文=丸山素行 写真=FIBA.com

シュートが入らず「自信をなくしてしまった」

世界との経験の差を感じさせられる敗戦だった。

バスケワールドカップ初戦、日本はトルコに67-86で敗れた。会場の雰囲気や相手に飲まれた日本は出だしでターンオーバーを連発。そこから連続で失点し、第1クォーターを12-28とされると、一度も追いつくことができず完敗を喫した。

「散々なプレーを見せてしまった」。そのように自身のプレーを振り返ったのは安藤周人だ。7分51秒のプレータイムを得たが、3本放った3ポイントシュートがリングを射抜くことはなく、無得点に終わった。

第3クォーター開始2分、11点ビハインドの場面で安藤に出番が訪れた。「劣勢が長くて、『ここで俺なんだ?』と思いました」と、心の準備ができていなかったと明かす。そして、「シューターとして1本も決められなかったのは反省すべき点です」と、ネガティブな発言が口を突いた。

いつもの安藤であれば打っていたタイミングでシュートが打てず、ベンチからはシュートを打てのジェスチャーが送られた場面もあった。「1本、2本入らなくて自信をなくしてしまって。打っていいのか迷いながらプレーをしていました」

物怖じしない強心臓が安藤の売りでもある。それでも、「プレーが変わったのは初めて」というように、世界の大舞台は安藤から平常心を奪った。

日本は国際強化試合を5試合行い、いずれも良い勝負を演じてきた。それでも「練習と本番は全然違いました」と、安藤が言うように、トルコの強度はこれまでのどのチームよりも上で試合巧者だった。「日本でやってきた相手とは、相手が気合いも違いました。向こうの方が場慣れしていて、こっちは本当に初めての選手ばかりだったので、その部分で経験の差が出たと思います」

壊滅的だった出だし以外は、互角の戦いをしたともとれる。それだけに立ち上がりが悔やまれるが、これを次に生かすしかない。

「試合の最初の運び方。チームメート全員が身に染みて分かったと思います。僕自身としては、迷いながらプレーをしてしまったので、次のチェコ戦に繋げていきます」

劣勢の時こそ、3ポイントシュートの重要度は増す。代表経験の浅い安藤にとっては、大舞台に飲み込まれたことも一つの経験。「あの本数を打てたということは、自分にとってプラスにしていいんじゃないか」と、3本のシュートをとにかくも放ったアテンプト数を収穫に上げた。次のチェコ戦では、思いきりの良い安藤らしいプレーに期待したい。