準決勝の相手は関西地区第2代表の関大。同じスクールカラーの紫紺対決に加え、明関定期戦は今年で73回を数える仲の伝統の一戦となった。立ち上がりから猛攻を仕掛け佐藤亮主将、中村帆の連続ゴールで前半から2点を先制。後半は1点を返されたが、反撃を…

 準決勝の相手は関西地区第2代表の関大。同じスクールカラーの紫紺対決に加え、明関定期戦は今年で73回を数える仲の伝統の一戦となった。立ち上がりから猛攻を仕掛け佐藤亮主将、中村帆の連続ゴールで前半から2点を先制。後半は1点を返されたが、反撃を封じ切り2―1で試合終了。今年で43回目の開催を迎える同大会において、史上初となる5年連続での決勝戦進出が決まった。

 「前半から飛ばしていこう」(中村帆)。その言葉通り、キックオフから理想的な試合運びを展開。前線からハイプレスをかけ続け、関大イレブンにボールを持たせず。とどまることなく攻撃を続ける中、迎えた20分に森下のクロスをゴール前で受けた佐藤亮が押し込むと、直後の21分には中村帆が左足を一閃し「自身初」だという2試合連続ゴール。立て続けに2点を先攻し、ゲームの主導権を確たるものとした。

 流れのままに進みたい後半だったが「そう甘くはない」(瀬古)。追いかける展開となった関大が反撃に転じ、前半にはなかった自陣に持ち込まれる場面も散見。64分には相手のコーナーキックからゴールを割られ、1点差に。「目測を誤った。自分の責任」(加藤大)。しかし、終わってみれば打たれたシュートはこれを含む2本のみ。押されながらも最後まで集中を切らすことなく、2―1で終了のホイッスル。ハードワークで圧倒した明大が紫紺対決を制した。

 歴史に名を刻んだ。今試合の勝利で大会史上初となる5年連続での決勝戦進出が決定。「先輩方から言われていたので、まず一つその目標を達成できたのはうれしい」(佐藤亮)。だが、目指したものはそこではない。「ここで負けては何の意味もない。あとは結果を出すだけ」(佐藤亮)。決勝戦の相手は法大。天皇杯ではJ1・ガンバ大阪を下し、波に乗るチームだが「自分たちが関東一のチームというプライドを持って戦う」(加藤大)。2年連続の栄冠へ、あとひとつ。絶対強者の実力を決勝で証明する。

[高野順平]

試合後のコメント

栗田大輔監督

――決勝は法大戦です。意気込みをお願いします。

「本当に明治は強いチームです。同時に、法大には一昨年の総理大臣杯決勝で負けているので、チャレンジャーとして勝ちたいと思います」

佐藤亮

――今日の試合の振り返りをお願いします。

 「関大とは定期戦でもやっていたので、激しい試合になるということは分かっていました。その中でもチームの一体感を出して、仲間のために戦うということをテーマにプレーできていたので、それだけが勝因だったと思います」

瀬古

――ここまで1点差のゲームを勝ち抜いてきています。

 「やはり全国大会でそう甘い試合はないと思います。こういう1点差のゲームを勝ちにつなげられるかがトーナメントで勝つチームにとって大事になってくると思います。自分たちの中でも学びの大会だと考えているので、そこを一戦一戦乗り越えていくことが自分たちの強みだと思っています」

加藤大

――大会を通し、4年生の方々が「背中で見せる」と口にしています。

 「自分の場合、今年初めて総理大臣杯のメンバーに入ることができたということで、八幡山に残っているメンバーの気持ちは痛いほど分かっています。そういう気持ちを背負っているので、それが背中で見せるということにつながればいいなと思っています」