連載4回目は、平泳ぎを専門とする今井流星(スポ3=愛知・豊川)、白石崇大(スポ1=広島・沼田)、平河楓(スポ1=福岡・筑陽学園)が登場。3人とも日本学生選手権(インカレ)に向けて調子を上げてきていると話しており、自己ベストの更新に期待が懸かる。早大のお家芸と称されることもある平泳ぎの今後を担う3人にお話を伺った。

※この取材は8月20日に行われたものです。

「切磋琢磨(せっさたくま)するという意識で練習できている」(今井)


W杯で3年ぶりに自己ベストを更新した今井

――夏休みに入り、どのような練習スケジュールになっていますか

今井 今は合宿の疲れをとって、ペースワークなど試合に向けた練習をメインになってくると思います。今まで通り変わらないとは思います。(授業期間とは)朝練の時間が少し遅くなるぐらいですかね。

――改めて今季全体を振り返っていかがですか

白石 僕は今季ベストが一個も出ていないので、インカレでは出したいと思っています。

今井 僕は高校卒業してから大学に入り、3年目にやっとベストが出て一つ殻を破った感じはしたので、大幅にベスト更新をしていきたいなと思います。

平河 僕は100メートルは大学に入って1分1秒台がコンスタントに出るようになって安定していますが、200メートルはまだタイムに速いときと遅いときのばらつきがあるので、200メートルを安定させて、2分10秒台で泳げるようにしたいと思います。

――白石選手に伺いたいのですが、早大を志望された理由は何ですか

白石 流星さんと威久馬さん(大﨑、スポ2=神奈川・桐光学園)がいて、一平さん(渡辺、平31スポ卒=現TOYOTA)を輩出されるなど、平泳ぎが強い大学というのが一番ですね。

――早大ではいつから練習されているのですか

白石 3月中旬からです。

――高校時代と比べて練習は大変ですか

白石 一回一回の練習量は減りましたが、1日としての練習量は増えたかなという感じですね。

今井 どういうこと?

白石 6000メートルだったのが4000メートルになったけど、それが2回あるみたいな。

今井 距離は減ったけど練習回数は増えたということね。

――平河選手にもお聞きしますが、早慶戦の雰囲気はいかがでしたか

白石 独特な雰囲気で緊張感があって、自分としては気合も入って泳ぎやすかったとは思います。

平河 あんなに応援される試合は人生で初めてで、泳いでいてラスト50メートルは声援が聞こえて、もう一段階上げようと思える試合だったと思います。

――平河選手は平泳ぎ2種目で、佐藤翔馬選手や深沢大和選手に競り勝って優勝しましたが、レース中周りは見えていましたか

平河 いや、200メートルは翔馬は結構離れていて隣の深沢大和しか見えていなくて。150メートルをターンした時に「これは抜けるな」と大和だけには勝とうと思って、ラスト50メートルでスパートをかけたら、翔馬にも勝って。翔馬が自己ベストよりも遅かったので、あれはまぐれだと思いますが(笑)。でも勝ちは勝ちなので、うれしかったです。

――男子100メートル平泳ぎに関してはいかがですか

平河 100メートルは200で勢いがついていたので、「きょうだったら翔馬にも勝てるんじゃないか」と思っていました。50メートルをターンした時点では(佐藤は)結構前にいましたが、多分翔馬は落ちてくると思ってラストはテンポを上げて追い付けたので良かったですね。

――今井選手は冬にアメリカ・フラッグスタッフへ高地合宿に行かれたと思いますが、理由は何ですか

今井 そろそろやらないとまずいなと思ったからです(笑)。危機感を持って、このまま大学生活を終われないなと思って親に相談して、30万円ぐらいしましたが「ベストが出るなら安いんじゃないか」と言われて行きました。

――そこで得たものはありますか

今井 1、2年の時は、今振り返れば水泳に対する熱意がそこまでなかったのかなと思って。そのときは頑張っているつもりでしたが、まだ頑張れるなというのは感じたし、周りもトップレベルの選手ばかりで、速い人は頑張っているなという感じがしました。そこから少しかもしれませんが、水泳に対して結果を出したいなと思うようになりましたね。

