文=鈴木栄一 写真=鈴木栄一、FIBA.com

「何ができるのか楽しみながらプレーをしたい」

今夜、バスケワールドカップの1次リーグ最終戦で、日本代表はアメリカ代表と対戦する。この夏、NBAサマーリーグに挑戦し、その先にあるNBA選手となることを目指す馬場雄大にとっては、まさに一世一代の力試しの場となる。

「ワクワクしかないですね。アメリカとやれることなんて運命で、一生に一度あるかないかだと思います。何ができるのか楽しみながらプレーをしたいです」

昨夜の練習を終えた馬場は、こう意気込みを語るとともにマッチアップしたい選手についても具体的に語る。「ケンバ・ウォーカー選手ともやってみたいですし、ドノバン・ミッチェル選手もポジション的にマッチアップすると思います。ピック&ロールを主に使ってくる選手なので、その選手に対してどう守れるのか。自分が今まで培ってきたディフェンス力がどこまで通用するかが確かめられる試合です」

すでにアメリカ戦に向けて集中を高めているが、それでもチェコ戦の終了直後は「本当にすごく落ち込みました」とショックを受けていた。

「全然戦えないわけではないですが、どうしても勝利という形で終えられない。チーム力としても個人の能力としても、チェコやトルコの方が上という中で、僕たちはどういうバスケットスタイルで進んでいけば、こういったチームに勝てるのかっていうことを考えました。個人としても本当にまだまだ力の足りなさを実感した試合でした」

中でも特に組織力の差を痛感したと続ける。「こちらは八村(塁)選手の1対1だったり、渡邊(雄太)選手のトランジションだったりと単発で攻めてしまった部分がどうしてもありました。向こうはパスを回してノーマークの選手を上手く作ってプレーしていました。相手は落ち着いてプレーしていたし、そこのオーガナイズされたチーム力の部分では経験の差を感じました」

「オフェンス、ディフェンスの両方で光る」

もちろん個々の能力についても差はあり、日本でプレーしている時には滅多にない思いが去来した。「Bリーグでは1対1で守れて60点台に抑えられるケースも多いです。それがワールドカップでは上手くパスを展開されて、ノーマークで3ポイントシュートを決められてしまう。力のある選手に対して、チームで対抗できる力が必要。そういった部分はBリーグでは感じることができない感情であり、レベルでした」

こういった反省点を生かしつつ、アメリカ戦で自分の望む道を切り拓いていく意味でも、今の自分が持っている力のすべてを出し作ることが求められる。その上で、何を表現したいところを尋ねると、こう力強い言葉が返って来た。

「自分は運動量があり、オフェンスとディフェンスの2ウェイでプレーできる選手だと思っています。チェコ戦では(NBA選手の)サトランスキー選手に付いて、そこでやられたっていう感じもしなかったです。オフェンスも積極的に行ければ点数にも絡めると思います。オフェンス、ディフェンスの両方で光ることができる。そこは意識してやっていきたいです」

本人も満足できる爪痕を馬場が残せた時には、それは日本が王者アメリカに対して見せ場を作ったという意味になるはず。日本代表、そして馬場個人の未来のためにも今夜の試合は持てる力のすべてを出し尽くしてほしい。