ついにベールを脱いだ。熱戦が続くU18W杯。ここまで一度もマウンドに上がっていなかった星稜高・奥川恭伸投手(3年)が、…

 ついにベールを脱いだ。熱戦が続くU18W杯。ここまで一度もマウンドに上がっていなかった星稜高・奥川恭伸投手(3年)が、5日のカナダ戦先発でデビュー。7回103球を投げ、2安打1失点で、U18W杯での日本人投手最多となる18奪三振という快投でスーパーラウンド初戦を白星発進に導いた。

決勝も登板可能に


 奥川は記憶に新しい甲子園での熱投の疲労を考慮され、温存されてきた。甲子園決勝以来、14日ぶりの実戦登板。武器であるスライダーが冴えに冴え渡り、18三振中14個はスライダーで奪った。

 また今大会は球数制限の規定がある。1試合で50球以上投げると中1日の登板間隔が必要。105球以上の場合は中4日の休養を設けないといけない。奥川は103球と「あと2球」のところで7回を締めて降板。8日の決勝戦に登板するための態勢もしっかりと整えた。

 甲子園でつかめなかった頂点の座へ。世界一を懸けた決勝のマウンドが用意されるとなれば、これ以上のシナリオはないと言っていいだろう。

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気になるのは気候

 一方で、脅威となりつつあるのが天気だ。台風13号は朝鮮半島を縦断する進路を取っている。本格上陸は7日の予報だが、6日の午後6時開始の韓国戦でも、相当量の降雨が予想されている。

 それだけではない。13号の南西には、台風14号も控えている。13号の後を追うように、こちらも8日には朝鮮半島に迫る見込み。仮に進路がずれたとしても、その南には台風15号も発展しており、こちらは日本列島へ向かう進路となりそうだ。

 高校生らが参加している今大会には、実は延長規定がない。全試合を消化できない場合でも、大会は最終日予定の8日で打ち切られる。残る試合が全て中止となり、その時点での勝率で優勝が決まることとなる。決勝戦のないまま、閉幕となる可能性さえゼロではない。

奥川の身体にとっては…

 もっとも奥川は甲子園の3回戦・智弁和歌山戦で165球もの死闘を演じた。準々決勝は登板回避したが、準決勝で再び先発し7回無失点、87球。中1日で臨んだ決勝の履正社戦では5失点とらしくない投球で精彩を欠いた。過去の甲子園に比べれば比較的緩やかな日程ではあったが、疲労が蓄積していたことは誰の目にも明らかではあった。

 その疲労を引きずったまま、奥川は韓国へ渡った。1次ラウンドでは同じく「高校四天王」の一角に挙げられていた創志学園の西純也投手がチームを引っ張った。県大会で敗れ休養十分だったこともあり、3連投で大車輪の活躍をし、野手出場した8月31日の南アフリカ戦では2本塁打を含む8打点と大暴れ。前評判ではなく、調整過程が結果を分けている格好だ。

 甲子園直後の大会で奥川の肉体を心配する声も多かった。世界の頂点を決める舞台で好投する奥川の姿を望むファンの方々も多い。でもその一方で、プロ入りを前に無理させることなく将来性を最優先させるならば、次々と迫り来る台風が奥川にとっての「恵みの雨」となる可能性も否定はできない。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]