――そこで得たものはありますか

今井 1、2年の時は今振り返れば水泳に対する熱意がそこまでなかったのかなと思って。そのときは頑張っているつもりでしたが、まだ頑張れるなというのは感じたし、周りもトップレベルの選手ばかりで、速い人は頑張っているなという感じがしました。そこから少しかもしれませんが、水泳に対して結果を出したいなと思うようになりましたね。山に行っていた時はインターチームとも練習して、その前と後も練習していたので、レベルの高さを実感して気持ちは変わりましたね。

――先ほども少し話しに出ましたが、自己ベストを更新したFINAワールドカップ東京大会(W杯)を振り返っていかがですか

今井 100分の1秒差で(早稲田基準を突破し)レギュラーに入りましたが、持っているなと思って(笑)。そこまでに切るための努力はしてきましたが、あれは運が良かったと思うのと、泳いだ感じとしてはもう少しいけるかなと思っています。インカレでは1分1秒台は出したいかなと思っています。

――平泳ぎを専門とする1年生が多く入部されましたが、刺激は受けていますか

今井 刺激しかないです。(後輩は)練習でも速いので、並んで泳いだりしても結構ガチになってしまいます。一平さんだとレベルが違い過ぎるという面もありましたが、今年に入って一平さんよりはレベルの近い選手と切磋琢磨(せっさたくま)するという意識で練習できていると思います。

「別の競技から刺激を受け取った」(平河)


入学後、大きくタイムを伸ばしている平河

――少し話は変わりますが、夏休みに入ってどこかに遊びに行かれましたか

今井 僕は結構遊びに行っていますね。どこかだと…。いつも通りという感じですかね。夏休みだからどこかに行ったという感じではないです。寮にいるのもあまり好きではないので、どこかに出かけたいタイプです。

――部内の方と出かけられるのですか

今井 いや、友達とかです。

平河 僕はこの間お台場に行きました。水球の谷(健太朗、スポ1=東京・明大中野)とW杯が終わってインカレまでに一回オフを挟もうかなと思って、お台場に行って大江戸温泉物語に2人で行きました(笑)。

――今井選手は福岡清流選手(スポ3=大阪・桃山学院)と仲がいいと伺いましたが、二人でどこかに遊びに行かれたりすることはありますか

今井 清流と仲はいいですが、一緒にごはんに行くことが多いですね。オフの日もたまに遊びますが、普段一緒にごはんに行くことが多いですかね。

白石 僕は楓たち同期で映画に行きました。

平河 いや、僕じゃないです。女の人と。

一同 (笑)。

平河 『天気の子』を見に行っています、女の人と(笑)。どこぞの女か分からないですけど。

白石 いや、同期とも行っています(笑)。

平河 1回尚さん(幌村、スポ3=兵庫・西脇工)と太介(今野、スポ1=山形・羽黒)と友輔(峯野、スポ1=大阪・関大北陽)と『ONE PIECE』を見に行ったんですよ。その次の日に別の人と(笑)。

白石 高校が一緒だったんです(笑)。そういうの良くない(笑)。

――世界選手権で印象に残ったレースはありますか

平河 やはり200メートル平泳ぎ。

今井 みんなで見ていました。痺れましたね。

平河 2分6秒台が3人いて…。

今井 そういう世界もあるんだなって。考えられないなって。

――平河選手の母校の筑陽学園高が甲子園に出場されていましたが、試合は見られましたか

平河 はい、見ました。初戦で負けましたが、9回に追い付いて延長までいったので、結構刺激ももらいました。あと(1年)下の学年で知っていて仲のいい子も結構いて、応援もできたし別の競技から刺激を受け取ったので、良かったです。

