写真=FIBA.com

「誰かがケガをするところなんて見たくはない」

9月7日に行なわれたアメリカ対ギリシャの注目の一戦は、後味の悪い形で終わった。

第4クォーター残り1分46秒、ハリソン・バーンズがスティールからダンクを狙った際、ギリシャのタナシス・アデトクンボが背後から猛烈なスピードでバーンズを追いかけてブロック。バーンズはコートの外に弾き飛ばされ、カメラマンと衝突した。幸いにもケガはなかったとはいえ、これがNBAの試合だったら、アデトクンボの行為はフレイグラントファウル2で一発退場となっていても不思議ではないほど危険だった。

すでにアメリカが勝負を決めていた場面で、ギリシャの選手たちもフラストレーションを溜めていたという側面はあるにせよ、アデトクンボの行為は非難されて当然だった。試合終了後、コートではマーカス・スマート、ジェイレン・ブラウンがヤニス、タナシスと言い合いになり、両チームの選手とコーチが間に入る場面も見られた。

スマートは「あのハードファウルには腹が立った」と、試合後に語った。

「あの時点で勝負はついていたわけで、あんな形でブロックする必要なんてない。今は、ケガを回避しないといけない時期なんだ、誰かがケガをするところなんて見たくはない。それを彼らに伝えた。彼(タナシス)にとって学習すべき場面。もし立場が逆転した状態で、自分たちの誰かがギリシャの誰かに似たようなことをやったら、全然違う話になっている。彼には今回のことで学習してもらいたい」

アデトクンボ兄弟とのやり取りについて聞かれたスマートは「ヤニスに言葉をかけて、彼も自分に言ってきたことがあった。でも、お互いに大きな目標があるのだから、前に進むだけさ」と、説明した。

2次ラウンドも佳境を迎え、準々決勝からはノックアウト形式で進む。試合の強度はより激しさを増していくだろうが、選手たちには今回のような形で注目されるのではなく、素晴らしい競い合い、ハイレベルなプレーが話題の中心になる試合を見せてもらいたい。