文=丸山素行 写真=野口岳彦

「U19とA代表のワールドカップに出たのは僕と塁だけ」

いよいよ本日、日本代表はバスケワールドカップ初戦のトルコ戦を迎える。

八村塁と同様にチーム最年少のシェーファー・アヴィ幸樹は最終12名のメンバーに滑り込んだ。高校からバスケを始めたシェーファーは、常に高いレベルに揉まれることで急激に成長を重ねてきた。競技歴わずか3年半でU19代表に選出され、そこで出会ったのが八村塁だった。

「U19のワールドカップと今回のA代表のワールドカップの両方に出たのは僕と塁だけだと、U19のトレーナーの人に言われたんです」とシェーファーは言う。本人はその事実に気づかず、「あっ、そうなんだ(笑)」と驚いたというが、その後にこみ上げる思いがあった。

「やっぱり、U19で一緒にやれた塁とこのレベルで一緒に立てるというのは、感慨深いものがありますね。もちろん彼はNBA選手になって、チームの中心ですし、そういう意味ではすごくうれしいです」

初心者がいきなりその世代でNo.1プレーヤーの八村とマッチアップしても相手にならない。当時は常に「ボコボコにされています」と、シェーファーは語っていた。だが、その経験があるからこそ、世界の強敵と対峙しても圧倒されることはなくなった。

代表に滑り込み「これでやっとスタートラインに立てた」

そしてシェーファーは、ニュージーランドとのテストマッチの第2戦で、リムプロテクターとしての片鱗を見せ、劣勢のチームを救った。ワールドカップ本番でもこうした働きを見せたいとシェーファーは意気込む。「世界トップレベルの選手が相手でもディフェンスで止めたり、ハッスルプレーでチームを盛り上げたいです。今回のワールドカップでこの場所に立てる選手なんだということを証明したいと思います」

ほんの1週間前までは、ワールドカップの12人に選ばれることが目標だった。さいたまスーパーアリーナでの国際試合の全日程を終えた時点では、「プレータイムも伸びず、その中で自分の力を思い切って発揮できなかったという反省があります」と、最終選考での落選も頭にあるような気落ちした様子だったが、八村と彼を除くとビッグマンはベテラン揃いで、先を見据えた場合にはシェーファーに国際経験を積ませることが必要なのは間違いない。そんな判断が働いたのだろう、シェーファーは12人の枠に入った。

こうなれば、目標は上方修正される。「僕が12人目だろうが関係ない。立場は後ろのほうだと思いますが、選ばれたことに変わりはないので」と気持ちを入れ直す。

「A代表の大きな大会に出るのは初めてで、これでやっとスタートラインに立てたと思います。これからオリンピックもあって、その次もまだまだあるので、一つ目のステップにしたい」

ニック・ファジーカスや八村、竹内兄弟がいる中で、シェーファーに与えられるプレータイムは少ないかもしれない。それでも「1分でも1秒でも全力を尽くす」と意気込むシェーファーの存在は、日本にとって決して小さくはないはずだ。