――皆さんが平泳ぎを専門にされたのはいつからですか

白石 僕は最初からです。

今井 小学校3年生ですかね。

平河 小1の時は背泳ぎと平泳ぎで、小2〜3でバタフライと平泳ぎで、そこからずっと平泳ぎです。

――試合前のルーティーンはありますか

今井 僕は音楽は聴かないですね。音楽を聴いても集中できないので。

白石 僕も聴かないです。

平河 僕も聴かないです。

今井 (招集所で)喋っている方がいいですね。

平河 R-1を飲むぐらいです。試合の日は飲んでいます。

――試合前にはいいのですか

平河 いや、力を引き出すと書いてあるので(笑)。

今井 飲み物は決めていますね。僕はレッドブルは絶対飲みます。朝は眠いので、それを覚ましたいからですね。

白石 僕は寝る前にオレンジジュースを飲むようにしています。

――食べ物の方は決めていますか

平河 僕は朝絶対コンビニのおにぎりの赤飯を食べます。

今井 僕は食べたいものを食べますね。さすがに少しは気を使いますが、コンビニに行って食べたいものを食べます。

白石 あまり競技に影響しないものを食べます。

――赤飯を食べ出したきっかけはありますか

平河 もち米が入っていて、力になりやすくておなかにもたまるので。ただよくかまないで食べると重りになると言われて、よくかむようにして食べています。赤飯は高1ぐらいから毎日試合のときは食べています。

「先輩方の姿を見るだけではなくて、支えられるようにしたい」(白石)


インカレで自己ベストを狙っている白石

――改めて、インカレでの具体的な目標を教えてください

白石 200の平泳ぎはベストを出してA決勝に残ることで、100はベストを出してB決勝には残りたいと思っています。

今井 僕は100メートルでは1分1秒台、200メートルでは2分13秒台を出して、どちらも2回泳ぐことを目標にしています。

平河 僕は200メートルの(今季大学生)ランキングが2位で、100メートルが6位なので、最低の目標はそのランキングを下げないことで、最大の目標としては100と200で優勝し、メドレーリレーもあるので、そこでも優勝して3冠をできればなと思っています。

――平河選手の目標に優勝という言葉がありましたが、意識している選手はいますか

平河 やはり同じ学年で1番の佐藤翔馬ですね。飛びぬけて速くて、200メートルは2分9秒台を出しても勝てるか勝てないかのレベルなので、早慶戦のようにラストで競り勝ちたいです。100メートルは他にも4年生のスプリンターの方などで速い選手がいるので、1分0秒台を出しても勝てるかどうかですが、競ったら勝てるようにしたいです。

――和歌山合宿など、夏休みの練習ではどのような課題を持って取り組まれましたか

白石 後半になると泳ぎが小さくなってしまう癖があるので、そこに気を付けて練習をしました。

今井 レース後半にきつくなってしまってたところが僕は弱いと思うので、耐える練習をやっていましたね。

平河 和歌山合宿では一番の課題であるスタートの練習を結構しました。動画も撮ってもらって少しは良くなりましたが、まだ完璧ではないので、あと残り17日でいい感覚をつかめるようにしたいです。スタートでいつも離されがちなので、そこで前に出られるように練習していきたいと思います。

――和歌山合宿ではミーティングをしたと伺ったのですが、どのような話をされていたのですか

今井 日によって内容を変えて、学年で話すこともありましたし、チームに分かれて「合宿ではこういうふうに頑張る」、「こんなことをやっていきたい」、「インカレでの目標は」といった内容のミーティングをしていました。

――平泳ぎチームではどのような話をされましたか

平河 映像などの情報共有が多いですね。そういうことはしていこうという話をしました。

――学年別ではどのような話をされましたか

今井 僕らの代がインカレが終わったら最上級生になるので、インカレを3年生としてどういうふうに戦っていくか、終わったらどういうふうにしていきたいかを話しましたね。

――来季の主将はどなたですか

今井 僕ですね。

――1年生はどのような話をしましたか

白石 1年生ではペップトークといって、マイナスな言葉をプラスな言葉に替えて発言するといった感じのことを話しました。それを1年生がやることで上級生に伝えられたらなという感じでした。

平河 あと1年生はインカレまでその日の目標を決めて、できたことを3つぐらい毎日LINEで共有しています。

今井 それ今もやってるの?

