アメリカ・シンシナティで開催されている「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/8月15~21日/賞金総額436万2385ドル/ハードコー ト)の男子シングルス2回戦で、リオ五輪シングルスの金メダリスト、アンディ・マレー(イギリ…

 アメリカ・シンシナティで開催されている「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/8月15~21日/賞金総額436万2385ドル/ハードコー ト)の男子シングルス2回戦で、リオ五輪シングルスの金メダリスト、アンディ・マレー(イギリス)がフアン・モナコ(アルゼンチン)を6-3 6-2で下し、3回戦に進出した。

 1回戦がBYE(免除)だったマレーだが、17日水曜日の試合日に、まだ対戦相手の1回戦が終わっていなかったため、彼の試合はナイターの一番遅い時間に組まれた。同日の早めの午後に1回戦でイボ・カルロビッチ(クロアチア)を倒した32歳のモナコのほうは、一日に2試合戦うことを強いられていた。  ボールに慣れるのに難しさを覚えたというマレーは、第1セットの途中で、右肩の治療のためトレーナーを呼んだ。最後の11ゲームのうち9ゲームを奪ったことから見ても、尻上がりに調子を上げての勝利だった。  「ここのボールはほかとは違う。テニス選手にとって慣れるのは容易なことではない。かなり注意をしなければならないことなんだ」とマレーは言った。

 「インパクトのときのラケットの感覚をまったく変えてしまうんだよ。打ったときに体が感じるフィーリングも違う。サービスは、第2セットのほうがよくなっていたね。出だしでは少し(肩に)痛みがあったんだ。このところ多くの試合に出ていたということもあったけど、ボールが変わったせいでもある」  先の日曜日にリオ五輪で、マレーはフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を4セットの戦いの末に下した。マレーはシンシナティに到着したとき、連戦となった五輪で、決勝の4セットがいかに肉体的にきつく感じられたか、そのあとのリオからの旅でいかに疲労しているかを漏らし、雨で試合が先延ばしになればありがたいとさえ口走っていた。  マレーは18日の木曜日にケビン・アンダーソン(南アフリカ)と対戦する。アンダーソンは、第13シードのリシャール・ガスケ(フランス)を6-2 6-4で下して勝ち上がった。マレーはこのシンシナティで、2008年から2011年に優勝しており、出場した11回のうち8回準々決勝に至っている。  また、やはりリオ五輪テニス競技の最終日まで戦ったラファエル・ナダル(スペイン)は、同日、マレーの前の試合でパブロ・クエバス(ウルグアイ)を6-1 7-6(4)で倒した。  2013年の優勝者である第3シードのナダルは、リオ五輪の男子ダブルスでマルク・ロペスとペアを組み、金メダルを獲得した。男子シングルスは銅メダルをかけた3位決定戦にまわり、錦織圭(日本/日清食品)に敗れている。五輪に先立ち、ナダルは故障のため2ヵ月半プレーできないでいた。  「いいプレーができたと思う」とナダルは試合後に言った。「僕にとっての初戦で、厳しい相手(クエバス)にいい試合ができたと思う。体力を消耗する“マラソン”のようなリオでの連戦のあとにも関わらず、今日勝てたというのはすごく重要なことだ。だからとてもうれしいよ」。  2月にリオで開催されたクレー大会でクエバスに敗れていたナダルは、その雪辱を果たした。

 ナダルは3回戦でボルナ・チョリッチ(クロアチア)と対戦する。チョリッチは第14シードのニック・キリオス(オーストラリア)を7-6(2) 4-6 7-6(6)の大接戦の末に、倒して勝ち上がった。  ディフェンディング・チャンピオンのロジャー・フェデラー(スイス)と、世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は故障のため欠場している。(C)AP