「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)女子シングルスで、2年連続のベスト16進出を決めた大坂なおみ(日本/日清食品)。4回戦の相手は第13…

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)女子シングルスで、2年連続のベスト16進出を決めた大坂なおみ(日本/日清食品)。4回戦の相手は第13シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)だ。今回はそのベンチッチを紹介する。

大坂と同じ1997年生まれ、3月10日に22歳となったベンチッチ。身長は175cm、すべてのショットに穴がなく、ほとんどのボールをライジングで処理しつつ、前後左右、あるいは上下に展開して相手を崩しトドメを刺す。そのスタイルはかつての女王マルチナ・ヒンギス(スイス)を思わせ、本格化が待たれる次代のスーパースター候補のひとりと言っていいだろう。

ベンチッチがテニスを始めたのは4歳。ヒンギスの母親メラニー・モリター氏の下で指導を受け、2013年の全仏ジュニアとウィンブルドン・ジュニアで優勝。ジュニアの世界ナンバーワンとしての実績を引っさげて、プロデビューした。

2016年2月に10代でのトップ10入りを果たし、この年の2月22日に記録した世界7位が現在の彼女のキャリアハイだ。しかし、翌年2017年には左手首の手術を受け、その後約5ヵ月間ツアーを離脱した。それによりランキングは一時318位まで低下。それでも復帰大会となった9月の下部大会で、いきなり優勝を飾っている。

そして2019年は、大坂が初戦敗退となった2月の「ドバイ・デューティフリー・テニス選手権」でタイトルを獲得している。その大会、ベンチッチはノーシードながら次々に上位シード選手を撃破し、優勝まで上り詰めた。

そんなベンチッチと大坂は、ツアー本戦では今回が3度目の対戦となる。過去2度の対戦は、ベンチッチの2勝0敗。なお、その2試合とは別に2013年の下部大会で対戦した際はベンチッチが敗れている。

WTA(女子テニス協会)公式サイトによると、大坂は3月の「BNPパリバ・オープン」でベンチッチと対戦する前に、2013年下部大会の時のことを次のように話していた。

「あの日は丸1日何も食べていなかったことを覚えています」「それで私はただコートに行き、とにかく全ての球を打ち込もうとだけ決めました。そして幸運なことに、それがうまくコートにおさまりました。正直なところ、それがあのとき私が勝った方法だと思います」

「彼女(ベンチッチ)は本当にショックを受けていたと思いました。私たちは同年代ですが、私は本当にジュニアでプレーしてませんでしたから。誰も私のことを知りませんでした」「彼女は、本当にジュニアのビッグスターでした。 そして今もスターです」

名も知られていなかった挑戦者から、今や世界1位へと登った大坂。今大会ではディフェンディングチャンピオンとして、ベンチッチと三度激突する。「全米オープン」公式サイトによると、大坂は3回戦後の記者会見で「私にとって彼女(ベンチッチ)との対戦はいつも、非常にチャレンジングなものです。今まで彼女に勝ったことがあるかは分かりません。今年初めに対戦した2回は、負けたことを分かっています」と話した。

「闘いになると思います。彼女は決して諦めません。彼女は全てのポイントに向かってきます。私にとって本当に難しい試合になるだろうと思っています」

「全米オープン」2連覇を目指すなかで、同世代ライバルとの大きな1戦を迎えようとしている大坂。ベンチッチからツアーでの初勝利を挙げることができるか注目される。二人の試合は大会8日目のセンターコート第1試合で、日本時間3日の午前1時に開始予定だ。

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【ベンチッチのプロフィール】

■生年月日

1997年3月10日(22歳)

■身長

175cm

■利き腕/バックハンド

右/両手

■「全米オープン」過去最高成績

準々決勝(2014年)

■キャリア通算シングルスタイトル数

3個

■2019年ツアー、「全米オープン」前までの戦績

38勝16敗

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全米オープン」でのベンチッチ

(Photo by Emilee Chinn/Getty Images)