文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

「今までやってきたことは間違いじゃなかった」

バスケ日本代表はワールドカップの1次リーグでアメリカと対戦。アメリカはビッグネームの招集は叶わなかったが『世界最強チーム』の称号に相応しい戦いぶりで攻守に違いを見せた。各クォーターの入りでそれぞれ日本を圧倒し、98-45の完勝を収めた。

試合開始から0-11のランを浴び、勝機が全く見いだせない完敗となったが、その中で日本バスケの希望を見せてくれたのが馬場雄大だった。点差をどんどん離され、戦う気力を失ってもおかしくない状況で、馬場は逆に奮起。果敢なディフェンスから攻めに転じて、ディフェンスがいても迷わずアタックする強気一辺倒のプレーを貫いた結果、両チームでもジェイレン・ブラウンの20得点に次ぐ18得点をマーク。

「点数は関係なく、アグレッシブに行った結果だと思います。スタートで出ることができたのは貴重な経験でした。自分は一生懸命やるだけ。あとはずっと練習してきたことをコートでどう表現するかだけを考えていました」と馬場は言う。

「こういった雰囲気に慣れて、冷静に状況判断をしながらのプレーができるようになったので、今までやってきたことが間違いじゃなかったと思います。あとは経験を積んでいくだけ。これから先も一個一個経験して上手くなっていきたいなっていう思いです」

一矢報いるダンク「この大舞台でできて良かった」

前夜に「このチャンスを思い切り楽しみたい。オフェンスも積極的に行ければ点数にも絡める」と語っていた通りのパフォーマンスを見せた。

その馬場はアメリカ戦で実際にプレーして得られた経験についてこう語る。「フィジカルだったりリングへのアタック、ボールへのタッチ。NBA選手とかは上手くなるにつれて一個一個を大切にしていると感じました。そこは自分が意識していることが間違っていなくて、これをキープしていければと思います」

日本の大学からBリーグを経由してバスケットボール選手としての自分を磨き、NBAを目指す馬場雄大。道なき道を進む彼にとって、今日の大敗は悔しい結果だろうが、それ以上に「自分のやってきたことが間違っていなかった」という確信を得られたという意味で収穫だろう。

縦一直線のワンマン速攻からのダンクも披露。「スティールからのダンクは僕のシグネチャームーブ(最も得意とする、代表的なプレー)なので、それがこの大舞台でできて良かった」と、馬場は表情をほころばせた。

「経験を埋めれば絶対に戦える、ここからがスタートだとすごく感じました」と語った馬場の言葉が、日本バスケにとっての今回のアメリカ戦の収穫となった。