全国優勝校として臨んだ関東女子大学秋季対抗戦。4位スタートの2日目、一時は早大に5打のリードを許す展開に。しかし、トータル3アンダーにまとめた花渕里帆(営2=千葉学芸)の活躍で見事逆転。4位をもぎ取り、信夫杯への出場権を獲得した。 王者と…

 全国優勝校として臨んだ関東女子大学秋季対抗戦。4位スタートの2日目、一時は早大に5打のリードを許す展開に。しかし、トータル3アンダーにまとめた花渕里帆(営2=千葉学芸)の活躍で見事逆転。4位をもぎ取り、信夫杯への出場権を獲得した。

 王者としての再出発は苦しい幕開けとなった。初日は昨季からの課題であるスタートダッシュが決まらず、いきなりの出遅れ。首位の日大とは20打差と大きく離される。ショットやパターの精度にバーディーチャンスの決定率。わずかなほころびが、チーム全体のストローク数に大きく響いていた。「全国出場を逃してしまったらみっともない」(榎本剛之監督)からもうかがえる〝日本一〟の重圧。全国2冠が懸かる信夫杯は、出場権獲得さえ危ぶまれた。

 しかし、その重圧をはねのけたのが花渕だ。初日、チームでただ1人アンダーで回ると、2日目も崩れることなく2アンダー。「彼女がコケたら正直終わり」(太田将太コーチ)。指導陣からも絶大な信頼を誇るエースが、スコアでチームを勢いづける。最終ホールでは「落とさず確実にパーで上がろう」という太田コーチのアドバイス通り、パーでカップイン。〝自分の一打で勝負が決まる〟場面でも、エースにふさわしい堂々のプレーが光った。

 とはいえ、全国制覇にはチーム全員が結果を残すことは絶対条件だ。信夫杯出場を逃した5位早大との差はわずか2打差。勝敗を分けたのは〝王者の意地〟であり全員の諦めない気持ちにある。「全国に出場することが一番大事」(花渕)。最終18ホールを全員がパーでまとめたことは確かな成長の証だ。必死に食らいつき手にした信夫杯出場、目指すは優勝のみ。秋の全国を制し、真の頂に立つ。

[仁科せい]

試合後のコメント

榎本監督

――今大会を振り返っていかがですか。

 「(2日目)前半を終えて早大に5打もリードされて厳しいと思っていたのですが、後半みんな頑張ってくれて。最後まで諦めなかった気持ちが結果的に勝ったのかなと。春季全国優勝をして、秋に全国出場を逃してしまったら、示しがつかないしみっともない。だから全国出場にはしがみつこうと思ってやりました」

花渕

――4位という結果に終わりました。

 「優勝はしたかったですけど、全国に出場できることが一番大事なので、良かったです」

――追いかける2日目後半、意識したことはありますか。

 「とりあえず(スコアを)へこませることしか考えていなかったです」

太田コーチ

――各選手のプレーはいかがでしたか。

 「花渕は5人目、いわゆるエースの位置でしっかり3アンダーのスコアを作ってきて、本当にナイスプレーですね。あとは高橋幸(営1=埼玉栄)が、初日の後半OB(アウトオブバウンズ)を打ったホールを克服して、今日はパーで切り抜けました。結果74で後半も精いっぱい粘り切ったのかなと。あとは石川聖奈(商1=拓大紅陵)。後半でやはり伸ばしてくれて、途中(9ホールでは)いいバーディーを取れましたね」