えた。

心温まるフェアプレーに世界中から温かいコメント

 このシーンを大会公式ツイッターが紹介すると、動画再生回数が20万回を突破。

さまざまな動画を特集する同サイトでは異例の反響となり、コメント欄には日本語、韓国語、英語など海外ファンからも書き込みがあふれた。

 「いいシーンだった」

 「清々しい場面に感動」

 「ちょっとだけ涙腺が緩くなった」

 「2人の若者に多くを学ぶ必要がある」

引用:WBSC公式Twitter

 日韓関係悪化の影響が心配された大会だったが、2人の高校球児がお互いに敬意を払い、自然と出たフェアプレーの姿は、多くの大人の胸を打つものになった。

 韓国メディアも反応した。韓国紙・スポーツ京郷は「熾烈な韓日戦の勝負の中で輝くスポーツマンシップ」「Respect」の見出しで記事を掲載。場面の詳細をリポートし、ライバル対決の注目シーンとして取り上げた。

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 この試合、日本らしい気遣いは他にもあった。5回2死一、二塁の場面。韓国選手が右前打を放ち、二塁走者が本塁へ突入したが、好返球でタイミングは悠々アウトだった。ベースから離れて滑り込んだ走者は、ホームに向かうことをあきらめた。日本の水上桂捕手(明石商3年)は走者へのタッチが不十分と追いかけたが、最短距離にあったヘルメットではなく、背中に軽くタッチ。頭に激しくタッチしてもおかしくない場面だが、落ち着いて対処。必要以上に刺激することなく、試合を進めた。

 互いに負けられない意地をぶつけ合った一戦は延長10回、タイブレークの末に4-5で韓国にサヨナラ負けを喫した。ミスに泣いた日本ナインは涙を流したが、日韓戦特有の後味の悪さはない。正々堂々と戦った両チームには「世界中から」大きな拍手が送られた。

【U18W杯最終成績】
優勝 台湾
2位 アメリカ
3位 韓国
4位 オーストラリア
5位 日本
6位 カナダ

【日本の試合結果】
1次ラウンド
○日本4-2スペイン
○日本19-0南アフリカ
○日本16-7アメリカ
●日本1-3台湾
○日本5-1パナマ
(4勝1敗、1位通過)

スーパーラウンド
○日本5-1カナダ
●日本4-5韓国
●日本1-4オーストラリア
(1次ラウンド上位チームとの成績も持ち越し、2勝3敗で5位)

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]