白石 やってますよ!

平河 毎日コメントしています。

――白石選手と平河選手は初のインカレとなりますが、大会にはどのような印象を持っていますか

白石 去年井上奨真さん(平31スポ卒)のレースを見てすごく感動したので、先輩方の姿を見るだけではなくて、支えられるようにしたいと思っています。

平河 1年目で後輩もいないし先輩しかいないので、フレッシュに、上級生に挑戦するというくらいの気持ちで挑めるということで、楽しみです。

――今井選手は1年生の時も出場されていますが、他の大会と比べていかがですか

今井 インカレというのはどこの大学の選手も特別な思いがあって、そこに向かってみんなが仕上げていくという場所なので、他の試合と比べてもやはり特別な感じがします。

――現在の調子はいかがでしょうか

白石 僕はいい感じです。

平河 僕はいいと思っています。

今井 みんないいんじゃない?

一同 (笑)。

平河 合宿が終わって泳ぎもだいぶ整ってきて、タイムもまあまあいいので、調子はいいんじゃないかなと思います。

今井 みんな調子はいいと思います。最後にインカレの日ににピークを持ってくるのが一番大事なんじゃないかなと思います。

――自分以外の注目選手はいますか

今井 僕は平河ですかね。同じ種目なのもあるし、いつも一緒に泳いでいて「こいつ速いな」と思うので、インカレ本番でどこまでいくのかなと。リレーもあると思うので、早慶戦のリレーよりも速く、1分を切れるのを楽しみにしています。応援しています(笑)。

平河 まだリレーに誰が出るかは決まったわけではないので。

今井 1日目の(男子100メートル平泳ぎの)結果次第だと思うので、僕も虎視眈々(たんたん)と狙っていきたいです。

白石 僕は丸山さん(優稀、法3=埼玉・大宮)ですかね。少し前まで隣で競って泳がせてもらっていましたが、勝てなかったですね。バック(背泳ぎ)はもちろん速いですし、バック以外の2個メ(男子200メートル個人メドレー)なども速いので、期待しています。

平河 僕は同期の簑田圭太(スポ1=大阪・太成学院大高)。圭太はドライ(陸上トレーニング)も毎日きちんとやっていて、別のチームですが結構速いと聞いていて、毎日頑張っているので楽しみだと思います。

――最後にインカレに向けての意気込みをお願いします

平河 僕はこの間の合宿でも3つ金メダルを持って帰ってくると言ったので、有言実行できるように頑張ります。

今井 去年は出られなくて、悔しい部分があったので、今年は大きく飛躍したいです。ベストではなくて、大ベストを狙っていきたいなと思います。

白石 大学にきて一番調子がいいと思うので、あとはやるだけだと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 宇根加菜葉、小山亜美)


自己ベスト更新に期待です!

◆今井流星(いまい・ひかる)(※写真中央)

1998(平10)年10月21日生まれのA型。173センチ、70キロ。愛知・豊川高出身。スポーツ科学部3年。専門種目は平泳ぎ。Netflixにはまっているという今井選手。髙野大祐選手(教2=東京・立教池袋)や森本健太マネージャー(スポ4=東京・早実)らと共に毎週テラスハウスを見られているそうです!

◆白石崇大(しらいし・たかひろ)(※写真右)

2001(平13)年3月20日生まれのB型。180センチ、64キロ。広島・沼田高出身。スポーツ科学部1年。専門種目は平泳ぎ。寝る前は本を読んでいるという白石選手。帰省した際にお兄さんからもらった睡眠の本で、競技にも参考にしていると話してくださりました!

◆平河楓(ひらかわ・かえで)(※写真左)

2000(平12)年7月29日生まれのO型。174センチ、70キロ。福岡・筑陽学園高出身。スポーツ科学部1年。専門種目は平泳ぎ。東野圭吾さん著の『白夜行』を読んでいるという平河選手。800ページ以上ある大作でなかなか読む時間もないそうですが、合宿の移動中などにも読まれていたそうです。