残暑が厳しく、また台風15号が接近している影響で大気が不安定な中、関東大学対抗戦(対抗戦)の筑波大との一戦が行われた。筑波大は昨年の対抗戦で5位に入り、突破力が武器のBKを中心に上位校を倒すポテンシャルを持つ。そのため接戦になることが…

   残暑が厳しく、また台風15号が接近している影響で大気が不安定な中、関東大学対抗戦(対抗戦)の筑波大との一戦が行われた。筑波大は昨年の対抗戦で5位に入り、突破力が武器のBKを中心に上位校を倒すポテンシャルを持つ。そのため接戦になることが予想された。慶大は大半の時間を敵陣でプレーするも、試合終了間際に、立て続けに2トライを浴び逆転負け。試合を通して主導権を握り続けていただけに悔しい敗戦となった。

   前半は序盤から慶大がスクラムやブレイクダウンで優位に立ち、ペナルティーキックから常に敵陣深くでプレーを展開する。しかし筑波大のゴールライン際での粘りに苦しめられ、さらには反則などのミスもあり、トライには至らず。もどかしい状況が続く中、試合が動いたのは前半23分。慶大が敵陣深くでのラインアウトからラックを形成すると、後方から飛び出してパスを受けたフランカーの川合秀和がタックルをかわしてラックサイドを突破。そのままゴールラインを割り、待望の1トライ目を挙げた。その後もラインアウトのパスカットなどからゴールに迫るが、互いのFWによる攻防を制することはできず。また前半終了間際には筑波BKの攻勢に遭うも、慶大も堅いディフェンスで突破を許さず、7-0で前半を終えた。


今季対抗戦初スタメンとなったCTB栗原由太主将

   後半も慶大ペースで試合は進む。6分、慶大がラインアウトからCTB栗原由太主将、FB小谷田尚紀とつないでゴール際までビッグゲイン。前半は同じような局面を作りながらも得点に結びつけられなかったが、ロックの今野勇久がディフェンスの隙間を突破し、幸先よくトライ。しかし後半9分、筑波のインゴールに入ったクロスキックをキャッチされ、そのままトライを許す。次第に筑波大がボールを持つ時間が多くなり、慶大がゴール際まで追いつめられる場面も見られるようになった。流れを引き戻したい慶大は後半33分、筑波のノットリリースザボールからペナルティーキックを選択。決まれば1トライ1ゴール以上の差となるところだったが、SO中楠一期のキックはわずかにポールからそれる。しかし、その後も慶大はミスがありながらも敵陣深くで攻め続け、このまま勝利を収めるかと思われた。

 だが、慶大のこのキックミスから展開は一変する。左サイドから右サイドにパスを回して攻め込む筑波大のBKに対し、終盤になって疲れの見える慶大ディフェンス陣はラインブレイクを許してしまう。最後は右サイドに展開する筑波大BKに必死に追いすがるも及ばず、WTBにトライを決められてしまった。残り5分で2点差。慶大優勢のムードが一気に変わった瞬間だった。その後再び慶大が形勢を立て直してFWを中心に敵陣に侵入するも、やはりラックから攻め手を欠き痛恨の反則。するとここから筑波大のCTBに守備の間隙を突かれ、再び右サイドから攻め込まれてしまう。慶大ディフェンス陣はラックでゴールラインを死守するも、空いた左サイドを突かれてそのままトライを献上。14-17でノーサイドとなり、慶大が手中に収めかけた勝利はラストワンプレーで筑波大に奪われてしまった。 


筑波ディフェンス陣を置き去りにする小谷田

   最終盤でまさかの逆転負けを喫した慶大。先日の青学大戦同様に主導権を握り敵陣深くまで迫るものの、決定力不足や細かい反則に苦しんだ。また暑さもあり、後半の筑波大の攻撃に足が鈍ってしまったことも課題に挙げられる。この結果により全国大学選手権出場権争いは混戦が予想され、慶大もその渦中で厳しい戦いを強いられることになるだろう。次戦の成蹊大戦では課題を修正し、今後につながるかたちで勝利につなげたい。

(記事 名倉由夏、写真 橋口遼太郎、岡秀樹)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

関東大学対抗戦
慶大スコア筑波大
前半後半得点前半後半
17
14合計17
【得点】▽トライ 川合、今野 ▽ゴール 中楠(2G)  
※得点者は慶大のみ記載
  
関東大学対抗戦Aグループ順位表(9月11日現在)
順位チーム試合得点失点得失トライ
明大22001983816030
早大22001601015024
帝京大22001373710021
筑波大21015073‐238
慶大21014920297
日体大200240127‐875
青学大20023127‐1240
成蹊大200212213‐2012
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。
関東大学対抗戦Aグループ星取表
 帝京大早大慶大明大筑波大青学大日体大成蹊大
帝京大11/10 14:00秩父宮11/30 11:30秩父宮11/24 14:00秩父宮11/4 14:00駒沢9/14 15:00大和◯59‐30◯78‐7
早大11/10 14:00秩父宮11/23 14:00秩父宮12/1 14:00秩父宮9/15 16:00ケーズデンキ◯92‐0◯68‐1011/4 11:30駒沢
慶大11/30 11:30秩父宮11/23 14:00秩父宮11/10 11:30秩父宮●14‐17◯35‐311/4 14:00上柚木9/14 11:30秋葉台
明大11/24 14:00秩父宮12/1 14:00秩父宮11/10 11:30秩父宮◯59‐3311/4 11:30上柚木9/15 15:00足利◯139‐5
筑波大11/4 14:00駒沢9/15 16:00ケーズデンキ◯17‐14●33‐5911/30 14:00江戸川11/24 14:00敷島11/10 14:00熊谷B
青学大9/14 15:00大和●0-92●3‐3511/4 11:30上柚木11/30 14:00江戸川11/10 11:30熊谷B11/24 11:30敷島
日体大●30‐59●10‐6811/4 14:00上柚木9/15 15:00足利11/24 14:00敷島11/10 11:30熊谷B11/30 11:30江戸川
成蹊大●7‐7811/4 11:30駒沢9/14 15:00秋葉台●5‐13911/10 14:00熊谷B11/24 11:30敷島11/30 11:30江戸川

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、菅平は菅平サニアパークM/C、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、上柚木は上柚木公園陸上競技場、たつのこFは茨城たつのこフィールド、ケーズデンキはケーズデンキスタジアム水戸、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場。