TEAM1P2P3P4P計西九州大22239早大874524▽得点者田中7、樋爪5、土橋奏5、土橋玄2、中井2、上中、岡田、塩原 日本学生選手権(インカレ)が初日を迎えた。開幕初戦の早大の相手は西九州大。前半の第1、2ピリオドでは上級生を中…

TEAM1P2P3P4P
西九州大
早大24
▽得点者
田中7、樋爪5、土橋奏5、土橋玄2、中井2、上中、岡田、塩原

 日本学生選手権(インカレ)が初日を迎えた。開幕初戦の早大の相手は西九州大。前半の第1、2ピリオドでは上級生を中心に試合を優位に進めた。眞板晃生主将(スポ4=東京・明大中野)が「早く点を決めて後輩たちを少しでも試合に出場させることができるように」と試合後に語ったように、後半からは1、2年生中心のチーム編成に。それでもなお点差を広げ続けると、インカレ初戦を見事勝利で飾った。

 第1ピリオド開始とともに始まったボールの争奪戦。まず、土橋奏太(教1=長崎西)がボール奪取に成功した。すぐさま前線へのロングパスが供給されると、それを起点にパスがつながる。再びボールを手にした土橋奏がシュートを放つと、ゴールネットは揺らいだ。試合開始22秒後のことだった。「点を取って緊張をほぐしたりチームを楽にしたい」という土橋奏の思い通りのプレーになった。幸先の良いスタートを切った早大は田中要(スポ3=埼玉・秀明英光)の3得点の活躍もあり、このピリオドを8-2と勝ち越しで終えた。続く第2ピリオド。ここでも先制点を取ったのは早大だった。第1ピリオドよりもパス回しの精度が上がると得点の機会も増え、より攻撃的に。このピリオド7点を獲得すると前半を15-4で終え、点差を広げた。


シュートを放つ田中

 続いて試合後半となる第3ピリオド。1、2年生中心のチーム編成になり、若手が活躍するピリオドに。3分45秒には中井慶(政経1=沖縄・那覇西)からのアシストを受けた上中大樹(人2=広島学院)が試合初得点を決めると、会場には歓声が響いた。出場メンバーの中で唯一得点の機会に恵まれてこなかった塩原柊(政経1=東京・早大学院)もピリオド終了51秒前に、シュートを決めた。フィールド中央からボールを自ら運んでからのシュート選択だった。これにより、1年生全員が得点を決めたことになった。「僕以外みんな得点できていたので、結構焦っていた」という塩原も最後は冷静にシュートを決めた。終盤には各選手がパスカットにも果敢に挑戦し、第1ピリオドから続く、攻める試合展開をさらに加速させた。そして最終第4ピリオド。1対1の状況でも、2人に挟み込まれても、得点を重ねた田中がここでも大活躍。このピリオドで3点を獲得した田中はチーム試合最多となる7点を獲得したのだった。


ゴールを死守する谷健太朗(スポ1=東京・明大中野)

 最終的に早大はこの試合24点を獲得し、相手チームに15点の大差を付けて勝利した。この試合では、24点という大量得点に加え、出場した1年生全員が得点したことに価値があるだろう。これは田中が指摘するように「1年生も実力があり、バランスの良いチーム」ならではの結果だった。これからも1年生を含む全員が得点に絡めるようなバランスの良いチームを築き上げていければ、強豪校と互角に渡り合えるに違いない。また、1年生から活躍ができれば、早大水球部の将来も明るい。まずはあすの慶大戦。リーグ戦の順位で勝る早大も、早慶戦では昨年に続き連敗を喫している。その時の思いも胸に、眞板主将が言った「絶対勝ちます」が有言実行されることに期待したい。

(記事 大貫潤太、写真 芦澤りさ、佐鳥萌美)

コメント

眞板晃生(スポ4=東京・明大中野)

――日本学生選手権(インカレ)前の練習ではどのような部分を強化されましたか

早慶戦までは少人数攻めとかをやっていたんですけど、インカレではそれでは通用しないと考えて、1年生の強化も図って全員で守って全員で攻めるという全体の強化をしました。誰かが突出したチームじゃなくて、全員が同じくらいの力を持ったチームを目指して練習してきました。

――インカレが始まりましたが手応えはどうですか

チームとしては仕上がってきていますね。個人としてはきょうの試合だけを振り返ると、良くないです。こういう風にはなると思っていたんですけど、気にせず次の試合に臨みたいと思います。

――きょうはどのような意気込みで試合に臨まれましたか

きょうは格下相手だったんで、早く点を決めて後輩たちを少しでも試合に出場させることができるようにという思いで試合に臨みました。

――実際にやってみていかがでしたか

イメージ通りにその通りになりました。

――きょうは試合に出る機会が少なかったように見えたのですが、あすに向けた対策なのでしょうか

納得のいかないファールだったんですけど、個人的に2個退水が付いちゃったので、(※)永退(永久退水)にならないためにすぐに上がりました。

――試合が進むにつれて、点差が開いていったように見えましたが

負ける相手じゃないので、これぐらいやらないとベスト4、決勝といった階段は上がれないと思っています。これくらいは当たり前かなと思います。強気な姿勢で挑みました。

――以前と比較してチームの決定力が上がっているように見えました

それは全体の強化を図ったので、今まで決定権にいなかった選手も、力を上げて決められるようになりました。全体の強化につながっていると思います。

――守備の面はいかがですか

はっきりいってきょうの試合はあんまりあてにならないので、あす次第ですかね。学生リーグとかよりもレベルが違うほど弱かったので、あんまりきょうの試合ではわからないです。夏鍛えられたものがあすのリベンジの舞台でどう生かせるか。あす次第だと思っています。

