文=丸山素行 写真=FIBA.com

次のチェコ戦を明日に控え「切り替えてやるしかない」

バスケワールドカップの初戦、日本代表はヨーロッパ勢の撃破を合言葉にトルコ戦に臨んだ。苦戦は覚悟の上だったが、大舞台での経験不足を露呈して試合の入りでつまづき、さらにエースの八村塁を封じ込まれて67-86の完敗を喫した。

「出だしで相手を勢いに乗せてしまったところは反省点」。そう語るのは、先発ガードを務めた篠山竜青だ。この大舞台に飲まれ、第1クォーターだけで6個のターンオーバーを犯した日本は、そのほとんどを得点に繋げられた。そのうち2つは篠山のターンオーバー。ポイントガードとしては痛恨の出だしとなった。

12-28と大きなビハインドを背負った第1クォーターを篠山はこう振り返る。「ボールに寄って簡単な1on1をやられないように意識しましたが、相手のボールのないところでの合わせや、序盤の3ポイントシュートだったり、僕らがやりたいことが後手後手になってしまった」

トルコは最も大事な試合の出だしで100%の力を発揮し、八村というストロングポイントを消しにかかり、機動力の劣るニック・ファジーカスを外に釣り出してはスピードのミスマッチを狙い撃ちにした。また外に出たビッグマンに篠山が付くと高さのミスマッチを狙われ、付いているにもかかわらずその上から3ポイントシュートを決めてきた。

日本もトルコが試合巧者であることは理解していたが、トルコは予想を大きく上回ってきた。

「ボールを動かし続けるところをぶつ切りにされた」

強化試合ではハイスコアリングゲームが目立ったが、今回は70点を下回った。「さいたまスーパーアリーナでやったチームとは強度がやっぱり違います」と、篠山も認めたように、テストマッチと真剣勝負は別物だった。

篠山は、オフェンスが停滞した理由をこのように分析した。「ボールのないところでの相手のディフェンスの強度が高く、スクリーンで壊されてしまいボールがもらえなかった。自分たちのプレーが上手く行っても、ボールを動かし続けるところをぶつ切りにされてしまった。それが原因だと思います」

トルコはフィジカルが強い上に、プレーの精度も高かった。また、3ポイントシュートを決めて日本がこれからという時に、何度も3ポイントシュートを決め返した。「チームとして流れが良くなってきて、ここで押したいという時に、一つひとつの精度の違いを見せつけられた」と、篠山は感じていた。

大事な試合を落としただけに、ネガティブな言葉が続くのも無理はない。だが、これを引きずるようでは何もできないまま大会が終わってしまう。篠山も「切り替えることが大事」と話す。

「トルコの今日のようなディフェンスを手本にして、自分たちができることも絶対にあります。一個一個のスクリーンを壊すとか、ボールプレッシャーの部分とか、スイッチをするかしないかとか。今日の試合をしっかりと反省して、そういう確認をもっと丁寧にやって、切り替えてやるしかないです」

この経験を糧に──。言うは易しであり、短期間でアジャストすることは至難の業。それでも中1日を置いてチェコ戦が迫っている。本当の意味で今回の敗戦が意味のあるものだったかどうかは、チェコ戦でのパフォーマンス次第だ。チームも篠山自身も真価が問われる一戦となる。