――最後にあすへの意気込みをお願いします

絶対勝ちます。

田中要(スポ3=埼玉・秀明英光)

――20点近く点差の離れた試合でしたが

相手がそんなに強くないと分かっていたので、勝てるだろうなと思っていたのですが、勝つことを目標にしていませんでした。次は慶大(との試合)で、接戦になると予想されているので、きょうダラダラと試合をしてそのままあすの試合へもつれ込むというのは良くないと思っていたので、最初からしっかりカウンターいくところはいったり、ドライブも全力でやったりしました。相手は弱いからいいやという気持ちではなく、礼儀をもって臨みました。

――7得点決められましたが、ご自身の攻撃に関してはいかがですか

多分攻める頻度としてはあすも同じくらい攻めると思うので、明日もこのくらいのヒット率でいけたらいいなと思います。

――夏の期間はどんなことを強化、練習してきましたか

チームの半分を占める1年生の強化に取り組みました。

――1年生の活躍がきょうは目立っていました

1年生は緊張していると思うので、今回は緊張をほぐす意味でも多く攻めさせました。

――今のチームの状態はいかがですか

夏の強化で、1年生もある程度実力を付けてきて個の力も付いてきたので、バランスの良いチームになってきたのかなという印象です。

――次戦の慶大との対戦に向けて意気込みをお願いします

早慶戦なので、やっぱり他のチームと対戦するよりも思い入れが強いですが、そこで緊張せずに楽しんで水球することを忘れず、必ず勝ちたいと思います。

土橋奏太(教1=長崎西)

――初めてのインカレでした

僕自身、高校時代インハイ(全国高等学校総合体育大会)に出たことがなかったため、選手権というものに憧れがありました。早稲田大学に進学してレベルの高い先輩方と同じ舞台でプレーできたことは、とてもうれしかったです。

――先制点を決められました

リーグ戦(関東学生リーグ戦)と早慶戦では、きょうの試合とは別のポジションをやっていて、今回から1番点を取るフローターというポジションになったのですが、そのポジションを任されたからには点を取って緊張をほぐしたりチームを楽にしたいなと思っていたのでよかったです。

――夏の期間にポジション変更があったのですか

そうですね。そのポジションの人がけがをしたことがきっかけでした。それで試しにやってみたら、まだまだなのですがそのポジションのプレーが少しできて点をもっと決めたいなと思いました。先輩たちもそこで頑張ってほしいとのことだったので、そのポジションで頑張っています。

――今日の試合を振り返っていかがですか

初戦ということでチームの雰囲気や今後の試合にも影響を及ぼすと思うので、とにかく油断はせずに自分たちのプレーを最初から出していこうと思いました。結果としては少しいらない失点とかもあったり、僕自身も点を取れるところがもっとありました。次の慶大は少しレベルが上がるので、そういったチームでも得点に絡めるようにしたいです。

――夏は何を重点的に強化しましたか

まず足の強化を重点的にしました。あとは1年生の動きがまだまだレベルが低いというか、先輩たちに合わせきれてない部分があったのでチーム全体の力を上げるために1年生対2、3、4年生という試合を頻繁にやって1年生から動けるように練習しました。

――きょうの試合では1年生全員が得点をするなど活躍が見られました

今までのリーグ戦や早慶戦に比べると、積極性という点では上がったのですがまだまだシュート精度や周りを見るという点はできていない部分が多いので、きょうの試合を振り返ってあすの慶大戦でも1年生がしっかりとプレーして、先輩方に繋げられればいいと思います。

――その慶大戦へ意気込みをお願いします

早慶戦では物凄い悔しい思いをしたので、とにかく絶対勝つという覚悟を持って自分たちがやってきたことだけを試合で表現できたらいいなと思います。

塩原柊(政経1=東京・早大学院)

――初めて臨むインカレを終えてみていかがですか

初のインカレということもあって、結構最初は緊張していたんですけど、得点もできたので良かったかなと思います。

――チームの一員としてきょうの試合展開をどのように分析しますか

前半ちょっと浮き足だった部分もあって、失点はあったんですけど、徐々に修正していけました。後半(第3ピリオド以降)は1、2年生中心のチームでやってみて、それなりにできたので良かったかなと思います。

――第3ピリオドではコート中央から自らボールを運び、インカレ初得点につなげました。得点直後のお気持ちは

とりあえずほっとしましたね。あの時は僕以外みんな得点できていたので、結構焦っていて、ゴール決めなきゃなという感じでした。

――攻撃面ではご自身も得点されて活躍されましたが、一方の守備面で反省などはありますか

守備では1対1をつくられてしまったので、そこはキーパーとの連係をしっかりして修正していきたいです。

――明日は慶大戦になりますが、きょうの試合の反省やあすへの意気込みなどがあれば教えて下さい

前回、早慶戦で負けてしまっている相手なので、個人的な部分では、今回の反省点である、1対1の場面を作られないことを意識して臨みたいと思います。

※退水が累積3回となった選手は、残り時間試合に出場できない。